教育移住におすすめの国【2026年】マレーシア・シンガポール・オーストラリアなど、親のビザと学費で比べる

子どもの教育を目的にした海外移住(教育移住)で国を選ぶときは、子どもが通う学校の学費と、親が一緒に住むためのビザをセットで考える必要があります。英語で学ぶインターナショナルスクールの学費は、クアラルンプールで年約5.4万〜12.2万リンギ、シンガポールで年約3.9万〜5.0万シンガポールドル(約483万〜617万円)、バンコクで年約52万〜101万バーツ(約243万〜478万円)が目安です。オーストラリア・カナダ・ニュージーランドでは、留学生として公立学校に通う方法もあり、学費は年約14,000〜20,500(各国通貨)程度です。一方、子どもに付き添う親向けのビザは、多くの国で親が現地で働けない条件になっています。オーストラリアでは2026年10月2日から、学生本人のビザに配偶者や子どもを含めることが原則できなくなり、保護者ビザも国内からは申請しにくくなるなど、制度は年々変わっています。本記事では、6か国の学校と親のビザの条件を比べ、教育移住で失敗しないための注意点を整理します。

※金額と制度は2026年10月9日時点の公表情報です。円換算は1シンガポールドル=123.52円、1バーツ=4.71円、1豪ドル=110.17円、1カナダドル=111.25円、1NZドル=88.69円(三菱UFJリサーチ&コンサルティング、2026年10月9日の仲値)で計算しています。リンギは三菱UFJリサーチ&コンサルティングの公表がないため、円換算をしていません。学費は学校・学年・年度で変わるため、各校の最新の案内を確認してください。

目次

  1. 結論:教育移住の候補6か国の比較
  2. 教育移住の基本:子どもの学校と親のビザはセットで決まる
  3. マレーシア:学費は比較的安く、親は保護者ビザかMM2H
  4. シンガポール:教育水準は高いが、学費と生活費も高い
  5. タイ:バンコクの学校の選択肢が多く、日本人も多い
  6. オーストラリア:公立学校に留学でき、親は保護者ビザ(2026年10月に変更あり)
  7. カナダ・ニュージーランド:親が働けると子どもは公立学校に無償で通える場合がある
  8. 教育移住で失敗しないための注意点
  9. よくある質問
  10. まとめ

結論:教育移住の候補6か国の比較

国 主な学校と学費の目安(年) 親が付き添うビザ 親の就労 日本人学校
マレーシア インター校:約5.4万〜12.2万リンギ(Alice Smith School、2026〜27年度) 保護者用の滞在許可(州・学校で条件が違う)、またはMM2H 保護者用の許可では不可 クアラルンプール・ジョホール・ペナン・コタキナバル
シンガポール インター校:約3.9万〜5.0万シンガポールドル(約483万〜617万円、UWCSEA)。公立校の留学生は月1,035シンガポールドル〜(小学校) 長期訪問パス(LTVP、親か祖父母1人) 最初の1年は不可 あり
タイ インター校:約52万〜101万バーツ(約243万〜478万円、Bangkok Patana) 保護者向けのノンイミグラントO 不可 バンコク・シラチャ
オーストラリア 公立校の留学生:17,000〜20,500豪ドル(約187万〜226万円、ニューサウスウェールズ州) 学生保護者ビザ(590) 不可 シドニー・メルボルン・パース
カナダ 公立校の留学生:17,000カナダドル(約189万円、バンクーバー教育委員会の中等学校) 専用のビザはなく、親は訪問者などで滞在 訪問者は不可 なし(補習授業校あり)
ニュージーランド 公立校の留学生:14,000〜18,200NZドル(約124万〜161万円) 保護者訪問ビザ(親1人) 現地では不可(国外の仕事のリモートは可能な場合あり) なし(補習授業校あり)

学費を抑えたいならマレーシア、教育水準と治安ならシンガポール、親も現地で働いて長く住むならオーストラリア・カナダ・ニュージーランドというのが大まかな傾向です。ただし、親の働き方(日本の仕事をリモートで続けるのか、現地で働くのか)と、何年住むか(子どもが何歳で日本に戻るか)によって、向いている国は変わります。

