オーストラリア移住で後悔する理由とデメリット【2026年】家賃・物価・医療・ビザの費用

オーストラリア移住で後悔しやすいのは、家賃の高さと物件の少なさ、円安で上がった生活費、一時ビザではメディケア(公的医療保険)に入れないこと、ビザの費用と条件が年々厳しくなっていることの4つです。シドニーの募集家賃は週約910豪ドルで、月に直すと約43.4万円になり、空室率は1%台です。豪ドルは2021年10月の約80.5円から2026年10月には約110.2円になり、円で見ると約1.4倍に上がりました。日本はオーストラリアと医療の相互協定を結んでいないため、永住権を取るまでは原則として民間の医療保険が欠かせません。一方で、最低賃金は時給26.44豪ドル(約2,913円)と高く、現地で働いて稼げる人にとっては、物価の高さを賃金で補える国です。日本人も約10.6万人が住み、そのうち6割超が永住者です。デメリットを数字で把握したうえで、仕事・住まい・保険を先に決めれば、後悔はかなり防げます。

※金額と制度は2026年10月9日時点の公表情報です。円換算は1豪ドル=110.17円(三菱UFJリサーチ&コンサルティング、2026年10月9日の仲値)で計算しています。家賃の月額は週額×52÷12で計算しています。

オーストラリア移住の全体像と記事一覧はオーストラリア移住と永住権の条件にまとめています。

目次

  1. 結論:オーストラリア移住で後悔しやすい点と対策
  2. 家賃:シドニーは月約43万円、空室率は1%台
  3. 物価と円安:豪ドルは5年で約1.4倍、電気代は1年で13%上昇
  4. 医療:一時ビザではメディケアに入れない
  5. 税金:所得税は最高45%、日本の年金はオーストラリアで課税
  6. ビザ:費用は大幅に上がり、学生ビザの家族の同伴も制限
  7. 住宅:外国人は2027年3月まで中古住宅を買えない
  8. 暮らし:紫外線と皮膚がん、日本との距離
  9. よくある質問
  10. まとめ

結論:オーストラリア移住で後悔しやすい点と対策

デメリット 数字で見る現状 事前にできる対策
家賃が高い シドニーの募集家賃は週909.53豪ドル(月約43.4万円)。全国の空室率1.3%(2026年8月) 職場と家賃の兼ね合いで都市・地区を選ぶ。シェアハウスも検討する
円安と物価 豪ドルは5年で円に対して約1.4倍。消費者物価は前年比4.0%上昇、電気代は13.2%上昇(2026年8月) 円の資産で暮らすなら為替の余裕を持つ。現地で収入を得る計画を立てる
医療 日本はメディケアの相互協定の対象外。一時ビザでは民間の医療保険が必要 ビザの条件を満たす医療保険に入り、補償の範囲を確認する
税金 所得税は最高45%+メディケア税2%。日本の年金はオーストラリアで課税 日本年金機構に租税条約の届出を出し、手取りを試算する
ビザ 2026年7月から申請料が約25%上昇。学生ビザは2026年10月から原則として家族を含めて申請できない 最新の条件と費用で計画を立て直す
住宅の購入 外国人は2025年4月から2027年3月まで中古住宅を購入できない 永住権を取るまでは賃貸を前提にする
紫外線 オーストラリアは皮膚がんの発生率が世界で最も高い 日焼け止め・帽子などの対策を習慣にする

それでも多くの日本人がオーストラリアに住み続けているのは、賃金の高さと、永住権を取れば医療や教育を国民と同じように受けられるからです。2026年7月からの最低賃金は時給26.44豪ドル(約2,913円)、週1,004.90豪ドル(約11.1万円)で、フルタイムの平均週給は2,083.70豪ドル(約23万円、2026年5月)です。円の年金や資産だけで暮らすのは厳しく、現地で働いて豪ドルで稼ぐ人に向いた国だと言えます。移住のルートはオーストラリア移住と永住権の条件で比較しています。

家賃:シドニーは月約43万円、空室率は1%台

オーストラリア移住で最初にぶつかるのが家賃です。SQM Researchによると、2026年9月4日までの30日間の募集家賃(戸建て・集合住宅の合計)は次のとおりでした。

都市 募集家賃(週) 月に直すと 前年比 空室率(2026年8月)
シドニー 909.53豪ドル 約3,941豪ドル(約43.4万円) +5.4% 1.7%
メルボルン 695.18豪ドル 約3,012豪ドル(約33.2万円) +6.1% 1.8%
ブリスベン 756.15豪ドル 約3,277豪ドル(約36.1万円) +7.7% 0.9%
パース 801.73豪ドル 約3,474豪ドル(約38.3万円) +7.1% 0.6%
アデレード 644.04豪ドル 約2,791豪ドル(約30.7万円) +3.4% 0.6%

全国の空室率は1.3%で、パースとアデレードは0.6%しかありません。空室が少ないため、申込みをしても選ばれないことがあり、オーストラリアでの賃貸の実績や現地の収入の証明がない移住直後は、審査で不利になりやすくなります。

