オーストラリア永住権の職業リスト【2026年】取りやすい職業・招待の点数・TAFE卒業後のルート

オーストラリアの技術移民で永住権を取るには、自分の職業が国の職業リストに載っている必要があります。独立した永住ビザ(189)はMLTSSL、州の指名を受けるビザ(190・491)はMLTSSLとSTSOL(491はROLも)、雇用主のスポンサーで取るビザ(482・186)はCSOLという別のリストを使います。2026年6月4日の189の招待では、電気工や大工などの建設系の職人が最低点の65点で招待された一方、看護師や中学・高校の教員は主に75点、ソフトウェアエンジニアなど主なIT職・会計士・シェフは招待の一覧に載りませんでした。リストに載っていることと、実際に招待されやすいことは別です。TAFE(職業訓練校)を卒業した人は、卒業後の就労ビザ(485)で経験を積み、技能審査を経て州の指名か雇用主のスポンサーで永住権を目指すのが一般的な流れです。

※制度と金額は2026年10月9日時点の公表情報です。円換算は1豪ドル=109.89円(三菱UFJリサーチ&コンサルティング、2026年10月8日の仲値)で計算しています。職業リストと招待の点数は毎年・毎回変わるため、申請前に内務省の最新情報を確認してください。

オーストラリア移住の全体像と記事一覧はオーストラリア移住と永住権の条件にまとめています。

目次

  1. 結論:ビザごとに使う職業リストと、2026年に招待されやすい職業
  2. 職業リストの種類:MLTSSL・STSOL・ROL・CSOL
  3. 取りやすい職業:2026年6月の189招待で見る点数
  4. リストに載っていても招待されにくい職業:IT・会計・シェフ
  5. 技能審査:職業ごとの審査機関と費用
  6. ポイントの最低65点と、年齢・英語の条件
  7. 州の指名の受付状況(2026年10月)
  8. TAFE卒業後に永住権を取るルート
  9. よくある質問
  10. まとめ

結論:ビザごとに使う職業リストと、2026年に招待されやすい職業

オーストラリアの内務省は、職業リストを1つの検索ページにまとめていますが、中身はビザごとに使うリストが分かれています。

ビザ 内容 使う職業リスト 申請料(本人、2026年7月から)
189 技術独立 点数で招待され、最初から永住 MLTSSL(中長期の戦略的技能リスト) 6,135豪ドル(約67.4万円)
190 州指名 州の指名を受けて最初から永住 MLTSSL+STSOL(短期技能リスト)+各州のリスト 6,140豪ドル(約67.5万円)
491 地方 州の指名で地方に住む5年の一時ビザ。3年後に191で永住 MLTSSL+STSOL+ROL(地方職業リスト) 6,140豪ドル(約67.5万円)
482 技能需要 雇用主のスポンサーで働く一時ビザ(最長4年) CSOL(中核技能職業リスト)など 4,015豪ドル(約44.1万円)
186 雇用主指名 雇用主の指名で永住 CSOL(直接申請の場合) 6,140豪ドル(約67.5万円)

2026年に招待されやすいのは、建設系の職人、看護師などの医療職、教員です。2026年6月4日の189の招待では、電気工・大工が65点、看護師と中学・高校の教員が主に75点で招待されました。オーストラリア政府も、2026年7月と9月に、建設・医療・教育などの職業の審査を優先する方針を示しています(主に国内からの申請者が対象)。

一方、ソフトウェアエンジニアや会計士は、職業リストには載っていても、2026年6月の189では招待の一覧に入っていません。自分の職業がどのリストに載っているかに加えて、最近どの点数で招待されているかを必ず確認してください。永住権のルート全体はオーストラリア移住と永住権の条件で比較しています。

職業リストの種類:MLTSSL・STSOL・ROL・CSOL

オーストラリアの職業リストは4つあり、職業の分類(ANZSCO)の版も2つ使われています。

リスト 正式名と内容 主に使うビザ 職業分類
MLTSSL 中長期の戦略的技能リスト。長期的に不足する職業 189・190・491・485 ANZSCO 2013
STSOL 短期技能職業リスト 190・491 ANZSCO 2013
ROL 地方職業リスト 491・494 ANZSCO 2013
CSOL 中核技能職業リスト。2024年12月7日から。約456職業 482(中核技能)・186(直接申請) ANZSCO 2022

点数で永住権を取る189だけを狙うなら、MLTSSLに載っている職業である必要があります。州の指名(190・491)ならSTSOLやROLの職業も対象になりますが、実際に指名を出すかは各州のリストと受付状況で決まります。

CSOLは雇用主のスポンサーで使うリストで、2024年12月に新しくできました。シェフ、調理師、自動車整備士、電気工、大工、配管工、看護師、幼稚園教諭、ソフトウェアエンジニア、会計士などが載っています。内務省は、申請後にリストから外れても、すでに出した申請には不利にならないとしています。

