履歴事項全部証明書(会社謄本)のアポスティーユ|取得方法・英訳・公証の手順と料金

海外の取引先や銀行、現地の登記機関から「会社の登記簿謄本(Certificate of Registered Matters)にアポスティーユを付けて出してください」と言われたら、法務局で取った履歴事項全部証明書(会社謄本)に、外務省でアポスティーユを付けるのが基本の流れです。履歴事項全部証明書は法務局が発行する公文書なので、公証役場を通さずに外務省で直接認証を受けられます。外務省の手数料は無料で、不備がなければ受付から3開庁日後に郵送で発送されます。対象は原則として発行日から3か月以内の原本で、登記情報提供サービスの印刷物は認証を受けられません。英訳などの訳文を付けて一緒に認証したい場合は、翻訳者の宣言書を作って公証役場を通す方法になります。

この記事では、履歴事項全部証明書の取り方、外務省でアポスティーユを受ける方法、訳文を付ける場合の公証の手順、提出国ごとの注意点、当事務所の取得代行の料金と納期をまとめます。

※本記事は、法務局「よくあるご質問等<商業・法人登記関係>」(2026年3月30日更新)、法務省「登記手数料について」(令和7年4月1日〜)、外務省「申請手続きガイド」「よくあるご質問」(2026年9月18日更新)、日本公証人連合会の案内をもとに、2026年9月29日時点で作成しています。

結論:会社謄本は外務省で直接アポスティーユ、訳文を付けるなら公証役場経由

ケース 手順 当事務所の納期の目安
訳文を付けない(日本語の証明書のまま出す) 法務局で履歴事項全部証明書を取得 → 外務省でアポスティーユ 土日祝日をのぞく平日5〜6営業日以内に発送
訳文を付けて一緒に認証する 法務局で取得 → 翻訳 → 翻訳者の宣言書に訳文と証明書を添付して公証人の認証 → 法務局の公証人押印証明 → 外務省でアポスティーユ(東京都など8都道府県〈北海道は札幌法務局管区内〉の公証役場なら一度に取得できる) 翻訳が平日3営業日以内(会社謄本が5ページ以上の場合は数日延びることがあります)、その後、公証役場でアポスティーユを取得して平日3営業日以内に発送
提出先の国がハーグ条約の締約国でない 上記のアポスティーユの代わりに外務省の公印確認 → その国の駐日大使館・総領事館で領事認証 大使館によって異なるためお見積り

当事務所の納期は、ご入金と会社謄本の原本が当事務所にそろった日から数えます(当事務所で会社謄本を取得する場合は、法務局から届いた日から)。海外へ発送する場合は、さらに配送の日数がかかります。締約国向けでも、提出先によって求める書類や認証の形が異なることがあるため、提出先の指示を確認してください。

外務省は、登記簿謄本を「国等の機関」が発行する書類の例として挙げ、公印確認・アポスティーユのどちらも受けられるとしています(外務省「申請手続きガイド 1 証明できる書類」)。提出先の国が締約国かどうかは「ハーグ条約加盟国一覧【2026年9月時点】」で確認できます。

提出先から届いた案内やメールをそのままお送りいただければ、どの手順が必要かと総額を無料でご案内します(無料見積り・相談フォーム)。

履歴事項全部証明書(会社謄本)とは

履歴事項全部証明書は、法務局に登記された会社の商号、本店、目的、役員などを証明する登記事項証明書の一種で、一般に「会社謄本」「登記簿謄本」と呼ばれます。英語では Certificate of Registered Matters などと訳されます(当サイトの「海外提出書類の日本語・英語名称辞典」も参照)。海外での現地法人・支店の設立、銀行口座の開設、取引先登録、入札、駐在員のビザ申請などで提出を求められることがあります。

