マルタ移住の条件と費用【2026年】永住権(MPRP)・ノマド・リタイア・就労のビザと、生活費・税金・デメリット

マルタは地中海に浮かぶ人口約59万人の小さな島国で、英語が公用語のEU加盟国です。日本人が長く住むルートは、投資による永住権(MPRP)、国外の仕事を続けるノマド居住許可、年金生活者向けの税制優遇プログラム、現地での就労の4つに分かれ、若い人には2026年に始まったワーキングホリデーもあります。MPRPは、政府への手数料・拠出金とNGOへの寄付を合わせて9万9,000ユーロ(約1,756万円)に加え、37万5,000ユーロ以上の不動産の購入か年1万4,000ユーロ以上の賃貸、50万ユーロ以上の資産が条件で、滞在義務はありません。一方で、2025年4月のEU司法裁判所の判決により、投資でマルタの市民権(パスポート)を取る制度はなくなりました。生活面では、スリーマなど人気地区の1LDKの家賃が月1,100〜1,500ユーロ(約19.5万〜26.6万円)に上がっており、夏の猛暑、交通渋滞、人口の過密が住民の不満の上位です。本記事では、マルタ政府機関(Residency Malta Agency、Identità)・外務省・統計局(NSO)の公表情報をもとに、ビザの種類と条件、費用、税金、生活費、後悔しやすい点を整理します。

※金額と制度は2026年10月12日時点の公表情報です。円換算は1ユーロ=177.39円(三菱UFJリサーチ&コンサルティング、2026年10月9日の仲値)。

目次

  1. 結論:マルタに住む4つのルートと、費用の目安
  2. 日本人の入国:90日はビザなし、ワーキングホリデーは2026年から
  3. 永住権(MPRP):政府への支払い9万9,000ユーロと不動産・資産の条件
  4. 税制優遇の居住プログラム:GRPとMRPは2026年末が申請の期限
  5. ノマド居住許可・就労・長期居住:年収4万2,000ユーロ、KEIは4万5,000ユーロ
  6. 市民権(パスポート):投資で買う制度は2025年に廃止。帰化すれば日本国籍を失う
  7. 税金:国外所得は送金した分だけ課税。日本との租税条約はない
  8. 生活費:家賃は人気地区で月1,100ユーロから、給与の平均は月2,282ユーロ
  9. 医療・教育・治安・気候
  10. マルタ移住のデメリット:後悔しやすい7つの点
  11. よくある質問
  12. まとめ

結論:マルタに住む4つのルートと、費用の目安

ルート 主な条件 期間 向いている人
永住権(MPRP) 政府への手数料・拠出金と寄付で9万9,000ユーロ+不動産(購入37万5,000ユーロ以上か賃貸年1万4,000ユーロ以上)+資産50万ユーロ以上 永住(居住カードは5年ごと更新) 滞在義務なしでEUの永住権を持ちたい人
ノマド居住許可 国外の雇用主・顧客のために遠隔で働き、年収4万2,000ユーロ以上 1年(更新で最長4年) リモートワーカー
税制優遇プログラム(GRP・MRP) 不動産の購入か賃貸、国外所得への15%課税(最低税額あり) 税務上のステータス(居住許可は別) 年金・不労所得で暮らす人
就労(単一許可・KEI) マルタの会社との雇用契約。KEIは年収4万5,000ユーロ以上 1年(更新可)。5年で長期居住 現地で働く人
ワーキングホリデー 18〜30歳、年100人(2026年1月から) 1年 若い人の下見
費用の項目 目安
家賃(1LDK、月) スリーマ・セントジュリアン1,100〜1,600ユーロ(約19.5万〜28.4万円)、ゴゾ島500〜750ユーロ(約8.9万〜13.3万円)。全国平均は約900ユーロ
電気・水道(単身、月) 70〜100ユーロ(約1.2万〜1.8万円)。夏は100〜160ユーロ
民間の医療保険(1人、年) 400〜700ユーロ(約7.1万〜12.4万円)。MPRP・ノマドなど働かない居住者は加入が必須
インターナショナルスクール(年) 8,000〜1万8,000ユーロ(約142万〜319万円)
不動産の購入時の印紙税 5%(主たる住居は最初の15万ユーロに3.5%)

