日本人が永住権を取りやすい国【2026年】お金・年数・仕事の3つのルートで比較

日本人が永住権を取りやすい国は、何を条件に取るかで変わります。年金や投資の資金があれば、パナマ(年金ビザ・投資ビザ)やパラグアイ(2026年4月に始まった投資のルート)のように、最初から永住権が出る国があります。資金が少なめなら、パナマの友好国ビザ(2年の一時居住の後に永住権)や、ポルトガル(5年住んで永住権の申請)のように、数年住んでから取る国が候補です。働いて取るなら、オーストラリア・カナダ・ニュージーランドのような技術移民の国ですが、年齢や英語の条件があります。反対に、タイは1つの国籍あたり年100人の枠があり、マレーシアの長期滞在ビザ(MM2H)は永住権にはつながりません。永住権は国籍ではないため、取っても日本国籍は失いません。本記事では、主な国の永住権の条件・年数・費用を比べ、「取りやすさ」と「維持しやすさ」の違いを整理します。

※金額と制度は2026年10月9日時点の公表情報です。円換算は1ドル=158.17円、1ユーロ=177.39円、1バーツ=4.71円、1カナダドル=111.25円(三菱UFJリサーチ&コンサルティング、2026年10月9日の仲値)で計算しています。

年齢・資金・年金・英語・働き方・住み方を選んで、ご自身の候補の国を確かめたい方は永住権の取りやすさ診断をお使いください。

目次

  1. 結論:日本人が永住権を取りやすい国の比較表
  2. 永住権の「取りやすさ」は4つの条件で決まる
  3. お金で最初から永住権が取れる国:パナマ・パラグアイ
  4. 数年住めば取れる国:パナマの友好国ビザ・ポルトガル・ギリシャ
  5. 働いて取る国:オーストラリア・カナダ・ニュージーランド・シンガポール・香港
  6. 永住権が取りにくい国:タイ・マレーシア
  7. バヌアツの永住権:日本国籍のまま持てる
  8. 「取りやすい」と「維持しやすい」は別:滞在の義務を確認する
  9. よくある質問
  10. まとめ

結論:日本人が永住権を取りやすい国の比較表

国 ルート 主な条件 永住権が出る時期 語学の条件
パナマ 年金(ペンシオナド) 生涯受け取れる年金が月1,000ドル(約15.8万円)以上 最初から なし
パナマ 投資(適格投資家) 新築の不動産30万ドル(約4,745万円)以上など。5年間維持 最初から なし
パナマ 友好国ビザ 不動産20万ドル(約3,163万円)以上、定期預金20万ドル(3年)、または現地での雇用 2年の一時居住の後 なし
パラグアイ 投資(インベスター・パス、2026年4月開始) 不動産・証券20万ドル、観光15万ドル(約2,373万円)など 最初から なし
パラグアイ 一般 一時居住(原則2年・延長可)の後、収入などの審査 一時居住の満了後 なし
ポルトガル D7(年金・不労所得)など 月920ユーロ(約16.3万円)以上の不労所得など 5年住んだ後 ポルトガル語A2程度
ギリシャ 年金・不労所得(FIP)など 月3,500ユーロ(約62.1万円)以上など 5年住んだ後(EU長期居住者) ギリシャ語(B1程度)
オーストラリア 技術独立(189)など 45歳未満、英語、職業とポイントの審査 最初から(招待制) あり
カナダ エクスプレス・エントリー 点数(CRS)の審査 審査に通れば あり
ニュージーランド 技術移民など 55歳以下、英語など 居住ビザの2年後 あり
シンガポール 就労から申請 最低の年数はなく総合審査 審査次第 なし
香港 就労・投資のビザ 7年続けて住む 7年後 なし
タイ 就労・投資など 同じ種類のビザを3年続けて延長、1国籍あたり年100人の枠 審査次第(実際には1〜3年かかる) 規定はないが面接はタイ語
マレーシア MM2H 長期滞在ビザで、永住権にはつながらない — —