登記事項証明書には次の4種類があります(法務局)。

種類 記載される内容 海外提出での使いどころ
履歴事項証明書 現在事項に加えて、請求日の3年前の日の属する年の1月1日から請求日までの間に抹消された事項など 「会社謄本」として最もよく求められる
現在事項証明書 現に効力を有する登記事項など 過去の変更履歴が不要な場合
閉鎖事項証明書 閉鎖した登記記録に記録されている事項 閉鎖された登記記録(本店を他の管轄へ移転する前の記録など)が必要な場合
代表者事項証明書 会社の代表者の代表権に関する事項で、現に効力を有するもの 代表者の資格だけを示せばよい場合

履歴事項証明書に載る過去の履歴は、請求日の3年前の日が属する年の1月1日以降に抹消された事項です。たとえば2026年12月に請求すると2023年1月1日以降に抹消された事項が載りますが、2027年1月に取り直すと2024年1月1日以降になり、2023年中に抹消された事項(変更前の商号や退任した役員など)は載りません。提出先が履歴事項証明書に載らない過去の履歴を求めている場合は、どの証明書で足りるかを登記所に確認してください。

取得方法と手数料

登記事項証明書は、手数料を納めれば誰でも取得できます(商業登記法10条1項)。会社の本店を管轄する法務局でなくても、全国どこの登記所でも請求できます(法務局)。

請求方法 手数料(1通)
登記所の窓口または郵送(書面請求) 600円
オンライン請求・郵送で受け取り 520円
オンライン請求・登記所の窓口で受け取り 490円

手数料は令和7年4月1日からの額です(法務省「登記手数料について」)。1通の枚数が50枚を超える場合は、超える50枚までごとに100円が加算されます。会社の印鑑証明書も一緒に求められた場合は、書面請求で1通500円です。印鑑証明書は、誰でも請求できる登記事項証明書と違い、会社の代表者本人か、その代理人しか請求できません(法務局)。

注意したいのは、インターネットの「登記情報提供サービス」で印刷したものは証明書ではないことです。登記事項証明書と同じ内容でも登記官の証明文がないため、外務省の認証は受けられません。アポスティーユを付けるには、法務局が発行した証明書の原本が必要です。

また、外務省が受け付けるのは原則として発行日から3か月以内の書類です(外務省「申請手続きガイド 4 申請前のチェックシート」)。提出先が発行後の期間を指定している場合もあるため、提出日から逆算して取得してください。

外務省でアポスティーユを受ける方法(訳文を付けない場合)

日本語の証明書のままで提出できる場合は、履歴事項全部証明書の原本を外務省に申請します。

  • 申請は東京の外務本省・大阪分室の窓口か郵送。手数料は無料で、交付は郵送のみ。不備がなければ受付から3開庁日(外務省が開いている平日)後に発送(例:月曜日受付→木曜日午後発送)
  • 東京の外務本省での窓口申請は、2026年10月5日以降オンライン予約が必要(大阪分室は予約不要)
  • ホチキスを外した跡や書き込みなど、加工された公文書は受け付けられない
  • 提出国が異なる場合は国ごとに申請書を分ける。予備・保管目的の申請は受け付けない

(外務省「よくあるご質問」「申請手続きガイド」)

訳文を付けて認証する場合:翻訳者の宣言書で公証役場を通す

提出先によっては、日本語の証明書に英語や現地語の訳文を付けるよう求められます。ただし、公文書に翻訳を添付すると私文書の扱いになり(外務省「申請手続きガイド 4」)、そのままでは外務省で認証を受けられません。

そこで、「日本語と外国語に堪能で、添付の公文書を誠実に翻訳した」という趣旨の翻訳者の宣言書(Declaration)を作成し、訳文と履歴事項全部証明書を添付して、その宣言書に公証人の認証を受けます。日本公証人連合会も、登記事項証明書などの公文書について、この方法で公証人が認証できると案内しています。そのあと法務局の公証人押印証明を経て、外務省でアポスティーユを受けます。