マルタの強みは、英語で生活と手続きができること、治安がよいこと、EUの永住権を滞在義務なしで持てること、年金・国外所得への税負担が軽いことです。弱みは、島が小さく家賃が高いこと、夏の暑さ、そして制度が頻繁に変わることです。当事務所はマルタの永住権・長期滞在の申請サポートに対応しています。

日本人の入国:90日はビザなし、ワーキングホリデーは2026年から

マルタはシェンゲン協定の加盟国で、日本のパスポートを持つ人は180日のうち90日までビザなしで滞在できます(日本とマルタの間には1973年の相互査証免除取極があります)。2026年4月からはEUの出入国システム(EES)が本格運用され、入国時に指紋と顔写真を登録します。電子渡航認証(ETIAS)は2026年10月の時点でまだ始まっておらず、開始後は手数料20ユーロが必要になる予定です。

2026年1月1日からは、日本とマルタの間でワーキングホリデー制度が始まりました(外務省)。対象は18〜30歳、滞在は入国から1年以内、年間の発給枠は100人です。移住の前に1年間暮らしてみる手段として、若い人には現実的な選択肢です。

90日を超えて住むには、以下で説明する居住許可のいずれかが必要です。

永住権(MPRP):政府への支払い9万9,000ユーロと不動産・資産の条件

マルタ永住居住プログラム(Malta Permanent Residence Programme、MPRP)は、EU・EEA・スイス以外の国籍の人を対象にした投資による永住権です。2021年に前身のプログラム(2016年開始のMRVP)を引き継いで始まり、2025年1月と7月の2回の改正(法定通知第310号(2024年)・第146号(2025年))を経て、現在の条件は次のとおりです(Residency Malta Agency)。

項目 条件
行政手数料(本人) 6万ユーロ(約1,064万円)。申請後1か月以内に1万5,000ユーロ、原則承認後2か月以内に4万5,000ユーロ
政府拠出金(本人) 3万7,000ユーロ(約656万円)。購入・賃貸を問わず一律
寄付 マルタの登録NGOに2,000ユーロ(約35.5万円)
扶養家族の手数料 成人の扶養家族1人につき7,500ユーロ(約133万円)。配偶者と未成年の子は不要
不動産 購入なら37万5,000ユーロ(約6,652万円)以上、賃貸なら年1万4,000ユーロ(約248万円)以上。ゴゾ島も同額。5年間保持する
資産 総資産50万ユーロ(約8,870万円)以上(うち金融資産15万ユーロ以上)、または総資産65万ユーロ(約1億1,530万円)以上(うち金融資産7万5,000ユーロ以上)
居住カード 1人500ユーロ(5年分)
健康保険 マルタとヨーロッパ諸国をカバーする保険
その他 犯罪歴がないこと。認可エージェントを通じて申請する

政府への手数料・拠出金とNGOへの寄付を合わせた金額は、本人・配偶者・未成年の子の家族で、行政手数料6万+拠出金3万7,000+寄付2,000の9万9,000ユーロ(約1,756万円)です。これに不動産(購入なら37万5,000ユーロと印紙税、賃貸なら5年で7万ユーロ)と、エージェントの報酬が加わります。成人の子(申請時に29歳未満の未婚で扶養されている子)や両親・祖父母も扶養家族に含められます。

審査(デューデリジェンス)は3〜7か月が目安(認可エージェントの公表情報による)で、2025年7月の改正で、審査中に1年有効の一時居住許可を取ってマルタに住めるようになりました。原則承認の後、8か月以内に不動産・拠出金・寄付の条件を満たすと居住証明が出ます。