募集家賃は主要都市で1年に3〜8%上がっており、不動産サイトDomainの報告では、シドニーの戸建ての募集家賃の中央値が週850豪ドルと過去最高を記録しています(2026年6月期。集計の方法と対象が違うため、上の表のSQM Researchの数字とは一致しません)。移住してすぐは、家具付きの短期の物件やシェアハウスで暮らしながら、仕事と住む地区を決めていくのが現実的です。

物価と円安:豪ドルは5年で約1.4倍、電気代は1年で13%上昇

オーストラリア統計局によると、2026年8月の消費者物価は前年同月比4.0%上昇しました。項目別では、電気代が13.2%(政府の電気代の補助の終了が主な理由)、外食・持ち帰りが4.1%、食料品が3.0%上がっています。

円で暮らす人には、為替の影響がさらに大きくなります。三菱UFJリサーチ&コンサルティングの仲値で見ると、1豪ドルは2021年10月1日に約80.54円でしたが、2026年10月9日には約110.17円になりました。約1.37倍で、同じ月3,000豪ドルの生活費が、円では約24.2万円から約33.1万円に増えた計算です。

時点 1豪ドルの円相場(仲値) 月3,000豪ドルを円にすると
2021年10月1日 約80.54円 約24.2万円
2026年10月9日 約110.17円 約33.1万円

日本の年金や円の資産を取り崩して暮らす場合、円安が進むと生活費が上がり続けます。退職者向けの投資ビザ(405)は2018年6月に新規の受付を終えていることもあり、現地で働かない移住は計画しにくい国です。

医療:一時ビザではメディケアに入れない

オーストラリアの公的医療保険(メディケア)は、市民と永住者が対象です。英国やニュージーランドなど11か国とは相互協定があり、その国の人は一時滞在中もメディケアの一部を使えますが、日本は協定の対象外です。

このため、学生ビザ、卒業生ビザ(485)、雇用主のスポンサーのビザ(482)などで暮らす間は、ビザの条件(8501:滞在中は十分な医療保険を維持すること)に沿って、民間の医療保険に入り続ける必要があります。保険の補償には待機期間や対象外の治療があるため、持病や出産の予定がある人は加入前に確認してください。

永住権を取ってメディケアに入っても、公立病院の予定手術には待ち時間があります。2024〜25年度の予定手術の待ち時間の中央値は45日で、6.0%の人は1年以上待ちました(オーストラリア保健福祉研究所)。また、一定以上の所得がある人が民間の病院保険に入っていないと、メディケア税(2%)に加えて、1〜1.5%の追加の税(メディケア・レビー・サーチャージ)がかかります(単身で年収105,000豪ドル(約1,157万円)超)。

税金:所得税は最高45%、日本の年金はオーストラリアで課税

オーストラリアの税務上の居住者の所得税率(2026〜27年度)は次のとおりです。これとは別に、メディケア税2%がかかります。

課税所得(年) 税率
18,200豪ドル(約200.5万円)まで 0%
18,201〜45,000豪ドル 15%
45,001〜135,000豪ドル 30%
135,001〜190,000豪ドル 37%
190,000豪ドル(約2,093万円)超 45%

一方、会社員の給与とは別に、雇用主は給与の12%を年金(スーパーアニュエーション)に積み立てる義務があります。

日本の年金を受け取りながらオーストラリアに住む場合、日豪租税条約により、厚生年金・国民年金などの年金は住んでいる国(オーストラリア)で課税されます(公務に基づく年金は原則として日本で課税)。日本年金機構に「租税条約に関する届出書」を出すと、日本の源泉徴収が免除されます。日豪社会保障協定(2009年発効)で、両国の年金の加入期間を通算できる場合もあります。国ごとの年金の扱いは年金で海外移住はできる?、出国前の税金と住民票の手続きは海外移住の税金と住民票で解説しています。

ビザ:費用は大幅に上がり、学生ビザの家族の同伴も制限

オーストラリアのビザは、2026年7月1日から申請料が約25%上がりました。

ビザ 申請料(本人、2026年7月から)
技術独立(189) 6,135豪ドル(約67.6万円)
雇用主のスポンサー(482) 4,015豪ドル(約44.2万円)
卒業生ビザ(485) 5,750豪ドル(約63.3万円)
学生ビザ(500) 2,500豪ドル(約27.5万円)
パートナービザ 11,710豪ドル(約129万円)
ワーキングホリデー(417) 840豪ドル(約9.3万円)

卒業生ビザ(485)は、2026年3月に2,300豪ドルから4,600豪ドルに上がり、7月に5,750豪ドルになりました。半年で約2.5倍です。

2026〜27年度の永住権の受入れ枠は185,000人で前年度と同じですが、中身が変わりました。雇用主のスポンサーの枠が44,000人から58,040人に、技術独立(189)の枠が16,900人から21,090人に増えた一方、地方の枠は33,000人から14,110人に減りました。また、すでにオーストラリアにいる人が優先され、国外からの申請者向けの枠は約55,000人にとどまります。日本から直接、技術移民を狙う人には厳しくなっています。ポイントテストも見直す方針が示されていますが、2026年10月時点で内容は決まっていません。

