アメリカ永住権(グリーンカード)の金額はいくら?ルート別の費用一覧【2026年】



※本記事は2026年9月8日時点の公表情報(米国移民局USCIS・米国国務省)をもとにした一般的な解説です。政府手数料・投資額・為替は変動します。円換算は1ドル=153円(2026年9月8日の東京市場)で計算しています。個別の申請可否や税務判断は、申請前に専門家へご確認ください。

「アメリカの永住権はいくらで取れるのか」という質問への答えは、どのルートで申請するかで桁が変わる、です。家族の呼び寄せなら政府手数料は20〜50万円台、投資永住権(EB-5)なら投資額だけで1億2,000万円以上、2025年に始まったゴールドカードは1億5,000万円超の寄付が条件になります。本記事では、アメリカ永住権(グリーンカード)の取得金額を、家族・就労・投資・抽選・ゴールドカードの5ルートに分け、米国移民局(USCIS)と国務省が公表している手数料をもとに一覧化しました。弁護士費用の相場、日本側で準備する書類の費用、取得後にかかる更新費用まで、申請を検討する前に把握しておきたい金額をまとめています。

目次

  1. 結論:アメリカ永住権の金額はルートで桁が変わる
  2. 家族ベース(配偶者・親子)の費用:政府手数料は約20万〜50万円
  3. 就労ベース(EB-1〜EB-3)の費用:本人負担は約25万〜40万円(弁護士費用を除く)
  4. 投資永住権(EB-5)の費用:投資額は$800,000から、総額は約1億4,000万円〜
  5. 抽選(DV・グリーンカードロッタリー)の費用:登録は無料、当選後に約12万〜14万円/人
  6. ゴールドカード(トランプ・ゴールドカード)の費用と現状:寄付$1,000,000+手続料$15,000
  7. 永住権を取得した後にかかる費用:更新・条件解除・市民権
  8. 日本側で準備する書類と費用:英訳は必要、アポスティーユは原則不要
  9. よくある質問
  10. まとめ:ルートを決めてから費用を見積もる

結論:アメリカ永住権の金額はルートで桁が変わる

最初に、ルート別の総額の目安を一覧にします。政府手数料は公表値、弁護士費用とその他費用は一般的な相場の幅です。

アメリカ永住権(グリーンカード)取得費用の早見表(2026年9月8日時点、1ドル=153円)
ルート 政府手数料(本人分) 弁護士費用の目安 総額の目安
家族ベース(配偶者・親子) 約$1,400〜3,000 $1,500〜5,000 約25万〜130万円
就労ベース(EB-1〜EB-3) 本人負担 約$1,500〜2,500(雇用主側は別途) 雇用主負担が一般的 本人 約25万〜40万円(弁護士費用除く)
投資(EB-5) 約$21,000〜22,000+投資額$800,000〜1,050,000 $15,000〜35,000 約1億3,600万〜1億8,200万円
抽選(DV・グリーンカードロッタリー) 登録無料。当選後 約$565/人 任意 約12万〜14万円/人
ゴールドカード(2025年開始) 寄付$1,000,000+手続料$15,000 別途 約1億5,530万円〜

「永住許可の手数料」という日本の在留資格の感覚で調べると意外に思われますが、アメリカでは申請手数料そのものより、弁護士費用と投資額が総額を決めます。以下、内訳をルート別に見ていきます。

費用の内訳は「政府手数料」「弁護士費用」「その他」の3つ

アメリカ永住権の費用は、どのルートでも次の3種類に分かれます。

  • 政府手数料:米国移民局(USCIS)への申請書ごとの手数料と、米国大使館・領事館で払うビザ申請料。金額は公表されており、誰が申請しても同じです。
  • 弁護士費用:アメリカの移民弁護士に依頼する場合の報酬。ルートと事務所によって幅が大きく、家族ベースで$1,500〜5,000、EB-5で$15,000〜35,000が一般的な相場です。
  • その他:健康診断、日本の戸籍謄本などの取得と英訳、無犯罪証明書、渡航費など。1人あたり数万円〜十数万円です。

USCISの手数料は2024年4月1日に改定された現行体系が基準で、生体認証(指紋採取)の手数料は申請料に含まれる形になりました。以前の記事や本に載っている「$85の指紋採取料」は現在は別途かかりません。