お金で早く確実に取りたいならパナマとパラグアイ、年金で暮らしながら数年かけるならパナマの友好国ビザやポルトガル、若くて英語ができ、働いて住むならオーストラリア・カナダ・ニュージーランドというのが大まかな目安です。ただし、取った後に住み続ける義務(滞在の義務)は国によって大きく違うため、「取りやすさ」と「維持しやすさ」を分けて考える必要があります。

永住権の「取りやすさ」は4つの条件で決まる

永住権の取りやすさは、次の4つの条件で比べると分かりやすくなります。

  1. お金:投資額や、年金・収入の基準
  2. 年数:最初から永住権が出るか、何年住めば申請できるか
  3. 年齢・語学・職業:技術移民の国では、年齢・英語・職業の条件が厳しい
  4. 審査の不確実さ:基準を満たせば出るのか、枠や総合審査で決まるのか

永住権は、その国に期限なく住み、働くことができる在留の資格で、国籍ではありません。日本の国籍法では、自分の意思で外国の国籍を取ると日本国籍を失いますが、永住権を取っても日本国籍は失いません。国籍まで取るかどうかは別の判断になるため、違いは永住権・市民権・ビザの違いと二重国籍を認めている国一覧で解説しています。

お金で最初から永住権が取れる国:パナマ・パラグアイ

パナマ:年金ビザと投資ビザは最初から永住権

パナマの年金ビザ(ペンシオナド)は、生涯受け取れる年金が月1,000ドル(約15.8万円)以上(10万ドルを超える不動産を持つ場合は月750ドル(約11.9万円)以上、扶養家族1人ごとに月250ドルを加算)あれば申請でき、許可は期限のないものです(パナマ移民局)。日本の公的年金の受給者なら、条件を満たしやすいルートです。

投資のルート(適格投資家)は、新築・初めて売り出される不動産30万ドル(約4,745万円)以上、中古の不動産50万ドル(約7,909万円)以上、証券50万ドル以上、定期預金75万ドル(国営銀行なら50万ドル)以上などのいずれかで、5年間の維持が条件です。どちらも最初から永住権が出ます。

パラグアイ:2026年4月に投資で直接永住権が取れるルートが始まった

パラグアイは2026年4月、投資で永住権を直接出す「インベスター・パス」を始めました。現地紙ABC Color(2026年4月21日)によると、不動産や証券への投資は20万ドル(約3,163万円。本人や家族が住むための不動産は対象外)、観光業への投資は15万ドル(約2,373万円)などが条件です。雇用を生む事業への投資の区分もあります。

投資をしない一般のルートでは、2022年の移民法(法律第6984号)により、まず一時居住(最長2年、同じ期間の延長が可能)を取り、その後に永住権を申請します。2026年5月の移民局の決議(7月に報道)により、一時居住から永住権に切り替えるときに、実際の収入と活動を示す書類が厳しく求められるようになりました。

パナマとパラグアイの費用は海外の永住権・市民権はいくらで取れるか、パナマの詳しい条件はパナマ永住権・市民権の取得ガイドで解説しています。

参考:フィリピンの退職者ビザ(SRRV)は永住権ではないが、期限なく滞在できる

フィリピンの退職者ビザ(SRRV)は、フィリピン退職庁によると、2025年9月から50歳以上は年金がある人で1.5万ドル(約237万円)、年金がない人で3万ドル(約475万円)、40〜49歳は2.5万ドル・5万ドルの預金が条件です(年金は単身で月800ドル以上)。期限のない滞在と出入国ができますが、制度上は「特別な非移民ビザ」で、預金を維持することが条件です。

数年住めば取れる国:パナマの友好国ビザ・ポルトガル・ギリシャ

パナマの友好国ビザ:2年の一時居住の後に永住権

日本はパナマの「友好国」(フレンドリー・ネーションズ)のリストに入っています(2026年8月31日の行政令のリストで確認)。不動産20万ドル(約3,163万円)以上の購入、定期預金20万ドル(3年)、または現地の会社との雇用契約のいずれかで、2年の一時居住の許可が出て、その後に永住権を申請します(パナマ移民局)。

