外国籍を取得するには【2026年】日本人が外国の国籍を取る5つの方法

外国の市民権(=国籍)を日本人が取得する方法は、①その国に住んで帰化する、②その国の人と結婚して帰化の条件を短くする、③親や祖父母の国籍を受け継ぐ(血統)、④投資・寄付で市民権を取る(市民権投資)、⑤功績などによる特別な帰化の5つです。最も一般的なのは①で、たとえば米国は永住権を取ってから5年、カナダは5年のうち1,095日の滞在、ドイツは5年の居住が必要です。お金で早く取れるのは④で、ナウル・バヌアツ・カリブ海の国などが寄付9万〜25万ドル(約1,424万〜3,955万円)で市民権を与えています。

ただし、日本人が自分の意思で外国籍を取得すると、その時点で日本国籍を自動的に失います(国籍法11条1項)。取得後は、国籍喪失届、日本のパスポートの返納、日本に住む場合の在留資格など、日本側の手続きも必要です。本記事では、各国の移民当局・法務省・外務省などの公表情報にもとづき、次の点を整理します。

  • 外国籍を取得する5つのルートと、主要国の帰化の条件・費用
  • 投資で市民権を取れる国と、2025〜2026年の制度の変化
  • 取得する前に確認すること(永住権で足りないか、家族、税金)
  • 申請に必要な日本の書類と、取得後の日本側の手続き

※本記事は2026年10月18日時点の公表情報(各国の移民・市民権当局、法務省、外務省、日本年金機構など)をもとにした一般的な解説です。各国の制度は頻繁に改正されるため、申請前に必ず最新の公式情報をご確認ください。円換算は三菱UFJリサーチ&コンサルティングの2026年10月16日の仲値(1米ドル=158.19円、1ユーロ=177.36円、1英ポンド=209.95円、1カナダドル=111.42円、1豪ドル=109.48円、1NZドル=88.98円、1シンガポールドル=123.36円、1スイスフラン=191.03円、1スウェーデン・クローナ=15.88円)によります。

目次

  1. 結論:外国籍を取る方法は5つ。取った時点で日本国籍は失う
  2. 外国籍を取得する5つのルート
  3. 主要国の帰化の条件と費用【2026年】
  4. 投資で市民権を取れる国(市民権投資)
  5. 外国籍を取得した日本人はどのくらいいるか
  6. 取得する前に確認すること
  7. 申請に必要な日本の書類
  8. 取得した後の日本側の手続き
  9. よくある質問
  10. まとめ:取り方と、失うものを先に比べる

結論:外国籍を取る方法は5つ。取った時点で日本国籍は失う

日本人が外国籍を取る方法と、日本国籍への影響をまとめると次のとおりです。

外国籍を取得する方法と、日本国籍への影響(2026年10月時点)
方法目安日本国籍
① 居住による帰化多くの国で永住・居住5〜10年。語学・市民知識の試験がある国が多い取得した時点で失う
② 結婚(配偶者の帰化)結婚だけで国籍が与えられる国は少なく、帰化の居住年数が短くなるのが一般的(英国・米国・韓国など)申請して取得すれば失う
③ 血統・祖先親や祖父母の国籍を受け継ぐ(アイルランドの祖父母ルートなど)申請・登録して取得すれば失う。生まれたときから外国籍を持つ場合は国籍選択の対象(国外で生まれた場合は、出生後3か月以内の国籍留保が前提)
④ 投資・寄付(市民権投資)カリブ5か国は最低20万ドル(約3,164万円)、バヌアツ13万ドル(約2,056万円)、ナウル9万ドル(約1,424万円)など取得した時点で失う
⑤ 功績などによる特別な帰化スポーツ選手・研究者などに対する国の裁量の帰化取得した時点で失う

日本の国籍法11条1項は「日本国民は、自己の志望によつて外国の国籍を取得したときは、日本の国籍を失う」と定めています。帰化や市民権投資のように自分で申請して取得した場合はすべて「自己の志望」にあたり、届出や登録で取得する場合や、親が未成年の子の代わりに申請した場合も同じ扱いです。相手の国が二重国籍を認めていても、日本国籍は残りません。一方、外国の法律によって結婚と同時に当然に外国籍が与えられた場合などは、自分で申請したわけではないため、日本国籍を失わず重国籍になります。ただしこの場合も、重国籍になった時から2年以内(18歳未満なら20歳まで)に国籍を選ぶ必要があります(法務省 国籍Q&A)。

