海外移住の税金と住民票【2026年】出国前後の手続きチェックリスト|会社員・経営者・個人事業主

海外移住の税金と住民票の手続きは、「いつ日本の非居住者になるか」で決まります。1年以上海外に住む予定で出国すると、原則として出国した日から所得税法上の非居住者になり、日本で課税されるのは日本国内で生じた所得(国内源泉所得)だけになります。一方、住民税は1月1日に住所がある市区町村で課税されるため、年の途中で出国してもその年度の住民税は全額かかります。さらに、出国の年の確定申告、納税管理人の届出、NISAやiDeCoの手続き、1億円以上の有価証券を持つ人の出国税など、出国の時点で期限が来る手続きがいくつもあります。本記事では、国税庁・総務省・市区町村などの公表情報にもとづき、会社員・経営者・個人事業主に分けて次の項目を整理します。

  • 出国前後の手続きの時系列(チェックリスト)
  • 住民票の国外転出届と、出すと変わること
  • 出国の年の所得税・住民税と納税管理人
  • 非居住者になったあとの日本の所得(家賃・配当・役員報酬・年金)の課税
  • 出国税・NISA・iDeCo・国外財産調書・相続税
  • 日本の会社を海外から経営する場合、個人事業を廃業するか続ける場合

※本記事は2026年9月30日時点の公表情報(国税庁、総務省、デジタル庁、地方公共団体情報システム機構、法務省、金融庁、国民年金基金連合会、警察庁、各市区町村など)をもとにした一般的な解説です。居住者・非居住者の判定や税額は、個々の事情によって変わります。申告・納税の判断は、税務署または税理士へご確認ください。

目次

  1. 結論:出国前にやることを時系列で並べる
  2. 住民票の国外転出届:1年以上なら必要。出すと変わること
  3. 所得税:出国した日から非居住者になる
  4. 住民税:1月1日の住所で決まる。年の途中で出国しても減らない
  5. 非居住者になったあとの日本の所得:源泉徴収で終わるもの、申告が要るもの
  6. 資産の手続き:出国税・NISA・iDeCo・国外財産調書・相続税
  7. 経営者:日本の会社を海外から経営する場合
  8. 個人事業主:廃業するか、日本の事業を続けるか
  9. よくある質問
  10. まとめ:非居住者になる日を決めて、そこから逆算する

結論:出国前にやることを時系列で並べる

海外移住の手続きは、期限が「出国の日」または「出国の前日」に来るものが多いのが特徴です。会社員を例に、主な手続きを時系列に並べると次のとおりです。

海外移住の前後の主な手続き(2026年9月30日時点)
時期手続き提出先・相手
出国の6か月前まで移住先のビザ・住居の確定。1億円以上の有価証券(自社株を含む)を持つ人は、株価の評価、出国税の試算、納税猶予と担保の準備—
出国の1〜2か月前納税管理人を決める(出国後に日本で申告・納税が必要になる人)。NISA・iDeCo・銀行・証券口座の非居住者の扱いを確認家族・税理士など/金融機関
出国予定日の14日前から(多くの市区町村)住民票の国外転出届(原則として出国前に)市区町村
出国の前日までマイナンバーカードの継続利用の手続き(海外でも使う場合)。NISAの「継続適用届出書」または「出国届出書」市区町村/金融機関
出国の日まで「所得税・消費税の納税管理人の選任・解任届出書」(出国税の納税猶予を受ける人は必須)税務署
出国の日まで住民税の納税管理人申告書(住民税が残る人)市区町村
出国の日まで在職中に出国する会社員(給与収入2,000万円以下)は勤務先で年末調整。納税管理人を置かない人は出国までに確定申告(準確定申告)と納税勤務先/税務署
出国後国民健康保険・国民年金に加入していた人は資格喪失(国民年金は任意加入できる)。iDeCoは任意加入しなければ運用指図者へ市区町村・年金事務所/金融機関
翌年3月15日まで納税管理人を置いた人は、納税管理人を通じて出国した年の確定申告(出国税の申告を含む)。消費税の申告が必要な個人事業主は3月31日まで税務署

年金を受け取っている人、または受け取る前に移住する人の年金の手続き(日本年金機構への届出、現況届、任意加入)は、年金で海外移住はできる?受給中・受給前の手続きで詳しく解説しています。