MPRPの特徴は、最低滞在日数がないことです(認可エージェントの公表情報による)。日本に住んだままEUの永住権を維持でき、シェンゲン域内を自由に移動できます。一方で、MPRPは就労の権利を含まないため、マルタで働くには別途の許可が必要です。不動産は5年間保持し、その後もマルタに住居を持ち続ける必要があります。

税制優遇の居住プログラム:GRPとMRPは2026年末が申請の期限

マルタには、国外の所得に対して一律15%の税率を適用する居住者向けのプログラムがあります。EU外の国籍の人向けがGlobal Residence Programme(GRP)、年金生活者向けがMalta Retirement Programme(MRP)です。

項目 GRP MRP
税率 マルタに送金した国外所得に15%。最低税額は年1万5,000ユーロ(約266万円) 同15%。最低税額は年7,500ユーロ(約133万円)。年金が課税所得の75%以上
不動産 購入27万5,000ユーロ(南部・ゴゾは22万ユーロ)以上、または賃貸年9,600ユーロ(南部・ゴゾ8,750ユーロ)以上 同左
申請料 6,000ユーロ 2,500ユーロ(登録料)
滞在 他の国に183日を超えて住まない 年90日以上マルタに住む(5年平均)か、他のどの国にも183日を超えて住まない

重要な変更が決まっています。2026年7月14日に公布された法定通知第195号(2026年)により、2027年1月1日からこれらの制度は「Global Resident Status」などに統合され、申請料8,500ユーロ、不動産は購入70万ユーロ(約1億2,417万円)以上または賃貸年1万4,000ユーロ以上、最低税額は年3万5,000ユーロ(年金受給者は1万5,000ユーロ)に引き上げられます。2026年12月31日までに申請した人は、2031年12月31日まで現在の条件が維持されます(Deloitte、Forvis Mazars)。年金や不労所得でマルタに住むことを考えているなら、2026年中の申請が有利です。

ノマド居住許可・就労・長期居住:年収4万2,000ユーロ、KEIは4万5,000ユーロ

ノマド居住許可(Nomad Residence Permit)

国外の雇用主に勤める人、国外の会社の株主、国外の顧客にサービスを提供するフリーランスが対象で、年間の総所得4万2,000ユーロ(約745万円。月3,500ユーロ)以上が条件です(Residency Malta Agency)。期間は1年で、直前の12か月のうち累計5か月以上マルタに住んだ証明など条件を満たせば更新でき、最長4年です。申請料は1人300ユーロ(居住カードは別途100ユーロ)で、EU(マルタを含む)と英国をカバーする補償額10万ユーロ以上の健康保険(1年分前払い)と、許可の期間をカバーする賃貸か購入の契約が必要です。税金は、許可された遠隔の仕事の所得に一律10%で、最初の12か月は免税です(法定通知第277号(2023年))。

就労(単一許可・KEI・SEI)

マルタの会社に雇われる場合は、居住と就労を1つにした単一許可(Single Permit)を会社が申請します。2025年8月1日からの新しい労働移民政策で、初回の手数料は600ユーロ、更新は年150ユーロになり、会社は申請前に国内で3週間以上の求人広告を出す義務があります(Identità)。年収4万5,000ユーロ(約798万円)以上の専門職はKey Employee Initiative(KEI)、年収3万ユーロ以上で学位か実務経験のある人はSpecialist Employee Initiative(SEI)で、審査が早くなります。2026年3月1日からは、就労許可の申請時に出発前コースの修了証の照合が始まりました。

長期居住(EU長期居住者)

合法的に5年続けて住む(1回の不在は6か月以内、5年の合計で10か月以内)と、EU長期居住者の資格を申請できます。申請前の2年間は最低賃金以上の安定した収入が必要で、100時間の統合コース「I Belong」の修了(最終試験75%以上)と、マルタ語の試験(MQFレベル2で65%以上)が条件です(Identità)。MPRPの保有者と違い、就労を含む居住者としての権利が広がります。