国籍法11条の詳しい当てはめ、国別の二重国籍の可否、国籍選択は二重国籍を認めている国一覧で解説しています。本記事では、外国籍の取り方と、取る前後の日本側の準備・手続きを中心に整理します。

外国籍を取得する5つのルート

① 居住による帰化

最も一般的な方法です。就労ビザや永住権でその国に住み、決められた年数を満たしてから帰化を申請します。多くの国で、永住権(またはそれに近い長期の在留資格)を持っていること、一定の日数以上その国にいたこと、語学と市民知識の試験に合格すること、犯罪歴がないことが条件です。先に永住権を取る必要がある国が多いため、実際には「就労ビザ → 永住権 → 帰化」と10年前後かかることも珍しくありません。永住権の取りやすい国は日本人が永住権を取りやすい国で比較しています。

② 結婚(配偶者の帰化)

結婚しただけで自動的に国籍が与えられる国は少数です。多くの国では、その国の国民の配偶者について、帰化に必要な居住年数を短くしています。たとえば英国は3年の居住と永住許可があればすぐに申請でき、米国は永住権取得後3年、韓国は婚姻中に2年の居住で申請できます。一方、カナダやニュージーランドには配偶者の短縮がありません。

③ 血統・祖先

親や祖父母がその国の国民である場合に、申請や登録で国籍を受け継げる国があります。アイルランドは、祖父母がアイルランド島で生まれていれば外国出生登録で国籍を取れます(成人278ユーロ(約4.9万円))。イタリアは2025年の法律で、国外で生まれて他の国籍を持つ人が血統で国籍を得られる場合を、親か祖父母がイタリア国籍だけを持つ(持っていた)場合や、親が子の出生前にイタリアに2年以上住んでいた場合などに限りました。

④ 投資・寄付(市民権投資)

政府の基金への寄付や指定された不動産への投資と引き換えに、居住の実績なしで市民権を与える制度です。短いもので3〜4か月で取得できますが、日本国籍を失うのは①と同じで、取得したパスポートで行ける国が制限される動きも続いています(次の章)。

⑤ 功績などによる特別な帰化

スポーツ・学術・文化などで国に貢献した人に、国の裁量で国籍を与える制度です。多くの国で例外的な扱いで、自分から申し込んで取る方法ではありません。

主要国の帰化の条件と費用【2026年】

主な国の居住による帰化の条件は次のとおりです(各国の移民・市民権当局の公表情報。手数料は成人1人分)。

主要国の帰化の条件(2026年10月時点)
国居住の条件配偶者の短縮語学・試験申請手数料
米国永住権取得後5年米国市民の配偶者は3年英語・公民の試験オンライン710ドル(約11.2万円)、紙760ドル(約12.0万円)。値上げ案が2026年6月に公表(未施行)
カナダ永住者として5年のうち1,095日の滞在なし18〜54歳は英語・仏語と市民権試験653カナダドル(約7.3万円)
オーストラリア4年の居住(うち直近1年は永住者)—市民権試験595豪ドル(約6.5万円)
ニュージーランド居住ビザで5年、通算1,350日以上かつ各年240日以上の滞在なし基礎的な英語力641NZドル(約5.7万円)
英国永住許可(ILR)の取得から通常12か月後英国市民の配偶者は3年の居住とILRで申請可英語と「Life in the UK」試験1,709ポンド(約35.9万円)+式典130ポンド(約2.7万円)
アイルランド9年のうち5年の居住(直前1年は連続)婚姻3年以上かつ5年のうち3年の居住現行はなし申請175ユーロ+証明書950ユーロ(計約20.0万円)
ドイツ5年の居住(3年の早期帰化は2025年に廃止)ドイツ人の配偶者は居住3年+婚姻2年ドイツ語B1と帰化試験255ユーロ(約4.5万円)
フランス5年の居住婚姻4年以上で届出により取得フランス語B2と公民試験255ユーロ(約4.5万円)
オランダ5年の居住オランダ人の配偶者・パートナーは同居3年市民統合試験1,139ユーロ(約20.2万円)
スウェーデン8年の居住(2026年6月6日から。それまでは5年)7年(同居5年などの条件あり)語学・社会知識の証明、収入の要件2,900クローナ(約4.6万円)
スイス10年の居住と永住許可(C許可)通算5年の居住+婚姻3年ドイツ語などの語学連邦分100スイスフラン(約1.9万円)+州・自治体の手数料
ポルトガルEU・ポルトガル語圏以外の国民は10年(2026年5月19日施行の改正。それまでは5年)婚姻3年超ポルトガル語、文化・歴史の知識250ユーロ(約4.4万円)
スペイン原則10年スペイン人と婚姻1年語学・社会文化の試験104.05ユーロ(約1.8万円)
イタリアEU域外の国民は10年イタリア在住なら婚姻後2年、国外在住なら婚姻3年(子がいれば半分)イタリア語B1250ユーロ(約4.4万円)
シンガポール永住者として2年以上、21歳以上永住者2年かつ婚姻2年(期間の短縮はなし)—計180シンガポールドル(約2.2万円)
韓国永住資格を持って5年婚姻中に2年の居住など韓国語と韓国の風習の理解—
台湾年183日超の居住を5年連続3年中国語の基礎など—
ブラジル4年の居住1年ポルトガル語—
パナマ5年の居住パナマ人の配偶者は3年スペイン語、地理・歴史の知識—