教育移住の基本:子どもの学校と親のビザはセットで決まる

教育移住では、次の3つを同時に決める必要があります。

  1. 子どもの学校:インターナショナルスクール、現地の公立学校、日本人学校のどれに通わせるか
  2. 子どものビザ:多くの国で、学校の入学許可をもとに学生ビザ(学生パス)を取る
  3. 親のビザ:子どもの学生ビザに付き添う「保護者ビザ」か、親自身が取るビザ(就労・長期滞在・永住権など)

保護者ビザは手軽な一方、親が現地で働けない、付き添えるのは親1人だけ、地域によっては母親しか認められないなど、条件が厳しいものが多くあります。父親が日本で働き、母親と子どもだけが移住する形になりやすいのはこのためです。親が現地で働きたい場合や、家族全員で住みたい場合は、親自身が就労ビザや長期滞在ビザ、永住権を取るルートを考えることになります。

文部科学省によると、2026年4月1日時点で、海外の日本人学校は90校、補習授業校(週末などに日本の教科を学ぶ学校)は246校です。日本人学校がない国でも、補習授業校で日本語や日本の教科の学習を続けられる場合があります。

マレーシア:学費は比較的安く、親は保護者ビザかMM2H

マレーシアは、英語のインターナショナルスクールが多く、シンガポールより学費が安いことから、日本人の教育移住先として知られています。外務省の統計では、クアラルンプールに住む日本人は9,269人で、前年より5.1%増えました(2025年10月1日時点)。

学費:クアラルンプールの英国式のAlice Smith Schoolの2026〜27年度の授業料は、幼児部の53,730リンギから、10〜13年生の122,370リンギまでです(6%の売上・サービス税は別)。このほか、入学金20,000リンギや保証金がかかります。学校によって学費の差は大きく、学校選びで総額が大きく変わります。

親のビザ: - 保護者用の滞在許可:子どもの学生パスに付き添う親(または祖父母)に出される社会訪問パスです。マレーシア入国管理局は、学校からの依頼状などをもとに出し、保護者は働くことも事業をすることもできないとしています。クアラルンプールのAlice Smith Schoolは、保護者用の許可は母親1人に限られ、国外から月約25,000リンギの収入を示す必要があること、申請後は父親が就労パスなどの長期の許可を持てなくなることを案内しています。条件は学校によって案内が違うため、入学先に確認してください - MM2H:定期預金と不動産の購入が条件の長期滞在ビザで、21歳未満の子ども(未婚で働いていない34歳までの子どもも可)を帯同でき、子どもは政府が認める学校で学べます。条件はマレーシアMM2Hの条件と費用で解説しています

学校選びや住む場所、生活費の詳細はマレーシア移住の条件と費用にまとめています。

シンガポール:教育水準は高いが、学費と生活費も高い

学費:インターナショナルスクールの例として、UWCSEAの2026〜27年度の授業料は39,069〜49,926シンガポールドル(約483万〜617万円)です。このほか、開発費(初年度9,537シンガポールドル、2年目以降は年5,166シンガポールドル)や入学金4,992シンガポールドルがかかります。

公立学校:外国籍の子どもも、留学生向けの入学試験(AEIS・S-AEIS、小学2〜5年生・中学1〜3年生が対象)に合格し、空きがあれば、政府系の学校に通えます。2026年の留学生の学費は、ASEAN以外の国籍で小学校が月1,035シンガポールドル(約12.8万円)、中学校が月2,190シンガポールドル(約27.1万円)です。

親のビザ:学生パスで学ぶ子どもに付き添う親か祖父母1人に、長期訪問パス(LTVP)が出ます。以前は母親と祖母に限られていましたが、2024年から父親・祖父も申請できるようになりました。シンガポール国民か永住者の保証人が必要で、最初の1年は働けません(2年目以降は雇用主が就労許可を申請できます)。