住民票の国外転出届:1年以上なら必要。出すと変わること

海外に1年以上住む場合は、住民票の国外転出届が必要です。多くの市区町村では、出国予定日の14日前から届け出ることができます(原則として出国前に届け出ます)。1年未満の海外出張や留学の場合は、転出届を出さずに住民票を残すのが原則です。

国外転出届を出すと変わること(品川区・目黒区・渋谷区などの案内による)
項目国外転出後
印鑑登録転出予定日で廃止。以後、不動産の売却や会社の登記などで印鑑証明書の代わりが必要なときは、在外公館で署名証明(サイン証明)を取る(1通1,700円相当、本人が出向く必要がある)
国民健康保険転出予定日の翌日に資格喪失。一時帰国中は国保に加入できない
国民年金強制加入ではなくなる。日本国籍なら20歳以上65歳未満で任意加入できる
マイナンバーカード2024年5月27日から、継続利用の手続きをすれば国外転出後も使える(出国予定日の前日まで)。国内用の電子証明書は失効し、国外用の電子証明書を新たに発行する
住民税翌年1月1日に日本に住所がなければ、翌年度から課税されない
公的な証明住民票の写しは取れなくなる(除票の写しは取れる)。海外での住所の証明は、在外公館の在留証明(現地に3か月以上住んでいることなどが条件)

「住民票を残したまま海外に住めば、国保も使えて手続きも楽」と考える人がいますが、1年以上海外に住む場合は転出届が必要とされています。住民票を残せば、国民健康保険料・国民年金保険料・住民税の負担も続きます。また、税金上の居住者・非居住者は住民票ではなく生活の実態で判定されるため、住民票を残しても、残さなくても、それだけで税金上の扱いが決まるわけではありません(次の章)。

所得税:出国した日から非居住者になる

居住者・非居住者の判定

所得税法では、日本国内に住所がある人、または現在まで引き続き1年以上居所がある人を「居住者」、それ以外を「非居住者」といいます。国外で継続して1年以上住むことが通常必要な職業に就く人などは、日本に住所がないと推定されます。国税庁の質疑応答では、当初から1年以上の予定で海外勤務に出国した人は、出国の時から非居住者として扱われると説明されています。

よく言われる「年の半分(183日)以上海外にいれば非居住者」という基準は、日本の所得税の判定基準ではありません。国税庁は、183日以上海外に滞在していても日本の居住者になる場合があると明記しています。判定は、生活の本拠がどこにあるか(家族の居所、職業、資産の所在など)で総合的に行われます。

出国の年の確定申告と納税管理人

出国の年の1月1日から出国日までの所得は、居住者として申告・納税します。方法は2つです。

出国の年の申告の方法(国税庁)
方法申告・納税の期限向いている人
納税管理人を置かずに出国する出国の時までに確定申告(準確定申告)と納税を済ませる出国前に所得と控除の資料がそろう人
納税管理人を置く「所得税・消費税の納税管理人の選任・解任届出書」を出国の日までに提出。申告は納税管理人を通じて通常の期限(翌年3月15日)までに行う出国後も日本で不動産収入などがあり、毎年の申告が必要な人

納税管理人は、個人でも法人でもかまいません。家族に頼むほか、税理士に依頼する方法もあります。出国後も日本の不動産を貸す人や、出国税の納税猶予を受ける人などは、日本での申告・届出が毎年続くため、納税管理人を置いておくのが実務的です。日本の会社から受ける役員報酬は、非居住者の場合は源泉徴収(20.42%)で課税が終わり、それだけで確定申告が必要になるわけではありません。

会社員が在職したまま1年以上の予定で海外に出国する場合は、その年の給与収入が2,000万円以下なら、出国の日までに勤務先で年末調整を受けます。退職してから出国する人は、通常は年末調整を受けないため、源泉徴収された税金の精算(多くは還付)は、出国前の確定申告か、納税管理人を通じた申告で行います。生命保険料控除などは出国の日までに支払った分が対象です。給与以外の所得が20万円を超える人や、給与収入が2,000万円を超える人など、もともと確定申告が必要な人は、上の表のどちらかの方法で申告します。

住民税:1月1日の住所で決まる。年の途中で出国しても減らない

住民税は、その年の1月1日に住所がある市区町村で、前年の所得にもとづいて課税されます。そのため、年の途中で出国しても、その年度の住民税の額は変わりません。逆に、12月31日までに国外転出届を出して翌年1月1日に日本に住所がなければ、翌年度の住民税は課税されません。