さらに、2026年10月2日から、新しく申請する学生ビザ(500)には原則として配偶者や子どもを含められなくなりました(博士課程などは例外)。「家族で留学して、そのまま永住権を目指す」という計画は、以前より難しくなっています。職業ごとの永住権の取りやすさはオーストラリア永住権の職業リストで解説しています。

住宅:外国人は2027年3月まで中古住宅を買えない

オーストラリア政府は、2025年4月1日から2027年3月31日までの2年間、外国人(一時ビザの保持者を含む)が既存の住宅(中古住宅)を買うことを原則として禁止しています。住宅の供給を増やす再開発などは例外です。これ以前から、外国人が中古住宅を買うときの審査手数料や、外国人が持つ住宅を空き家にした場合の負担も引き上げられています。

永住権を取れば、この制限の対象外になります。永住権を取るまでは賃貸で暮らすことを前提に、住宅の購入は永住権を取ってから考えるのが現実的です。

暮らし:紫外線と皮膚がん、日本との距離

オーストラリアがん協会によると、オーストラリアは皮膚がんの発生率が世界で最も高く、オーストラリア人の3人に2人が生涯に皮膚がんと診断されます。日差しの強い国なので、日焼け止め、帽子、サングラスは日常の必需品です。

日本との時差は、シドニー・メルボルンが日本より1時間進んでいて(夏時間の10月〜4月は2時間)、パースは日本より1時間遅れです。時差が小さく、日本との仕事や家族との連絡はしやすい国です。ただし、飛行機で約9〜10時間かかり、気軽に一時帰国できる距離ではありません。

日本人は多く、外務省の統計ではオーストラリアに住む日本人は105,566人(2025年10月1日時点)で、アメリカに次いで2番目です。そのうち65,085人が永住者で、現地に根を下ろして暮らす日本人が多い国です。

よくある質問

オーストラリア移住で後悔する人が多いのはなぜですか?

家賃と物価の高さ、円安、メディケアに入れない間の医療費、ビザの費用と条件の厳しさが重なるためです。特に、円の資産だけで暮らそうとすると負担が大きくなります。現地で働いて豪ドルで収入を得られるかどうかで、暮らしやすさは大きく変わります。

オーストラリアで暮らすには月いくら必要ですか?

家賃だけで、シドニーなら月約3,900豪ドル(約43万円)、アデレードでも月約2,800豪ドル(約31万円)が目安です(2026年9月4日までの30日間の募集家賃)。これに食費・光熱費・交通費・医療保険が加わります。シェアハウスや郊外を選べば家賃は下がります。

日本の年金はオーストラリアでどうなりますか?

日本の年金は、オーストラリアに住んでいても受け取れます。日豪租税条約により、オーストラリアで課税されます。日本年金機構に租税条約の届出を出すと、日本の源泉徴収は免除されます。

オーストラリアで医療保険は必要ですか?

永住権を取るまでは原則として必要です(国内で永住ビザを申請中の人など、メディケアに入れる場合もあります)。日本はメディケアの相互協定の対象外のため、一時ビザで暮らす間は、ビザの条件に合う民間の医療保険に入り続ける必要があります。

永住権は取りやすいですか?

職業と年齢で大きく変わります。2026年6月の技術移民(189)の招待では、建設系の職人は最低点の65点で招待された一方、会計士やソフトウェアエンジニアは招待されず、IT系は一部の職種が95点で招待されただけでした。詳しくはオーストラリア永住権の職業リストをご覧ください。

まとめ

  • オーストラリア移住の主なデメリットは、家賃(シドニーで月約43万円、空室率1%台)、円安と物価(豪ドルは5年で約1.4倍)、メディケアに入れない間の医療、ビザの費用と条件の厳しさ
  • 日本はメディケアの相互協定の対象外。永住権を取るまでは原則として民間の医療保険が必要
  • 2026年7月からビザの申請料が約25%上がり、10月から新しく申請する学生ビザには原則として家族を含められない
  • 外国人は2027年3月まで中古住宅を買えない
  • 最低賃金は時給26.44豪ドルと高く、現地で働いて稼ぐ人には、物価の高さを補える国

当事務所では、オーストラリアを含む各国の永住権・長期滞在ビザの比較相談と、申請に必要な日本の書類(卒業証明書・在職証明書・警察証明書など)の翻訳・アポスティーユ取得に対応しています。オーストラリアと他の国のどちらが合うか、仕事や年齢、家族構成をもとに整理したい方は、無料相談をご利用ください。しつこい営業は一切いたしません。

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参考(一次情報・出典)

本記事の金額・制度は2026年10月9日時点の情報です。円換算は1豪ドル=110.17円(三菱UFJリサーチ&コンサルティング、2026年10月9日の仲値)。

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