シンガポールは住居費も高く、教育移住の総費用が高くなりやすい国です。移住全体の条件はシンガポール移住と永住権の条件をご覧ください。

タイ:バンコクの学校の選択肢が多く、日本人も多い

学費:バンコクの英国式のBangkok Patana Schoolの2026〜27年度の授業料は、515,000〜1,014,000バーツ(約243万〜478万円)です。入学金250,000バーツなどが別にかかります。

親のビザ:インターナショナルスクールなどで学ぶ20歳未満の子どもの保護者は、ノンイミグラントOビザ(保護者)を申請できます。このビザで働くことはできません(タイでの就労には別に労働許可が必要です)。必要な資金の額は大使館・総領事館によって案内が違い、親1人あたり50万バーツ(約235.5万円)の残高を求める例もあるため、申請先で確認してください。

バンコクには日本人が51,297人住み(2025年10月1日時点)、日本人学校もバンコクとシラチャにあります。日本語の通じる病院や日本食に困らない一方、大気汚染や円安など、タイならではの注意点もあります。詳しくはタイ移住の条件と費用とタイ移住で後悔・悲惨になる理由をご覧ください。

オーストラリア:公立学校に留学でき、親は保護者ビザ(2026年10月に変更あり)

学費:オーストラリアでは、留学生として公立学校に通えます。ニューサウスウェールズ州の公立学校の2026年の留学生の学費は、幼稚園〜6年生が17,000豪ドル(約187万円)、7〜10年生が18,000豪ドル(約198万円)、11〜12年生が20,500豪ドル(約226万円)です。

親のビザ:18歳未満の留学生に付き添う親は、学生保護者ビザ(590)を申請できます。保護者は働けません。

2026年10月2日からの変更:オーストラリア内務省は、2026年10月2日から、オーストラリア国内にいる一時ビザの保持者の多くは学生ビザ(500)と学生保護者ビザ(590)を国内から申請できなくなったと発表しました(すでに590を持つ人の更新や、小中高校の学生ビザの国内での更新などは例外)。新しく申請する学生ビザに家族を含めることも原則できなくなっています。オーストラリアへの教育移住は、日本から申請することを前提に計画してください。

親が技術移民などで永住権を取れれば、子どもは国民と同じように公立学校に通えます。永住権のルートはオーストラリア移住と永住権の条件、暮らしの注意点はオーストラリア移住で後悔する理由とデメリットで解説しています。

カナダ・ニュージーランド:親が働けると子どもは公立学校に無償で通える場合がある

カナダ:子どもに付き添う親のための専用のビザはありません。子どもが留学生として就学許可を取って公立学校に通う場合は留学生の学費がかかり、バンクーバー教育委員会の中等学校の授業料は2026〜27年度で17,000カナダドル(約189万円、申請料や医療保険を含めると18,900カナダドル(約210万円))です。一方、カナダ移民局の指針では、親の一方がカナダで働く・学ぶ許可を持っている場合、国内にいる未成年の子どもは就学許可なしで学校に通えます。ブリティッシュコロンビア州では、親が1年以上カナダで働ける許可を持ち、週20時間以上働いている場合などは、子どもが公立学校に無償で通えます(州ごとに条件が違います)。

ニュージーランド:17歳以下(または1〜13年生)の留学生には、親または法定後見人1人が保護者訪問ビザで付き添えます。生活費として月1,000NZドル(約8.9万円)の資金が必要で、現地では働けませんが、国外の会社の仕事をリモートで続けられる場合があります。公立学校の留学生の学費は、小学校で年14,000NZドル(約124万円)、中等学校(日本の中学2年〜高校3年に相当)で年18,200NZドル(約161万円)の例があります。親が就労ビザを持つ場合、多くの場合は子どもが国内の生徒と同じ扱いになり、公立学校の学費はかかりません。

両国とも日本人学校はなく、補習授業校(トロント・バンクーバー・モントリオール・カルガリーなど、オークランド・ウェリントンなど)があります。永住権の条件はカナダ永住権の条件と費用とニュージーランド永住権の条件と費用をご覧ください。