住民税の扱い(中央区・品川区の案内による)
ケース住民税
1月1日時点で日本に住所がある年前年の所得にもとづいて全額課税される。出国後の分は、納税管理人を通じて納める
会社員が年の途中で退職・出国する場合最後の給与から年度内の残りを一括で差し引くか、自分で納める方法(普通徴収)に切り替わる
1月1日時点で日本に住所がない年課税されない

住民税が残る人は、市区町村に納税管理人申告書を出します。所得税の納税管理人とは別の届出なので、両方必要な人は両方出してください。出国の時期を12月にするか1月にするかで、1年分の住民税が変わることがあります。

非居住者になったあとの日本の所得:源泉徴収で終わるもの、申告が要るもの

非居住者が日本で課税されるのは、日本国内で生じた所得(国内源泉所得)だけです。多くは支払いのときに源泉徴収され、その所得の種類によっては確定申告も必要です。

非居住者の主な国内源泉所得と源泉徴収の税率(国税庁No.2884など、令和8年4月1日現在法令等)
所得源泉徴収の税率補足
日本の不動産の家賃20.42%借主が源泉徴収する。ただし、個人が自分や親族の住まいとして借りる場合は源泉徴収されない。非居住者の不動産所得は確定申告も必要
預貯金の利子15.315%源泉徴収で課税が終わる
上場株式の配当15.315%発行済株式の3%以上を持つ大口株主を除く。その他の配当は20.42%
日本の会社の役員報酬20.42%海外で勤務していても日本国内の所得として扱われる。ただし、その会社の使用人として常時海外で勤務する場合は源泉徴収不要
公的年金20.42%年金額から月5万円(65歳以上は9万5,000円)×月数を差し引いた額に課税。租税条約で免除される国がある

租税条約の相手国に住む場合は、条約で税率が軽減・免除されることがあります(「租税条約に関する届出書」を支払者経由で出します)。日本の不動産を貸している人の源泉徴収と、その回避の方法は、非居住者が日本の不動産を貸す場合の源泉徴収で解説しています。

移住先の国でも、その国の税務上の居住者になれば、原則としてその国の税金がかかります。日本の非居住者になっても、移住先で課税される範囲(全世界所得か、国内所得だけか、送金した分だけか)は国によって大きく違います。移住先の税制は国別の記事(タイ、マレーシア、シンガポール、ポルトガル、ギリシャ)で説明しています。

資産の手続き:出国税・NISA・iDeCo・国外財産調書・相続税

出国税(国外転出時課税)

出国する時点で株式や投資信託などの有価証券等を合計1億円以上持っていて、出国前10年以内に日本に住所・居所があった期間が5年を超える人は、出国の時にそれらを売却したものとみなして、含み益に所得税がかかります。対象には上場株式だけでなく、自分が経営する会社の非上場株式も含まれます。

出国税のポイント(国税庁No.1478)
項目内容
対象有価証券、匿名組合契約の出資の持分、未決済の信用取引・デリバティブ取引など。合計1億円以上
税額含み益(出国時の価額と取得費の差)に、株式等の譲渡所得として15.315%(所得税・復興特別所得税)
居住期間の要件出国前10年以内に、日本に住所・居所があった期間が5年超
納税猶予出国の時までに納税管理人を届け出て、申告期限までに担保を提供すれば、5年間(延長の届出で最長10年間)納税を猶予できる。猶予期間中は毎年「継続適用届出書」の提出が必要で、出さないと猶予が打ち切られる。猶予期間に応じた利子税がかかる
帰国した場合出国から5年以内(猶予を延長した場合は10年以内)に帰国し、その資産を持ち続けていれば、帰国から4か月以内の更正の請求で課税を取り消せる

NISA

NISAは日本の居住者のための制度です。海外に移るときの扱いは、出国の理由で分かれます。

海外に移るときのNISA(金融庁・国税庁の案内による)
出国の理由手続きその後
勤務先の転任命令など、やむを得ない理由による一時的な出国出国の前日までに「継続適用届出書」を金融機関に提出非課税のまま保有を続けられる(出国中の新たな買付けは不可)。提出から5年を経過する年の12月31日までに帰国届出書を出さないと、口座は廃止扱いになる
上記以外(移住など)「出国届出書」を金融機関に提出NISA口座は廃止され、保有している商品は課税口座(特定口座・一般口座)に移る