表の「—」は、配偶者の短縮や手数料の公式の記載を確認できなかったものです。2025〜2026年は、帰化の条件を厳しくする国が続いています。ポルトガルはEU・ポルトガル語圏以外の国民の居住要件を5年から10年に、スウェーデンは5年から8年に延ばし、ドイツは3年の早期帰化を廃止しました。英国の「10年の定住」、アイルランドの「8年」、オランダの「10年」は検討中の段階で、2026年10月時点では施行されていません。帰化を前提に移住先を選ぶ場合は、申請する時点の条件で判断できるよう、最新の公式情報を確認してください。

投資で市民権を取れる国(市民権投資)

居住の実績なしで、寄付や投資によって市民権を取れる主な国は次のとおりです(単身の最低額)。市民権投資は、日本のパスポートを持ったまま2つ目のパスポートを持つ使い方は日本人にはできず、取得すると日本の旅券は失効します。

市民権投資の主な国(2026年10月時点、単身の最低額)
国最低額補足
ナウル9万ドル(約1,424万円)2026年12月31日までの価格。処理3〜4か月
バヌアツ13万ドル(約2,056万円)別に身元調査料など。2026年3月に規則が改正され、改正後の金額は公表待ち。パスポートの発行に生体認証の登録が必要
ドミニカ国20万ドル(約3,164万円)経済多様化基金への寄付、または不動産。公式の処理の目安は3〜4か月(実際にはこれより長い例も多い)
アンティグア・バーブーダ23万ドル(約3,638万円)国家開発基金。別に処理料1万ドル(約158万円)など
グレナダ23.5万ドル(約3,717万円)国家改革基金
セントルシア24万ドル(約3,797万円)国家経済基金(4人まで同額)
セントクリストファー・ネービス25万ドル(約3,955万円)4人家族まで同額
トルコ不動産40万ドル(約6,328万円)を3年保有ファンドのルートは50万ドル(約7,910万円)

カリブ5か国(ドミニカ国、アンティグア・バーブーダ、グレナダ、セントルシア、セントクリストファー・ネービス)は、2024年の地域の合意で最低20万ドルを下限にしています。取得したパスポートの使い勝手には、次のような制限が広がっています。

  • EU:2025年12月から、市民権投資の運用がビザ免除を停止する理由に加わりました。バヌアツのビザ免除は2024年12月の決定で、2025年2月に廃止されています
  • 英国:ドミニカ国・バヌアツ(2023年7月から)、ナウル(2025年12月から)、セントルシア(2026年3月から)の国民はビザが必要です
  • 米国:2026年1月1日から、アンティグア・バーブーダとドミニカ国の国民の入国が一部制限されています
  • 日本:ナウル・バヌアツ・カリブ5か国は日本の査証免除の対象ではなく(トルコは対象)、これらの国籍で日本に入国するには短期の滞在でも査証が必要です。米国・カナダ・英国などに帰化した場合は、短期の滞在なら査証は不要です