市民権(パスポート):投資で買う制度は2025年に廃止。帰化すれば日本国籍を失う

2025年4月29日、EU司法裁判所はマルタの投資による市民権制度(2020年導入)がEU法に違反すると判断しました(C-181/23)。所定の支払いと引き換えに国籍を与える手続きは、EU市民権の「商業化」にあたるというのが理由です。マルタ政府は2025年7月24日に市民権法を改正し(Act XXI of 2025)、投資による帰化を廃止しました。

代わりに設けられた「功績による帰化」(法定通知第159号(2025年))は、科学・文化・スポーツ・起業などでマルタや人類に例外的な貢献をした人を対象にした裁量的な制度で、金額の基準はなく、8か月以上のマルタでの居住が必要です。2026年2月5日には、管轄のCommunity Malta Agencyが、功績による帰化は「旧投資市民権制度のプログラム・スキーム・パスウェイでも、その継続や代替でもない」と注意喚起しています。つまり、2026年にお金でマルタのパスポートを取る方法はありません。

通常の帰化は、申請の直前12か月の継続居住と、その前の6年のうち合計4年以上の居住(実質5年以上)、英語かマルタ語の能力、善良な性格が条件で、審査料は450ユーロです。許可は大臣の裁量で、拒否の理由は開示されません。

なお、マルタは二重国籍を認めていますが、日本は認めていません。日本人がマルタに帰化すると、国籍法第11条により日本国籍を自動的に失います。多くの日本人にとって現実的なのは、国籍ではなく永住権(MPRP)か長期居住までです。国籍の判断は二重国籍を認めている国一覧も参考にしてください。

税金:国外所得は送金した分だけ課税。日本との租税条約はない

個人の所得税

マルタに住んでいてもマルタに「ドミサイル(生活の本拠地)」がない外国人は、マルタ国内の所得と、マルタに送金した国外所得だけが課税対象です(送金ベース課税)。送金しない国外所得と、国外のキャピタルゲイン(送金しても)は課税されません。ただし、前年の国外所得が3万5,000ユーロ以上で全額を送金していない人には、年5,000ユーロの最低税がかかります(PwC)。税率は2026年で、単身の場合、1万2,000ユーロまで0%、1万6,000ユーロまで15%、6万ユーロまで25%、それを超える部分は35%です。

不動産の税金

税 内容
購入時の印紙税 5%(主たる住居は最初の15万ユーロに3.5%)
売却時 原則として譲渡価格の8%の最終税
固定資産税 なし
相続税・贈与税 なし。ただし不動産の相続による移転には5%の印紙税(住居は2026年から最初の40万ユーロまで3.5%)
VAT 標準18%

EU外の国籍の人が不動産を買うには、特別指定区域(SDA)の物件を除いて取得許可(AIP)が必要です。

日本側の税金

日本とマルタの間には租税条約がありません(財務省、2026年10月1日時点。税務行政の執行共助条約のみ)。二重課税の調整は、日本の外国税額控除とマルタの国内法に頼ることになります。日本の非居住者になるかどうかは「生活の本拠」で判断され、1億円以上の有価証券を持つ人には出国税、相続税・贈与税は日本を離れて10年を過ぎるまで国外の財産にも及びます。詳しくは海外移住の税金と住民票をご覧ください。

生活費:家賃は人気地区で月1,100ユーロから、給与の平均は月2,282ユーロ

家賃(1LDK・月額)

エリア 1LDK 2LDK
スリーマ 1,100〜1,500ユーロ(約19.5万〜26.6万円) 1,500〜2,200ユーロ
セントジュリアン 1,100〜1,600ユーロ 1,600〜2,400ユーロ
バレッタ 1,000〜1,500ユーロ 1,400〜2,000ユーロ
グジラ・ムシーダ 750〜1,100ユーロ 1,000〜1,500ユーロ
セントポールズベイ・メッリーハ 550〜850ユーロ 750〜1,100ユーロ
ゴゾ島 500〜750ユーロ(約8.9万〜13.3万円) 700〜1,000ユーロ