北海道(札幌法務局管区内)、宮城県、東京都、神奈川県、静岡県、愛知県、大阪府、福岡県の公証役場では、公証人の認証・法務局の公証人押印証明・外務省のアポスティーユを一度に取得できるワンストップサービスが使えます(外務省「申請手続きガイド 2 申請の流れ」)。公証人の手数料は、宣言書のように金額の記載がない書面の認証が1通6,500円で、宣言書が外国語で書かれている場合は6,000円が加算されます(公証人手数料令34条、日本公証人連合会)。英語の宣言書なら1通12,500円です。

訳文の形は提出先によって異なり、たとえば次のような形があります。

  • 日本で訳文を付けて、公証・アポスティーユまで受けたものを求める
  • 証明書にアポスティーユを付け、訳文は公証なしで添付すればよいとする
  • 証明書にアポスティーユを付け、訳文は現地の公認翻訳者が作ったものを求める

公証まで受けると、公証人の手数料と日数が加わります。一方で、公証が必要なのに受けずに出すと差し戻されるおそれがあるため、どの形で出すかは提出先の指示を先に確認してください。英語で確認する場合は「Should the translation be notarized in Japan and included under the apostille, or is it acceptable to attach a separate translation to the apostilled original? Or does the translation need to be made by a certified translator in your country?」のように尋ねると伝わります。当事務所では英語・中国語・韓国語・スペイン語・イタリア語などの翻訳に対応しています(そのほかの言語はお見積り)。

提出国ごとの注意点

提出先 外務省での認証 関連記事
中国(本土) アポスティーユ(2023年11月7日から)。訳文も一緒に認証する場合は公証役場経由 会社謄本の中国向け公証アポスティーユ取得代行
韓国 アポスティーユ。訳文も一緒に認証する場合は公証役場経由 会社謄本の韓国向け公証アポスティーユ取得代行
ベトナム アポスティーユ(2026年9月11日から)。公証・認証を受けたベトナム語訳が必要(現地で翻訳・公証するか日本で用意するかは提出先に確認) ベトナム向け文書のアポスティーユ取得代行
タイ 2027年2月27日までは公印確認→駐日タイ大使館の領事認証。2月28日からアポスティーユの予定 タイ向け文書の領事認証・アポスティーユ取得代行
そのほかの締約国(アメリカ、ヨーロッパ各国など) アポスティーユ 国別:アポスティーユ・領事認証取得代行
締約国でない国 公印確認→駐日大使館・総領事館の領事認証 ハーグ条約加盟国一覧

当事務所の取得代行:会社謄本の取得から翻訳・アポスティーユ・発送まで

ロイヤルパートナーズ行政書士事務所(東京都港区)では、履歴事項全部証明書の郵送取得から、翻訳、公証役場・外務省での認証、海外への発送までを一括で代行します。上場企業のグループ会社からのご依頼もいただいており、インド、カンボジア、カナダ、中国、韓国、ベトナム、マレーシア、アメリカなどへの提出実績があります。

  1. 会社名・本店所在地(または会社謄本のデータ)と、提出先の国・用途・訳文の指示をメールかフォームでお知らせください。無料でお見積りします
  2. お見積りに同意いただいたら、料金をお支払いください(クレジットカード〈Square〉、PayPal、銀行振込。社内規定で後払いが必要な場合はご相談ください)
  3. 当事務所が会社謄本を取得し(お手元の原本を郵送いただくこともできます)、必要に応じて翻訳と宣言書を作成します
  4. 公証役場・外務省で認証を受け、ご指定の住所(国内・海外)へ発送します
サービス 料金(1件あたり)
アポスティーユ取得代行 16,000円+税(税込17,600円)
領事認証取得代行(公印確認+駐日大使館) 26,000円+税(税込28,600円)
書類が2通以上の場合の加算 2通目以降1通につき3,000円+税(税込3,300円)
履歴事項全部証明書(会社謄本)の郵送取得代行 1通900円+税(税込990円、法務局の手数料込み)
翻訳 A4サイズ1枚あたり3,500円+税(税込3,850円)〜
PDFデータ化(スキャンデータのメール送付) 900円+税(税込990円)
国内返送(レターパックライト) 450円
海外発送(DHL、FedEx、EMS) 3,000円+税(税込3,300円)+送料実費