家族ベース(配偶者・親子)の費用:政府手数料は約20万〜50万円

アメリカ市民または永住者の配偶者・子・親として申請するルートです。日本人が申請する場合、アメリカ国内で身分変更する方法(I-485)と、日本の米国大使館でビザを受け取る方法(領事手続き・DS-260)の2通りがあり、手数料の構成が変わります。

家族ベースの政府手数料(1人分)
項目 アメリカ国内で申請(I-485) 日本の大使館で申請(DS-260)
家族関係の申請(I-130) $675(約10.3万円) $675(約10.3万円)
永住権申請(I-485) $1,440(約22万円) —
移民ビザ申請料(DS-260) — $325(約5万円)
扶養宣誓供述書の審査料(I-864) — $120(約1.8万円)
USCIS移民手数料(入国前に支払い) — $235(約3.6万円)
就労許可(I-765、任意) $260(約4万円) —
再入国許可(I-131、任意) $630(約9.6万円) —
合計(任意項目を除く) $2,115(約32.4万円) $1,355(約20.7万円)

これに健康診断(アメリカ国内で$200〜500程度、日本の指定医療機関では目安3万〜5万円)と、戸籍謄本の英訳などの書類費用が加わります。14歳未満の子が親と同時にI-485を申請する場合は、子の申請料が$950(約14.5万円)に減額されます。

弁護士費用は$1,500〜5,000が相場です。配偶者ビザは書類が定型的なので、弁護士に依頼せず自分で申請する人も多く、その場合の総額は政府手数料と書類費用だけで25万〜40万円程度に収まります。

就労ベース(EB-1〜EB-3)の費用:本人負担は約25万〜40万円(弁護士費用を除く)

アメリカの雇用主がスポンサーになる就労永住権です。EB-2・EB-3では、雇用主が労働省の労働認定(PERM)を取得したうえで移民請願(I-140)を出し、最後に本人が永住権申請(I-485)をします。

就労ベースの政府手数料
項目 手数料 負担者
労働認定(PERM)の求人広告費 $3,000〜5,000程度 雇用主(法律で本人負担が禁止)
移民請願(I-140) $715(約10.9万円) 雇用主が一般的
優先処理(プレミアムプロセシング、任意) $2,965(約45.4万円) 雇用主または本人。2026年3月1日改定
永住権申請(I-485) $1,440(約22万円) 本人
就労許可(I-765)・再入国許可(I-131) $260(約4万円)/$630(約9.6万円) 本人(任意)

PERMの費用(広告費と弁護士費用)は法律上、雇用主が負担しなければなりません。本人が負担するのは主にI-485以降で、健康診断を含めて$1,500〜2,500(約23万〜38万円)+弁護士費用が目安です。雇用主側の弁護士費用は$5,000〜10,000程度が一般的です。

雇用主を必要としないEB-1A(卓越した能力)やEB-2 NIW(国益免除)は、本人がI-140とI-485を自分で出すため、政府手数料は合計約$2,150(約33万円)、弁護士費用は$8,000〜15,000程度と、就労ルートの中では本人負担が大きくなります。

投資永住権(EB-5)の費用:投資額は$800,000から、総額は約1億4,000万円〜

アメリカで事業に投資し、10人分の雇用を創出することで取得する永住権です。2022年3月15日施行のEB-5改革・整合性法(RIA)により、現在の最低投資額は次のとおりです。

  • 雇用促進地域(TEA)または公共インフラ事業:$800,000(約1億2,240万円)
  • それ以外:$1,050,000(約1億6,065万円)

この金額は2027年1月1日にインフレ調整で引き上げられる予定で、以後5年ごとに見直されます。引き上げ前に移民請願(I-526E)を提出すれば現在の金額が適用されるため、検討中の方は2026年中の申請が一つの区切りになります。また、リージョナルセンター(政府認定の投資窓口)を通じた申請は、現行法では2027年9月30日までの制度として認められています。なお、USCISは2025年10月にEB-5手数料の引き下げ案(I-526E $9,625、I-829 $7,860)を公表していますが、2026年9月時点では確定しておらず、本記事は現行の手数料で計算しています。