ポルトガル:5年住めば永住権の申請

ポルトガルは、年金や不労所得で暮らす人向けのD7ビザ(月920ユーロ(約16.3万円)以上の不労所得)などで住み、合法に5年住めば永住権を申請できます。ポルトガル語のA2程度の語学の条件があります。D7などのビザでは、許可の期間中に連続6か月・通算8か月を超えて国外に出ないことが求められます。詳しくはポルトガル移住のビザの種類と条件をご覧ください。

ギリシャ:ゴールデンビザは永住権ではない

ギリシャのゴールデンビザ(不動産25万〜80万ユーロ)は、5年ごとに更新する在留の資格で、永住権ではありません。実質的な永住権にあたる「EU長期居住者」の資格は、5年続けて住むことと、ギリシャ語(B1程度)とギリシャの歴史・文化の知識が条件です。ゴールデンビザには住む義務がないため、実際にギリシャに住んでいなければ5年の要件を満たせません。詳しくはギリシャ移住のビザの種類と永住権の条件をご覧ください。

働いて取る国:オーストラリア・カナダ・ニュージーランド・シンガポール・香港

国 主なルート 主な条件
オーストラリア 技術独立(189)・州の推薦(190) 45歳未満、英語(IELTS各6相当以上)、職業リストの職業、ポイント65点以上(実際の招待はもっと高い点数が必要なことが多い)。最初から永住ビザ
カナダ エクスプレス・エントリー 年齢・学歴・英語などの点数(CRS)で招待。2026年9月のカナダの職歴のある人の区分は518点。資金の証明(単身で15,263カナダドル(約170万円))は連邦技術者の区分などで必要で、カナダの職歴の区分では不要
ニュージーランド 技術移民(SMC)・グリーンリスト 55歳以下、英語(IELTS 6.5など)。居住ビザを取り、2年後に永住ビザ
シンガポール 就労パス(EP)から申請 最低の年数は公表されておらず、総合審査。2024年に永住権を得た人は35,264人
香港 就労・高度人材・投資のビザ 7年続けて住めば永住居民の資格を申請できる

技術移民の国は、条件を満たせば永住権の審査が明確で、取った後の暮らしも安定しやすい一方、年齢・英語・職業の条件が厳しく、40代後半以降や英語に自信のない人には難しいルートです。各国の詳しい条件は、オーストラリア移住と永住権の条件、カナダ永住権の条件と費用、ニュージーランド永住権の条件と費用、シンガポール移住と永住権の条件、香港移住の条件と費用で解説しています。

永住権が取りにくい国:タイ・マレーシア

タイ:1国籍あたり年100人の枠

タイの永住権は、同じ種類のビザ(就労など)で3年続けて延長していることが前提で、1つの国籍あたり年100人の枠が毎年の告示で決められています。就労の区分では月80,000バーツ(約37.7万円)以上の給与を2年以上、投資の区分では1,000万バーツ(約4,710万円)以上の投資などが条件です。退職者の区分はなく、タイランドプリビレッジ(旧タイランドエリート)は永住権にはつながりません。詳しくはタイ移住の条件と費用をご覧ください。

マレーシア:MM2Hは永住権にならない

マレーシアのMM2Hは5〜20年の長期滞在ビザで、永住権ではありません。2024年からの制度では、MM2Hの参加者は永住権を申請できないとされています。マレーシアの永住権には、5年以上住むことなどの条件があり、投資の枠では200万ドル(約3.2億円)の定期預金を5年据え置くことなどが求められます。MM2Hの条件はマレーシアMM2Hの条件と費用で解説しています。

バヌアツの永住権:日本国籍のまま持てる

南太平洋のバヌアツにも、日本国籍のまま持てる永住権の制度があります。バヌアツの国籍(市民権)を取ると日本国籍を失いますが、永住権なら日本国籍はそのままです。申請は政府の登録エージェントを通して行います。

バヌアツの入国管理局は、12か月以上住んでいる人などが対象の区分と、投資家向けの区分を案内しています。詳しい条件は変わることがあるため、申請の前に最新の案内を確認してください。制度の概要はバヌアツ永住権とは、現地の暮らしはバヌアツ移住の治安・物価・税金・ビザをご覧ください。