自分の意思での海外移住は、原則として下の段にあたります。NISA口座から課税口座に移るときは、移した日の時価が取得価額になるため、NISAの中で出た含み益に日本で課税されることはありません。実務上の問題は、非居住者になると課税口座(特定口座・一般口座)を維持できない証券会社が多いことです。口座を持ち続けられるか、売却や移管が必要かを、出国前に金融機関に確認してください。上の段の継続適用に対応している金融機関も限られます。NISAの仕組みそのものの注意点はNISAは本当に万能か?で解説しています。

iDeCo

2022年5月から、国民年金に任意加入している海外居住者はiDeCoに加入できるようになりました。任意加入しない場合は、iDeCoの掛金を出せなくなり、運用の指図だけを続ける「運用指図者」になります。日本国籍で海外に住む20歳以上60歳未満の人は、脱退一時金を受け取ることもできません。

国外財産調書・財産債務調書・相続税

国外財産調書は、12月31日時点で5,000万円を超える国外財産を持つ居住者が、翌年6月30日までに提出するものです。財産債務調書は、所得が2,000万円を超え、かつ財産が3億円以上(または有価証券等が1億円以上)の人、または財産が10億円以上の居住者が対象です。移住の前年末に提出の対象だった人は、出国の時期によってはその年分の提出期限が出国後に来るため、納税管理人を通じた提出が必要かを税務署に確認してください。

相続税は、住所を海外に移しても日本の課税範囲から簡単には外れません。亡くなった人(日本国籍)が死亡前10年以内に日本に住所を持っていた場合、相続人が海外に住んでいても、原則として国外の財産を含めて日本の相続税がかかります。生前の贈与にも同様の10年のルールがあります。「海外に住めば相続税がかからない」は、少なくとも移住後10年は当てはまりません。

経営者:日本の会社を海外から経営する場合

日本の会社の代表取締役が海外に移住しても、会社を続けることはできます。法務省は2015年(平成27年)3月16日以降、代表取締役の全員が日本に住所を持たない会社についても設立などの登記の申請を受理する取扱いにしています。

日本の会社の経営者が海外に移住するときの主な論点
論点内容
役員報酬の源泉徴収日本の会社から受ける役員報酬は、海外で勤務していても日本国内の所得。支払いのたびに20.42%が源泉徴収される(使用人として常時海外で勤務する場合を除く)。移住先でも課税される場合は、条約と移住先の税制で二重課税の調整を確認
自社株と出国税自社の非上場株式も出国税の「有価証券」に含まれる。上場株式などと合計して1億円以上なら出国税の対象。会社の株価評価の確認が必要
代表取締役の住所変更登記代表取締役の住所は登記事項のため、海外へ移ったら2週間以内に変更の登記をする
印鑑証明の代わり国外転出で印鑑登録は廃止になる。登記申請などで印鑑証明書が必要なときは、在外公館の署名証明(サイン証明)や、現地の公証人の署名証明を使う
社会保険日本の会社から役員報酬を受け続ける場合、健康保険・厚生年金の加入が続くかどうかは、勤務の実態によって判断が分かれる。年金事務所に確認する
会社の所在地・運営本店所在地は日本のまま。株主総会・取締役会の運営や、会社の実質的な管理がどこで行われているかは、移住先の法人課税の判断に影響することがあるため、移住先の専門家に確認する
相続税移住後10年以内に亡くなった場合(贈与も同様)、自社株を含む全世界の財産に日本の相続税・贈与税がかかりうる

経営者にとっての最大の論点は、移住の前に出国税の試算を済ませ、納税猶予を使うかどうかを決めることです。含み益の大きい自社株を持ったまま出国すると、現金の入らない評価益に課税されます。猶予を受けるには、出国の時までに納税管理人を届け出る必要があります。資産規模が大きい経営者の論点はミニマムタックス強化と出国税の解説でも取り上げています。