不動産ポータルの集計(FreeMalta、2026年4月)による目安で、全国平均は1LDKで約900ユーロ(約16万円)です。家賃は2021〜2023年に年10%以上上がり、2024年は上半期で6.8%、2025年は年2〜3%に落ち着き、2026年は4%前後の見込みです。賃貸契約は住宅庁への登録が義務で、2024年9月以降、EU外の国籍の人の居住許可の申請には公証人などが認証した賃貸契約が必要です。

収入と物価

  • 平均の基本給は月2,282ユーロ(約40.5万円、2026年4〜6月期、NSO)。専門職で3,035ユーロ、サービス・販売職で1,632ユーロ
  • 物価上昇率は年2.0%(2026年8月)
  • 電気・水道は単身で月70〜100ユーロ、夏は冷房で100〜160ユーロ。入居後に電力会社(ARMS)で居住者登録をしないと割高な料金になる
  • 食料品は4人家族で月600〜800ユーロ。輸入品はヨーロッパ本土より2〜4割高い
  • 路線バスは居住者登録したTallinjaカードで全路線無料。車を持つと月250〜450ユーロ
  • 4人家族の生活費は、公立学校・郊外なら月2,400〜3,600ユーロ、インターナショナルスクール・中心部なら月5,000〜8,500ユーロが目安

医療・教育・治安・気候

医療

公立の中核病院はマテル・デイ病院(ムシーダ、1,000床超)で、診療は英語です。マルタで働いて社会保険料(給与の10%)を納める人はマルタ人と同じ条件で公的医療を受けられますが、MPRP・ノマド・GRPなど働かない居住者は民間の医療保険が必須で、国内の保険会社なら1人年400〜700ユーロが目安です。公立の緊急でない専門医の診察は、数週間から数か月待つことがあります。水道水は海水の淡水化と地下水によるもので、飲用にはミネラルウォーターが勧められています(外務省)。硬度が高く、肌や洗濯に影響を感じる人もいます。

教育

公立学校は居住者なら無料で、授業はマルタ語と英語です。インターナショナルスクールは年8,000〜1万8,000ユーロが目安で、IBのVerdala International Schoolは2026〜27年度で1万1,325〜1万6,375ユーロ(約201万〜290万円)、QSIは5歳以上で1万7,100ユーロです。英語で学べる学校の選択肢があることは、教育移住の面での強みです。

治安

外務省の安全対策基礎データでは、治安はおおむね良好で凶悪犯罪はまれですが、スリや車上荒らしは起きています。繁華街のパーチャビルでは夜間の傷害事件や違法薬物に注意が必要です。在マルタ日本国大使館の資料によると、2023年の犯罪件数は約1万7,000件で前年より13%増え、詐欺とサイバー犯罪が大きく増えています。

気候

2026年7月18日には、マルタ国際空港で7月の最高記録となる43.3℃を観測しました。夏は暑さが厳しく、冷房で電気代が冬の2倍以上になります。排水設備が十分でなく、大雨のときは低地が冠水します。

マルタ移住のデメリット:後悔しやすい7つの点

  1. 人口の過密と交通渋滞:人口は2025年末で58万8,254人と前年より2.4%増え、外国籍が31.1%を占めます。2025年10月の世論調査では、国の最大の問題として過密(22.3%)と交通(20.3%)が上位でした
  2. 家賃の高さ:スリーマの1LDKで月1,100〜1,500ユーロ。収入に対して住居費の比率が高い
  3. 夏の猛暑と水:43℃の記録、硬水、冷房代
  4. 建設ラッシュ:島のあちこちで工事が続き、騒音と景観の悪化が住民の不満になっている
  5. 行政手続きの遅れ:2024年の偽造IDカード事件の後、居住許可の手続きが厳格になり、書類の不備で遅れることがある
  6. 制度が頻繁に変わる:MPRPは2025年に2回改正、税制優遇は2027年に全面改定、市民権は2025年に廃止
  7. 島の小ささと日本人の少なさ:面積は東京23区の約半分で、在留邦人は332人(2025年10月1日時点)。日本食材や日本語の通じる医療は限られます。日本からの直行便はなく、イスタンブール・ドーハ・ドバイ経由で16〜20時間かかります