「取りやすい」と「維持しやすい」は別:滞在の義務を確認する

永住権を取った後に、その国にどのくらい住む必要があるかは国によって大きく違います。日本に住みながら永住権を持ち続けたい人は、取りやすさより、この「維持しやすさ」が重要です。

国 永住権を維持するための滞在の目安
パナマ 2年に1度、数日の入国で維持できる
カナダ 5年のうち730日以上
ニュージーランド 永住ビザは入国の条件に期限なし(取るには居住ビザを2年持ち、直近2年の各年に184日以上滞在するなど、結びつきを示す条件のいずれかが必要)
オーストラリア 永住ビザの入国の権利は5年。更新(帰国者ビザ)には原則として5年のうち2年以上の滞在
シンガポール 再入国許可(REP)が必要。切れた状態で国外にいると失効することがある
香港 中国籍でない人は、通常居住をやめてから36か月を超えて続けて香港を離れると永住居民の資格を失う(入境の権利は残る)

パナマの「2年に1度の入国」は、当事務所が現地の制度に詳しいエージェントに確認した内容です。オーストラリアや香港のように、永住権を取った後も長く国外にいると権利を失う国があります。

よくある質問

日本人が一番簡単に永住権を取れる国はどこですか?

年金がある人なら、月1,000ドル以上の年金で最初から永住権が出るパナマの年金ビザが、条件が分かりやすいルートです。投資なら、パナマの投資ビザ(新築の不動産30万ドル以上など)やパラグアイのインベスター・パス(2026年4月開始)も最初から永住権が出ます。ただし、住み続ける義務や税金も含めて比べる必要があります。

永住権を取ると日本国籍はどうなりますか?

永住権は国籍ではないため、日本国籍は失いません。その国の国籍(市民権)まで取ると、日本の国籍法により日本国籍を失います。

語学の試験がない国はありますか?

パナマ、パラグアイ、シンガポール、香港などは、永住権の申請に語学の試験を求めていません。オーストラリア・カナダ・ニュージーランドは英語、ポルトガル・ギリシャは現地の言葉の条件があります。

日本に住んだまま永住権を持ち続けられますか?

国によります。パナマは2年に1度の入国で維持できますが、カナダは5年のうち730日以上住む必要があり、オーストラリアも長く国外にいると更新が難しくなります。

50代・60代でも永住権は取れますか?

年齢の上限がある技術移民の国(オーストラリアは45歳未満、ニュージーランドは55歳以下)は難しくなります。年金や資産で取れるパナマ、パラグアイ、ポルトガル(D7から5年)などは、年齢の上限がありません。

まとめ

  • 永住権の取りやすさは、お金・年数・年齢と語学・審査の不確実さの4つで比べる
  • お金で最初から取れるのはパナマ(年金月1,000ドル以上、投資30万ドル以上など)とパラグアイ(2026年4月開始のインベスター・パス)
  • 数年住んで取るのはパナマの友好国ビザ(2年の一時居住の後)、ポルトガル(5年)、ギリシャ(EU長期居住者で5年)
  • 働いて取るならオーストラリア・カナダ・ニュージーランドだが、年齢・英語・職業の条件が厳しい。タイは年100人の枠、マレーシアのMM2Hは永住権にならない
  • 永住権を取っても日本国籍は失わない。取った後の滞在の義務(維持しやすさ)も必ず確認する

当事務所では、各国の永住権・長期滞在ビザの比較相談と、申請に必要な日本の書類(戸籍謄本・無犯罪証明書・年金の証明書など)の取り寄せ・翻訳・アポスティーユ取得に対応しています。年金や資産、年齢、家族構成をもとに、どの国の永住権が合うかを整理したい方は、無料相談をご利用ください。しつこい営業は一切いたしません。

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参考(一次情報・出典)

本記事の金額・制度は2026年10月9日時点の情報です。円換算は三菱UFJリサーチ&コンサルティングの2026年10月9日の仲値で計算しています。

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