翻訳者の宣言書に訳文と会社謄本をまとめて認証する場合は1通として数え(2通目以降の加算はかかりません)、アポスティーユ取得代行の料金に翻訳料と公証人の手数料が加わります。PDFデータ化・国内返送・海外発送は基本料金に含まれず、ご希望の場合に加算します。公証人の手数料や駐日大使館の手数料などの実費は別途かかります。詳しくは「ご利用料金」をご覧ください。行政書士には法律上の守秘義務(行政書士法12条)があり、お預かりした書類や会社の情報は手続きにのみ使用します。当事務所は日本国内での認証の取得を代行するもので、提出先で書類が受け付けられることを保証するものではありません。

よくある質問

登記情報提供サービスで印刷したものにアポスティーユは付けられますか?

付けられません。登記情報提供サービスの印刷物には登記官の証明文がなく、証明書ではないためです。法務局で発行された履歴事項全部証明書の原本を用意してください。

会社謄本はどこの法務局で取ればよいですか?

全国どこの登記所でも、他の登記所の管轄の会社の登記事項証明書を請求できます(法務局)。オンラインで請求して郵送で受け取ることもできます。当事務所で郵送取得を代行することもできます。

英語版の会社謄本はありますか?

法務局が発行する登記事項証明書は日本語です。英語で提出する必要がある場合は訳文を作成し、提出先の指示に応じて、翻訳者の宣言書による公証とアポスティーユを受けます。

取得してからどれくらい使えますか?

外務省の認証は、原則として発行日から3か月以内の書類が対象です。提出先も発行後の期間を指定していることがあるため、提出日から逆算して取得してください。年をまたいで取り直すと、履歴事項証明書に載る過去の履歴の範囲が変わります。1月以降に取り直す場合は、新しい証明書に提出先が求める期間の履歴が載っているかも確認してください。

海外の銀行から Certificate of Incumbency(役員・署名権限者の証明)を求められました。何を出せばよいですか?

日本に同じ名前の公的な書類はありません。役員の記載が必要なら履歴事項全部証明書(または現在事項証明書)に訳文を付けて出す方法が考えられますが、受け付けられる書類は提出先ごとに異なります。なお、登記事項証明書に載るのは役員と代表者で、それ以外の署名権限者は記載されません。提出先の書式や案内を当事務所にお送りいただければ、どの書類で進めるかをご提案します。

代表者の資格を証明する書類を求められています。履歴事項全部証明書でよいですか?

代表者の代表権だけを示せばよい場合は、代表者事項証明書で足りることもあります。どの証明書が必要かは提出先に確認してください。会社の印鑑証明書(代表者の届出印の証明)を一緒に求められることもあります。会社の印鑑証明書の取り方と認証は住民票・印鑑証明書のアポスティーユで解説しています。

まとめと依頼方法

  • 履歴事項全部証明書は法務局発行の公文書なので、外務省で直接アポスティーユを受けられる
  • 訳文を付けて一緒に認証する場合は、翻訳者の宣言書で公証人の認証を受け、アポスティーユまで取得する(東京都など一部の地域の公証役場ならワンストップ)
  • 登記情報提供サービスの印刷物は証明書ではないため認証できない
  • 外務省は原則として発行日から3か月以内の書類が対象
  • 締約国でない国に出す場合は、公印確認と駐日大使館の領事認証が必要

会社名と提出先の国、用途、訳文の指示をお知らせいただければ、必要な手続きと総額、納期をお見積りします。


参考(一次情報・出典)

※本記事の情報は2026年9月29日時点のものです(各機関のページは同日に閲覧)。

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