個人事業主:廃業するか、日本の事業を続けるか

個人事業主が海外に移住する場合は、日本の事業を廃業するか、海外から続けるかで手続きが変わります。

個人事業主の手続き(国税庁)
選択主な手続き期限
廃業する「個人事業の開業・廃業等届出書」廃業した年分の確定申告期限まで
廃業する(青色申告者)「所得税の青色申告の取りやめ届出書」取りやめる年分の確定申告期限まで
廃業する(消費税の課税事業者)「事業廃止届出書」事業を廃止したら速やかに
廃業する(インボイス登録あり)適格請求書発行事業者の登録の取消し(消費税の事業廃止届出書を出すと登録も失効する)事業廃止届出書とあわせて
廃業する(個人事業税)都道府県税事務所への廃業の届出各都道府県の定め
日本の事業所を残して事業を続ける納税管理人を届け出て、毎年の確定申告を続ける。日本の事業所など(恒久的施設)に帰属する所得は、非居住者でも日本で課税される。インボイス登録を残す国外事業者は納税管理人が必要出国の日まで(納税管理人の届出)
日本の拠点を閉じ、移住先から日本の顧客の仕事を受ける日本の事業は廃業の手続きをする。移住先で行った仕事の報酬は、原則として日本の国内源泉所得に当たらず、移住先で課税されるのが一般的(使用料に当たる報酬などは日本で源泉徴収されることがある)上の廃業の手続きと同じ

日本の顧客の仕事を移住先で続ける場合、その報酬が日本と移住先のどちらで課税されるかは、どこで仕事をしたか、日本に事業の拠点が残っているか、契約の内容(役務の提供か、著作権などの使用料か)によって変わります。取引先から「非居住者になった後も源泉徴収をするか」を聞かれることが多いため、出国前に税理士に確認し、取引先に伝えておくと手続きが止まりません。

よくある質問

住民票を抜けば、日本の税金はかからなくなりますか?

住民票と税金上の居住者の判定は別です。所得税は生活の本拠がどこにあるかで判定され、住民票を抜いても日本に生活の本拠が残っていれば居住者とされることがあります。また、非居住者になっても、日本の家賃・配当・役員報酬・年金などの国内源泉所得には課税されます。住民税は1月1日の住所で決まるため、出国した年度の分は全額かかります。

海外に183日以上いれば非居住者になりますか?

なりません。183日は日本の所得税の判定基準ではなく、国税庁も183日以上海外にいても居住者になる場合があると説明しています。1年以上の予定で海外に住むために出国した場合は、出国の時から非居住者として扱われるのが原則です。なお、移住先の国の居住者判定には183日を基準にする国が多くあります。

出国の年の確定申告はいつまでですか?

納税管理人を置かない場合は、出国の時までに申告と納税を済ませます。納税管理人を届け出た場合は、通常の期限(翌年3月15日)までに納税管理人を通じて申告します。会社員は出国の日までに勤務先で年末調整を受けます。

NISAは海外移住後も持ち続けられますか?

勤務先の転任命令など、やむを得ない理由による一時的な出国なら、継続適用届出書を出して最長5年程度まで非課税で持ち続けられます(新たな買付けは不可)。自分の意思での移住は原則として出国届出書を出すことになり、NISA口座は廃止されて課税口座に移ります。

運転免許証は海外移住後どうなりますか?

更新期間中に更新しないと失効します。海外に行く前なら、更新期間の前でも更新(期間前更新)ができます。一時帰国の際に、日本国内の生活の本拠(実家など)を住所として更新することもできます。海外で運転する場合は、日本の免許証をもとに国外運転免許証を取得します。

移住後に日本の銀行口座は使えますか?

非居住者になった人の口座の扱いは銀行によって異なり、取引の制限や解約を求められる場合があります。年金や家賃の受取、保険料の引き落としに使う口座は、出国前に非居住者になることを伝え、使い続けられるかを確認してください。

まとめ:非居住者になる日を決めて、そこから逆算する

海外移住の税金と住民票の手続きは、①1年以上住むなら国外転出届、②出国した日から所得税の非居住者、③住民税は1月1日の住所で決まる、の3点を軸に逆算すると整理できます。出国の日までに、年末調整または確定申告、納税管理人の届出、NISAの届出を済ませ、1億円以上の有価証券(自社株を含む)を持つ人は出国税の試算と納税猶予の判断を先に行ってください。非居住者になっても、日本の家賃・配当・役員報酬・年金には日本の税金がかかり、相続税は移住後10年間は国外財産まで対象になりえます。

当事務所は海外移住・永住権・市民権取得のご相談を承っています。海外移住の手続きについては、移住先のビザの選び方と、出国前後の手続きの順序の整理についてご相談いただけます(税務申告や税額の判断は、税理士の領域のため行っていません)。移住先のビザ申請で求められる戸籍謄本などの英訳、アポスティーユ・公証などの認証手続き、海外からの戸籍謄本の取り寄せは当事務所で対応しています。

参考(一次情報・出典)

本記事の制度は2026年9月30日時点の公表情報(国税庁の「令和8年4月1日現在法令等」を含む)にもとづきます。

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