市民権投資は「日本のパスポートの代わり」にはなりません。各国の費用の比較は海外の永住権・市民権の費用一覧で整理しています。

外国籍を取得した日本人はどのくらいいるか

外国籍を取得した日本人の人数は、まとまった公式の統計としては公表が限られています。参考になる数字は次のとおりです。

  • 海外に住む日本人の永住者:58万8,486人(2025年10月1日現在、外務省「海外在留邦人数調査統計」)。1991年以降で最多です。外務省のいう永住者は、日本国籍を持ったまま現地に期限を定めずに住んでいる人(多くは現地の永住権を持つ人)で、この中から帰化する人が出てきます
  • 永住者が多い国:米国、オーストラリア、カナダ、ブラジル、英国の順です
  • 国籍離脱の届出:生まれつき日本と外国の両方の国籍を持つ人などが自分で日本国籍を離脱した人数は、2025年に588人でした(法務省)。外国に帰化して日本国籍を失った人はこれとは別で、国籍喪失届で処理されます

よく知られた例としては、ノーベル物理学賞を受賞した南部陽一郎氏(2008年)、中村修二氏(2014年)、真鍋淑郎氏(2021年)が、いずれも受賞時には米国籍でした。研究や仕事の拠点を海外に移した人が、その国で長く暮らした末に帰化するのが典型的な形です。

取得する前に確認すること

永住権で足りないか

外国に住み、働き、家を持つだけなら、多くの国で永住権で足ります。永住権なら日本国籍を持ったままです。帰化して初めて得られるのは、主にその国の選挙権、その国のパスポート、国外に長く住んでも失わない身分です。永住権には国外に長くいると失う制度(オーストラリアの再入国ビザ、シンガポールの再入国許可など)があるため、将来どこに住むかで判断が分かれます。

家族と子どもの国籍

未成年の子のために親が外国籍を申請すると、子も日本国籍を失います。一方、生まれたときから外国籍を持つ子(米国生まれの子など)は、親の帰化によって日本国籍を失うわけではありません。親の帰化に伴って外国の法律で子に当然に国籍が与えられる場合の扱いは、事前に法務局や在外公館に確認してください。子が将来日本で暮らす可能性があるなら、子の国籍は分けて考える選択肢があります。日本人の親と外国人の親の間に生まれた子は、生まれたときから重国籍になる場合があり、その場合は国籍の留保や国籍選択の手続きが必要です(二重国籍を認めている国一覧)。

税金は国籍ではなく住所で決まる

日本の所得税は、国籍ではなく日本に住所があるかで課税の範囲が決まります。外国籍を取っても、日本に生活の本拠があれば日本の居住者です。出国時の出国税(国外転出時課税)は国籍に関係なくかかります。相続税は、相続人と亡くなった人それぞれの住所と国籍の組み合わせで課税の範囲が決まり、亡くなった人が日本に住んでいる(または10年以内に住んでいた)場合は、相続人が外国籍になっても国外の財産まで日本の相続税がかかります(相続税がない国一覧と10年ルール、海外移住の税金と住民票)。

日本に戻る可能性

日本国籍を失った後に日本へ戻って住むには、外国人として在留資格が必要です。日本国籍に戻るには日本への帰化が必要で、条件の一部を緩める規定はありますが、許可されるかは審査によります(取得した後の日本側の手続き)。