EB-5(TEA・リージョナルセンター利用)の費用内訳
項目 金額 備考
投資額 $800,000(約1億2,240万円) 審査期間中は拘束され、事業リスクを負う
リージョナルセンター管理費 $50,000〜80,000(約765万〜1,224万円) 投資先により異なる。返還されない
移民請願(I-526E) $11,160(約170.7万円) USCIS手数料(別途、EB-5 Integrity Fundへの拠出$1,000が必要)
永住権申請(I-485)または移民ビザ(DS-260) $1,440(約22万円)/$345(約5.3万円) 国内申請か日本での申請かで異なる
条件解除(I-829) $9,525(約145.7万円) 2年後に条件付き永住権を正式な永住権にする申請
弁護士費用 $15,000〜35,000(約230万〜536万円) 資金源の証明書類の作成を含むことが多い
合計(投資額を含む) 約$891,000〜941,000 約1億3,600万〜1億4,400万円

TEA以外の事業に投資する場合は、投資額が$1,050,000になるため、総額は約$1,141,000〜1,191,000(約1億7,500万〜1億8,200万円)です。投資額は事業が成功すれば返還されますが、元本保証はありません。管理費・手数料・弁護士費用の合計約$88,000〜138,000(約1,350万〜2,110万円)は、結果にかかわらず戻らない費用として見ておく必要があります。

EB-5では、投資資金が合法的に得られたことを証明する「資金源の書類」が審査の中心になります。日本の確定申告書、預金通帳、不動産売買契約書、会社の登記簿謄本などを英訳して提出するため、書類の翻訳費用が他のルートより大きくなります。当事務所では会社登記簿謄本や確定申告書の英訳・認証を扱っています。

抽選(DV・グリーンカードロッタリー)の費用:登録は無料、当選後に約12万〜14万円/人

アメリカ国務省が毎年実施する多様性移民ビザ(DV)プログラムは、日本が対象国に含まれており、登録自体は無料です。例年10月頃に登録を受け付け、翌年5月頃に当選が発表されます。

DV当選後にかかる費用(1人分)
項目 金額
登録 無料
移民ビザ申請料(DS-260、DV枠) $330(約5万円)
健康診断(日本の指定医療機関) 目安3万〜5万円
USCIS移民手数料(入国前に支払い) $235(約3.6万円)
合計 約12万〜14万円

当選しても、指定された期限内に手続きを終えなければ権利は失われます。家族全員分の申請料と健康診断費が必要になるため、4人家族なら50万円前後を見込んでおくと安全です。なお、「登録を代行する」と称して数万円の料金を取る業者がありますが、国務省の公式サイトから無料で登録できます。

ゴールドカード(トランプ・ゴールドカード)の費用と現状:寄付$1,000,000+手続料$15,000

2025年9月19日の大統領令(EO 14351)で創設され、2025年12月11日に申請受付が始まった制度です。個人が米国政府に$1,000,000(約1億5,300万円)を寄付し、EB-1またはEB-2の枠で永住権の審査を受けます。法人が従業員のために申請する場合は1人あたり$2,000,000です。

ゴールドカードの費用(個人申請)
項目 金額 備考
手続料 $15,000(約229.5万円) 返金されない
寄付金 $1,000,000(約1億5,300万円) 身元審査の通過後に支払う。返還されない
合計 $1,015,000(約1億5,530万円) ほかにビザ・USCIS手数料が別途

注意したいのは、制度の実績がまだ乏しいことです。報道によると、2026年5月時点の申請者は338人、手続料まで支払った人は165人で、承認が確認されているのは1人にとどまります。さらに、米国国土安全保障省(DHS)は裁判所への提出書類で、ゴールドカードの申請者が必ずしも他の申請者より早く審査されるわけではないと説明したと報じられています。また大統領令にもとづく制度のため、議会の立法を経た永住権ルートに比べて法的な位置づけが不安定で、寄付金は結果にかかわらず返還されません。$1,000,000という金額は、EB-5のTEA投資額(返還の可能性がある$800,000)と比較して判断する必要があります。日本側の書類準備についてはトランプ・ゴールドカード申請用書類の英語翻訳にまとめています。

永住権を取得した後にかかる費用:更新・条件解除・市民権

グリーンカードは取得して終わりではなく、更新や条件解除にも手数料がかかります。「アメリカの国籍はいくらか」という質問への答えもここに含まれます。

取得後の主な手数料
項目 手数料 タイミング
条件付き永住権の条件解除(I-751) $750(約11.5万円) 結婚2年未満で取得した場合、2年後
EB-5の条件解除(I-829) $9,525(約145.7万円) 投資永住権の取得から2年後
グリーンカードの更新(I-90) $465(約7.1万円) 10年ごと
市民権(帰化)申請(N-400) $760(約11.6万円) 永住5年後(市民の配偶者は3年後)