オーストラリア政府の雇用・技能庁(Jobs and Skills Australia)の2025年の人材不足リストでは、1,022職業のうち293職業(29%)が不足と判定されました。不足が続いているのは医療・介護、幼児教育、建設と自動車の職人で、職人の約半分が不足している一方、ビジネス・金融・エンジニア・ITの専門職は不足から外れたものが目立ちます。

取りやすい職業:2026年6月の189招待で見る点数

189は、条件を満たした人が点数を登録し、内務省が点数の高い順に招待する仕組みです。2026年6月4日の招待(10,000人)で、主な職業の最低点は次のとおりでした(移民法律事務所の集計)。

職業 招待された最低点
電気工(一般・特殊) 65点
大工 65点
看護師(多くの専門分野) 75点(一部の専門分野は80点)
中学・高校の教員 75点
保育施設の管理者 80点
ナースプラクティショナー 80点
自動車電気工 80点
電子・通信エンジニア 95点

最低点の65点で招待されたのは、主に建設系の職人でした。オーストラリアでは住宅の建設が政策の優先課題になっており、2026年9月17日には、建設系の職人に点数を上乗せする方針も発表されました(2026年10月時点で法令には反映されていません)。2026年5月の予算でも、職人の技能審査を早める費用が計上されています。

点数の目安は招待のたびに変わります。2026年7月以降の招待の結果は、内務省のSkillSelectのページで確認してください。

リストに載っていても招待されにくい職業:IT・会計・シェフ

次の職業はリストに載っていても、最近の189では招待されにくくなっています。

職業 職業リスト 2026年6月の189
ソフトウェアエンジニアなど主なIT職 MLTSSL・CSOLに掲載 招待の一覧に入らず(一部のIT職は95点で招待)
会計士 MLTSSL・CSOLに掲載 招待の一覧に入らず
シェフ・調理師 シェフはMLTSSL、両方ともCSOLに掲載(条件つき) 招待の一覧に入らず
幼稚園教諭 MLTSSL・CSOLに掲載 招待の一覧に入らず
自動車整備士 MLTSSL・CSOLに掲載 招待の一覧に入らず

また、調理師(Cook)はMLTSSLに載っていない(STSOLに掲載)ため、189や、職業教育の卒業者向けの485では、その職業で申請できません。調理を学ぶ人は、シェフ(Chef)として技能審査を受けられるかを確認してください。

ITと会計は、2025年の人材不足リストでも不足から外れた分野です。これらの職業で永住権を目指す場合、189の招待を待つより、州の指名(190・491)か、雇用主のスポンサー(482から186)を検討するほうが現実的です。雇用主のスポンサーでは、年収が基準額以上であることが条件で、中核技能の基準額は2026年7月から79,423豪ドル(約872.8万円)です。

技能審査:職業ごとの審査機関と費用

技術移民では、招待を受ける時点で、職業ごとに決められた審査機関の技能審査に通っている必要があります。主な審査機関と費用の目安は次のとおりです。

職業 審査機関 費用の目安
IT職 ACS(オーストラリア・コンピュータ協会) 1,498豪ドル(約16.5万円、税別)
看護師 ANMAC 595豪ドル(約6.5万円)
職人(電気工・大工など) TRA(職人認定機関) 795豪ドル(約8.7万円)〜
会計士 CPA Australia ほか 514豪ドル(約5.6万円、国外から)
エンジニア Engineers Australia 1,034豪ドル(約11.4万円、税込)
教員 AITSL 1,154豪ドル(約12.7万円)
そのほか多くの専門職 VETASSESS 1,146豪ドル(約12.6万円、オーストラリアの税務居住者でない人)

費用は審査の種類で変わり、職人の審査は経路によって2,000〜5,000豪ドル台になる場合もあります(VETASSESSの金額は公式サイト、それ以外は移民業者の集計、2026年8月時点)。審査には学歴・職歴の証明書類が必要で、日本の書類の英訳や証明を求められることがあります。

ポイントの最低65点と、年齢・英語の条件

189・190・491の基本的な条件は次のとおりです。

  • 招待の時点で45歳未満
  • 英語力が「Competent」以上
  • 職業リストに載った職業で、技能審査に通っている
  • ポイントテストで65点以上(190は州の指名で+5点、491は+15点)

65点は登録できる最低ラインで、実際の招待の点数は職業によって65〜100点と幅があります。点数は年齢(25〜32歳が最も高い)、英語力、職歴、学歴、オーストラリアでの学習などで決まります。オーストラリア政府は2026年5月に、若く学歴・技能の高い人を重視する方向でポイントテストを見直す方針を示しましたが、2026年10月時点で詳細は発表されていません。

2026〜27年度の永住権の受入れ枠は185,000人で、189は21,090人、190は35,500人、地方(491など)は14,110人です。地方の枠は前年度の33,000人から大きく減りました。

州の指名の受付状況(2026年10月)

190・491を狙う場合は、州ごとの受付状況が大きく影響します。2026年10月初めの状況は次のとおりです(移民業者の集計とニューサウスウェールズ州の公式発表)。