英語で暮らせること、治安のよさ、EUの永住権を滞在義務なしで持てることは、これらのデメリットを上回る利点になり得ます。重要なのは、島に実際に住むのか、永住権だけを持つのかを最初に決めることです。

よくある質問

マルタ移住にはいくら必要ですか?

永住権(MPRP)なら、政府への手数料・拠出金と寄付の9万9,000ユーロ(約1,756万円)に、不動産(購入37万5,000ユーロ以上か賃貸年1万4,000ユーロ以上)とエージェントの報酬が加わり、資産50万ユーロ以上の証明が必要です。ノマド居住許可なら申請料300ユーロと年収4万2,000ユーロの証明、就労なら会社の手続きで、初期費用はほぼ生活費だけです。

マルタ移住のデメリットは何ですか?

人口の過密と渋滞、家賃の高さ、夏の猛暑、建設ラッシュ、行政手続きの遅れ、制度の変更の多さ、日本からの遠さです。詳しくは前の章で解説しています。

マルタに移住するにはどうすればいいですか?

目的で決まります。投資で永住権を持つならMPRP(認可エージェント経由で申請)、国外の仕事を続けるならノマド居住許可、年金で暮らすなら2026年中にMRPを申請、現地で働くなら雇用契約を結んで単一許可、若い人ならワーキングホリデーで下見、という順で検討してください。

マルタの市民権(パスポート)は買えますか?

買えません。投資による市民権制度は2025年に廃止されました。通常の帰化は5年以上の居住が必要で、日本人が帰化すると日本国籍を失います。

マルタは英語で暮らせますか?

英語はマルタ語と並ぶ公用語で、役所・病院・学校・銀行の手続きは英語でできます。ただし、長期居住者の資格を取るにはマルタ語の試験があります。

日本の年金はマルタでどうなりますか?

日本の年金は海外に住んでも受け取れます。非居住者には原則20.42%の源泉徴収があり、日本とマルタの間に租税条約がないため、届出による免除はありません。マルタ側では、送金した年金に対してMRPなら15%(最低7,500ユーロ)が課されます。

まとめ

  • マルタに住むルートは、永住権(MPRP)、ノマド居住許可、税制優遇の居住(GRP・MRP)、就労、ワーキングホリデーの5つ
  • MPRPは政府への手数料・拠出金と寄付で9万9,000ユーロ+不動産(購入37万5,000ユーロか賃貸年1万4,000ユーロ)+資産50万ユーロ。滞在義務なし
  • GRP・MRPは2026年12月31日までの申請で、2031年末まで現在の条件(最低税1万5,000・7,500ユーロ)が維持される
  • 投資による市民権は2025年に廃止。帰化すれば日本国籍を失う
  • 税金は送金ベース、不動産の印紙税5%、相続税なし。日本との租税条約はない
  • 家賃は人気地区で月1,100ユーロから。猛暑・渋滞・過密が後悔の原因になりやすい

当事務所では、マルタの永住権(MPRP)・長期滞在ビザの申請サポートと、各国の永住権・市民権との比較相談、申請に必要な日本の書類(戸籍謄本・犯罪経歴証明書・銀行の残高証明など)の翻訳・アポスティーユ取得に対応しています。マルタと他の国のどちらが目的に合うか、資産や家族構成をもとに整理したい方は、無料相談をご利用ください。しつこい営業は一切いたしません。

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参考(一次情報・出典)

本記事の金額・制度は2026年10月12日時点の情報です。円換算は1ユーロ=177.39円(三菱UFJリサーチ&コンサルティング、2026年10月9日の仲値)。

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