教育移住で失敗しないための注意点

教育移住は、子どもの将来と家族の暮らし方を大きく変えます。始める前に、次の点を家族で確認してください。

  • 何年住み、いつ日本に戻るか:日本の中学・高校・大学の受験に戻るのか、海外の大学に進むのかで、選ぶ学校(英国式・米国式・国際バカロレアなど)が変わります。帰国子女の受入れや入試の条件は、進学先ごとに確認が必要です
  • 親の働き方:保護者ビザでは現地で働けないことが多く、日本の収入や資産で暮らすことになります。円安で学費と生活費が上がっても払い続けられるかを試算してください
  • 家族が離れて暮らす期間:父親が日本に残る場合は、家族の時間や二重生活の費用も考える必要があります
  • 学費以外の費用:入学金、保証金、施設費、制服、スクールバス、課外活動などが授業料とは別にかかります
  • 制度の変更:オーストラリアの2026年10月の変更のように、保護者ビザや学生ビザの条件は頻繁に変わります。申請前に大使館や移民局の最新の案内を確認してください
  • 日本の書類:子どもの学生ビザや親のビザの申請で、戸籍謄本、出生証明書、在学証明書などの英訳とアポスティーユを求められることがあります

よくある質問

教育移住で一番おすすめの国はどこですか?

家族の条件で変わります。学費を抑えつつ英語の学校に通わせたいならマレーシア、教育水準と治安を重視するならシンガポール、親も現地で働いて長く住むならオーストラリア・カナダ・ニュージーランドが候補です。日本人が多く、日本人学校もある国としてはタイ(バンコク)もあります。

教育移住にはいくらかかりますか?

学費だけで、マレーシアのインター校なら年約5.4万〜12.2万リンギ(クアラルンプールのAlice Smith Schoolの例)、シンガポールなら年約483万〜617万円、オーストラリアの公立学校の留学生なら年約187万〜226万円が目安です。これに入学金、住居費、生活費、親のビザの費用、一時帰国の費用が加わります。

父親も一緒に住めますか?

国によって違います。シンガポールは2024年から父親もLTVPを申請できるようになりました。マレーシアのクアラルンプールのように、保護者用の許可を母親に限る運用の地域もあります。父親が現地で働く場合は、就労ビザなど親自身のビザを取るのが一般的です。

保護者ビザで働けますか?

多くの国で働けません。シンガポールのLTVPは2年目以降に雇用主が就労許可を申請でき、ニュージーランドの保護者訪問ビザは国外の会社の仕事をリモートで続けられる場合があります。条件は国ごとに確認してください。

日本人学校とインターナショナルスクールはどちらがよいですか?

日本に戻って日本の学校に進学する予定なら、日本人学校や補習授業校で日本の教科を続けるほうが戻りやすくなります。海外の大学への進学や、英語での教育を重視するならインターナショナルスクールが向いています。滞在の年数と帰国の予定で選んでください。

まとめ

  • 教育移住は、子どもの学校の学費と、親が付き添うビザをセットで考える
  • インター校の学費の目安は、クアラルンプールで年約5.4万〜12.2万リンギ、シンガポールで年約483万〜617万円、バンコクで年約243万〜478万円
  • オーストラリア・カナダ・ニュージーランドは公立学校に留学でき、カナダ・ニュージーランドでは親が働く許可を持てば子どもの学費が無償になる場合もある
  • 保護者ビザでは親が現地で働けないことが多い。オーストラリアは2026年10月から学生ビザと保護者ビザの申請の条件が厳しくなった
  • 何年住み、いつ日本に戻るかを先に決め、学校の種類と費用の総額を家族で確認する

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参考(一次情報・出典)

本記事の金額・制度は2026年10月9日時点の情報です。円換算は1シンガポールドル=123.52円、1バーツ=4.71円、1豪ドル=110.17円、1カナダドル=111.25円、1NZドル=88.69円(三菱UFJリサーチ&コンサルティング、2026年10月9日の仲値)。

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