州 2026〜27年度の受付
ニューサウスウェールズ 受付停止中(前年度の枠が割当済み。2026〜27年度の枠と条件は未発表、9月4日発表)
ビクトリア 2026〜27年度の受付は未開始
クイーンズランド 未開始
西オーストラリア 受付中(9月中旬から招待)
南オーストラリア 8月26日に再開
タスマニア 8月17日に開始
北部準州 8月21日に再開
首都特別地域 7月30日に受付システムを開始

州は、それぞれの州で不足している職業、州での居住・就労の実績、州の大学やTAFEの卒業などを条件にしています。受付の開始や枠は年度途中でも変わるため、申請を考えている州の公式サイトを確認してください。

TAFE卒業後に永住権を取るルート

TAFE(職業訓練校)で調理、整備、建設などの資格を取った人が永住権を目指す場合、一般的には次の流れになります。

段階 内容
1. 卒業後の就労ビザ(485) 職業教育の卒業者向けの区分。MLTSSLの職業に関係する資格と技能審査が必要。申請時35歳以下、最長18か月、申請料5,750豪ドル(約63.2万円)
2. 現地での就労と技能審査 職人はTRAの「Job Ready Program」で、12か月以上の有給の就労(週平均38時間が目安)と職場での審査を受ける(費用は合計約3,540豪ドル(約38.9万円))
3. 永住権の申請 州の指名(190・491)、189(MLTSSLの職業)、または雇用主のスポンサー(482から186)

注意したいのは費用と期限です。485の申請料は2026年3月に2,300豪ドルから4,600豪ドルに上がり、7月にはさらに5,750豪ドルになりました。学生ビザ(500)の申請料も2,500豪ドル(約27.5万円)になっています。485は卒業から6か月以内に申請する必要があります。

また、2026年10月2日から、新しく申請する学生ビザ(500)には、原則として配偶者や子どもを含められなくなりました(博士課程などは例外)。オーストラリア国内にいる一時ビザの保持者の多くは、学生ビザを国内から申請することもできなくなっています。TAFEへの留学から永住権を目指す計画は、制度が変わり続けている前提で、期間と費用に余裕を持って立ててください。

よくある質問

オーストラリアの永住権が取りやすい職業は何ですか?

2026年6月の189の招待では、電気工・大工などの建設系の職人が最低点の65点で招待されました。看護師と中学・高校の教員は主に75点でした。オーストラリア政府も、建設・医療・教育などを優先する方針を示しています。ただし、招待の点数は回ごとに変わります。

職業リストに載っていれば永住権は取れますか?

取れるとは限りません。リストに載っているのは申請の前提条件で、189では点数の高い順に招待されます。ITや会計のように、リストに載っていても最近の189で招待されていない職業もあります。州の指名や雇用主のスポンサーも合わせて検討してください。

TAFEを卒業したら永住権を取れますか?

卒業しただけでは取れません。卒業後の就労ビザ(485)で働きながら経験を積み、技能審査に通ったうえで、州の指名や雇用主のスポンサー、189の招待を受ける必要があります。485の対象は、申請時に35歳以下でMLTSSLの職業に関係する資格を持つ人です。

45歳を過ぎていても永住権を取れますか?

189・190・491は招待の時点で45歳未満が条件です。45歳以上の場合は、雇用主のスポンサー(186)の例外や、パートナービザなどが選択肢になります。ルートごとの条件はオーストラリア移住と永住権の条件をご覧ください。

ワーキングホリデーから永住権につなげられますか?

日本人は18〜30歳でワーキングホリデー(417)を申請できます(申請料840豪ドル(約9.2万円))。ワーキングホリデーの期間だけで永住権の条件は満たせませんが、現地での就労経験が雇用主のスポンサーにつながることがあります。2026年9月には、2年目・3年目のビザを抽選制にする方針が発表されています(法令への反映前で、417に適用されるかは未確定)。

まとめ

  • 189はMLTSSL、190はMLTSSL+STSOL、491はさらにROL、雇用主のスポンサー(482・186)はCSOLを使う
  • 2026年6月の189では、建設系の職人が65点、看護師・教員が主に75点で招待された。ソフトウェアエンジニアなど主なIT職・会計士・シェフは招待の一覧に入らなかった
  • 技能審査、45歳未満、英語Competent以上、65点以上が基本の条件。地方の枠は2026〜27年度に大きく減った
  • 州の指名は州ごとに受付状況が違い、ニューサウスウェールズは2026年10月時点で受付を停止している
  • TAFE卒業後は485で経験を積み、技能審査を経て州の指名や雇用主のスポンサーを目指す。485の申請料は5,750豪ドルに上がった

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参考(一次情報・出典)

本記事の金額・制度は2026年10月9日時点の情報です。円換算は1豪ドル=109.89円(三菱UFJリサーチ&コンサルティング、2026年10月8日の仲値)。

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