費用とは別に、永住権を持つとアメリカの居住者として全世界の所得に課税される点は、取得前に必ず確認してください。日本の資産や所得への影響については海外移住の税金と住民票の手続きと、出国税の解説で整理しています。

日本側で準備する書類と費用:英訳は必要、アポスティーユは原則不要

どのルートでも、日本の公的書類を英訳して提出します。米国の移民手続きで求められるのは翻訳者の証明文が付いた英訳(Certified Translation)で、他国の手続きで必要になる外務省のアポスティーユや領事認証は、USCISと米国大使館の手続きでは原則として求められません。

日本側の書類費用の目安
書類 取得費用 英訳費用の目安
戸籍謄本(全部事項証明書) 450円 A4 1枚あたり3,500円+税〜
出生・婚姻の証明(戸籍で代用) — 同上
警察証明書(無犯罪証明書) 無料(各都道府県警察本部) 英文併記のため翻訳不要
確定申告書・預金残高証明(EB-5の資金源証明) 各数百円〜 枚数に応じて
健康診断(米国大使館指定の医療機関) 目安3万〜5万円 —

海外在住のご家族が日本の戸籍謄本を取り寄せる場合は、海外からの戸籍謄本の取得代行をご利用いただけます。翻訳証明付きの英訳は当事務所で作成しています。

よくある質問

弁護士に頼まずに自分で申請できますか?

配偶者ビザや抽選(DV)は自分で申請する人が多く、政府手数料と書類費用だけで済みます。EB-5や就労ベースは、資金源の証明や労働認定など専門的な書類が多いため、弁護士への依頼が一般的です。

家族全員で申請すると費用はどうなりますか?

政府手数料は1人ずつかかります。I-485は14歳未満の子が親と同時に申請する場合$950に減額されますが、DS-260や健康診断は人数分そのままです。

申請が不許可になったら手数料は戻りますか?

戻りません。USCISと国務省の手数料は審査に対する対価で、結果にかかわらず返金されません。EB-5のリージョナルセンター管理費、ゴールドカードの手続料と寄付金も同様です。

費用はいつ変わりますか?

USCISの手数料は数年ごとの規則改定で変わります(直近は2024年4月1日)。EB-5の投資額は2027年1月1日にインフレ調整される予定です。為替の影響も大きく、本記事の円換算は1ドル=153円で計算しています。

日本の戸籍謄本にアポスティーユは必要ですか?

米国の移民手続きでは原則として不要です。求められるのは翻訳者の証明が付いた英訳です。ただし、米国の州機関や大学など移民手続き以外の提出先ではアポスティーユを求められることがあります。

まとめ:ルートを決めてから費用を見積もる

アメリカ永住権の金額は、家族ベースなら25万〜130万円、就労ベースなら本人負担25万〜40万円、EB-5なら約1億4,000万円〜、ゴールドカードなら約1億5,500万円〜が目安です。「いくらかかるか」の前に「どのルートが使えるか」が決まらないと見積もりができないため、まずはご自身の状況(アメリカに家族や雇用主がいるか、投資できる資金があるか)を整理することから始めてください。

他の国の永住権と比べてどうか

家族ベースのアメリカ永住権は、政府手数料だけなら世界的に見ても安い部類です。一方、投資ベースはヨーロッパのゴールデンビザより高く、たとえばポルトガルのゴールデンビザは投資ファンドへの50万ユーロが基準で、EB-5の$800,000(約1億2,240万円)を下回ります。ポルトガルの総費用はポルトガル・ゴールデンビザの総費用で試算しています。

アメリカを含む各国の永住権・市民権の最低費用は、海外の永住権はいくら?国別の費用まとめで一覧にしています。永住権・市民権・ビザの違いから整理したい方は、永住権・市民権・ビザ・税務居住地の違いからお読みください。

当事務所では、EB-5(投資永住権)の申請サポートと、申請に必要な日本の書類の英訳・取り寄せに対応しています。アメリカを含む各国の永住権・市民権を費用と条件で比較したい方は、無料相談をご利用ください。しつこい営業は一切いたしません。

参考(一次情報・出典)

本記事の手数料は2026年9月8日時点。円換算は1ドル=153円。

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