申請に必要な日本の書類

外国の帰化や市民権投資の申請では、日本で発行される書類を求められることが多くあります。代表的なものと取り方は次のとおりです。

外国籍の申請で求められることが多い日本の書類(2026年10月時点)
書類取り方注意点
戸籍謄本(全部事項証明書)本籍地の市区町村(海外からは郵送で請求)。国内にいる本人などは全国の市区町村の窓口でも請求できる(2024年3月からの広域交付)出生・婚姻・親子関係の証明として使う。英訳が必要
犯罪経歴証明書国内は最後に住んでいた都道府県の警察本部(警視庁は発行まで約2週間、手数料無料。手数料は都道府県で異なる)。海外からは在外公館経由で約2〜3か月本人が申請し指紋を採取する。提出先が証明書を求めていることを示す書類が必要。開封すると無効
アポスティーユ・公印確認外務省(手数料無料、約3開庁日で郵送返却)。東京の窓口は2026年10月5日から予約制発行から3か月以内の公文書の原本が対象。提出先がハーグ条約の締約国なら原則アポスティーユ、それ以外は公印確認と領事認証(締約国でも領事認証を求められる場合がある)
在外公館の証明海外に住む日本人は在外公館で身分事項証明・署名証明などを取得できる原則として日本国籍がある人が対象。国籍を失った後は取れない証明が多い

戸籍謄本は日本語でしか発行されないため、ほとんどの国で翻訳と認証が必要です。どの国のどの機関が、どの形式の翻訳・認証を求めるかは申請先ごとに違うため、申請先の案内を先に確認してから日本の書類をそろえると手戻りが減ります。当事務所のアポスティーユ・公証などの認証手続きと海外からの戸籍謄本の取り寄せでは、これらの書類の取得・翻訳・認証に対応しています。

取得した後の日本側の手続き

外国籍を取得した後に日本側で必要な手続きと、変わることは次のとおりです。

外国籍を取得した後の日本側のチェックリスト
項目内容
国籍喪失届喪失を知った日から1か月以内(国外にいるときは3か月以内)に、市区町村または在外公館へ届け出る(戸籍法103条)。外国の帰化証明書などの添付が必要。正当な理由なく届け出ないと5万円以下の過料(戸籍法137条)
日本のパスポート日本国籍を失った時点で効力を失い(旅券法18条)、返納が必要。失効した旅券を使うと5年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金(旅券法23条)
日本への入国新しい国籍のパスポートで入国する。査証が必要かは新しい国籍で決まる(市民権投資の国の多くは査証が必要)
日本に住み続ける場合日本国籍を失った日から60日までは在留資格なしで在留できる。それを超えるなら30日以内に在留資格の取得を申請する(入管法22条の2)。期限は国籍を失った日から数えるため、日本に住んだまま取得した場合は取得日を確認しておく。日本人の子として生まれた人(実子)や日本人の配偶者は「日本人の配偶者等」を申請できる(許可は審査による)
年金海外在住の日本人に認められる国民年金の任意加入は、日本国籍がなくなると対象外になる。老齢年金の受給に日本国籍は要件ではなく、海外で受け取る場合は日本年金機構に届け出る。日本国籍を失った後の海外居住期間は受給資格期間(10年)の合算対象期間に含まれないため、10年を満たしているか事前に確認する
日本の不動産外国籍でも所有できる。2026年10月5日から、所有権の保存・移転などの登記で新たに名義人になる人の国籍の申出が必要になった(すでに名義人の人が国籍を変えた場合の申出は任意)
相続の手続き在外公館の署名証明は原則として日本国籍者が対象。元日本人も、相続や日本の財産の整理なら失効旅券や除籍謄本を示して発給を受けられる場合がある。受けられないときは現地の公証人の署名証明を使う
日本の税金日本に住所がなければ非居住者として日本の所得だけに課税。日本に戻って住むと居住者になり、国籍がなく過去10年のうち日本に住んだ期間が5年以下なら「非永住者」として扱われる

喪失届の書き方や、届け出ていない場合の相続への影響は二重国籍を認めている国一覧の国籍法11条の章で、日本国籍を失った後の在留資格は日本国籍を喪失した後の在留と永住で解説しています。

昔外国籍を取り、国籍喪失届を出したか分からない場合

まず本籍地の市区町村から戸籍謄本(除籍謄本)を取り寄せ、国籍喪失の記載があるかを確認します。記載がなければ、今からでも在外公館や市区町村に国籍喪失届を出します(外国の市民権証明書などを添付し、期限を過ぎた場合は遅れた理由を書いた書面を求められることがある)。国籍は相続権に影響しないため、外国籍でも日本の親の財産を相続できますが、戸籍の記載が正しくないと相続の手続きが進まないことがあります。日本の不動産を相続した場合は、相続で取得したことを知った日から3年以内の相続登記が義務です。

日本国籍に戻りたい場合

日本国籍に戻りたい場合は日本への帰化を申請します。2026年4月から一般の帰化は原則10年以上の在留が求められるようになりましたが、日本に住所がある元日本人には住所の年数などの条件を緩める規定(国籍法8条3号)があります。日本に住む元日本人に10年の運用がどう適用されるかは、法務省の資料では明記されていません。

よくある質問

結婚すれば相手の国の国籍をすぐに取れますか?

多くの国では、結婚だけで国籍は与えられず、帰化に必要な居住年数が短くなるだけです。英国は3年の居住と永住許可、米国は永住権取得後3年、韓国は婚姻中に2年の居住などが目安です。結婚と同時に外国の法律で当然に国籍が与えられた場合は、自分で申請していないため日本国籍は失いませんが、重国籍になるため2年以内に国籍の選択が必要です。届出で国籍を取得する国(フランスなど)は、届出も自分の意思による取得にあたり、日本国籍を失います。

日本に住んだまま外国籍を取得できますか?

居住による帰化は、その国に住んでいることが条件のため、日本に住んだままでは取得できません。市民権投資は居住の実績を求めない国が多く、日本に住んだまま取得できますが、取得した時点で日本国籍を失い、日本に住み続けるには在留資格が必要になります。

外国籍の取得にはどのくらいの期間と費用がかかりますか?

居住による帰化は、永住権の取得を含めると5〜10年以上かかるのが一般的で、申請手数料は数万円から30万円台です。市民権投資は公式の目安で3〜4か月程度ですが実際には1年前後かかる例もあり、寄付だけで9万〜25万ドル(約1,424万〜3,955万円)に加え、身元調査料や専門家の報酬がかかります。

申請に必要な日本の書類は何ですか?

戸籍謄本と犯罪経歴証明書を求められることが多く、翻訳とアポスティーユ(または公印確認と領事認証)が必要になるのが一般的です。犯罪経歴証明書は海外から申請すると2〜3か月かかるため、早めに準備してください。

外国籍を取得しても日本の年金はもらえますか?

老齢年金の受給に日本国籍は要件ではなく、受給資格を満たしていれば外国に住む外国籍の人も受け取れます。ただし、海外在住の日本人に認められる国民年金の任意加入はできなくなり、国籍を失った後の海外居住期間は受給資格期間の合算対象期間に含まれません。

外国籍を取った後、日本国籍に戻れますか?

自動的には戻りません。日本に住所を持ち、日本への帰化を申請して許可を受ける必要があります。元日本人には条件の一部を緩める規定がありますが、許可されるかは審査によります。

まとめ:取り方と、失うものを先に比べる

日本人が外国籍を取る方法は、居住による帰化、結婚、血統、投資、功績の5つで、最も一般的なのは永住権を経た居住による帰化です。2025〜2026年はポルトガル(10年)・スウェーデン(8年)・ドイツ(早期帰化の廃止)など、条件を厳しくする国が続いています。どの方法でも、自分で申請して取得すれば日本国籍はその時点で失い、国籍喪失届、パスポートの返納、日本に住む場合の在留資格が必要になります。永住権で目的が果たせないかを先に確認し、家族の国籍と日本に戻る可能性まで含めて判断してください。

当事務所は海外移住・永住権・市民権取得のご相談を承っています。移住先の永住権・市民権の取り方の比較、バヌアツ・ドミニカ国・ナウルの市民権の申請、国籍喪失届の作成、日本国籍を失った後の在留資格の申請についてご相談いただけます。申請に必要な戸籍謄本などの翻訳・アポスティーユ・公証などの認証手続き・海外からの戸籍謄本の取り寄せに対応しています(税務の判断は税理士の領域のため行っていません)。

参考(一次情報・出典)

本記事の制度は2026年10月18日時点の公表情報にもとづきます。円換算は三菱UFJリサーチ&コンサルティングの2026年10月16日の仲値(1米ドル=158.19円、1ユーロ=177.36円、1英ポンド=209.95円、1カナダドル=111.42円、1豪ドル=109.48円、1NZドル=88.98円、1シンガポールドル=123.36円、1スイスフラン=191.03円、1スウェーデン・クローナ=15.88円)によります。

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