ニュージーランド永住権の条件と費用【2026年】|技能移民(SMC)・投資家ビザ・居住ビザとの違い

ニュージーランドの永住権は、まず居住ビザ(Resident Visa)を取り、2年後に永住ビザ(Permanent Resident Visa)に切り替える2段階が基本です。中心になる技能移民(Skilled Migrant Category)は、55歳以下で、現地の認定雇用主に雇われているか内定があることが前提で、そのうえで6ポイント制などの条件を満たす必要があります。一方で、NZドル500万(約4.5億円)以上を投資する投資家ビザ(Active Investor Plus)には英語と年齢の条件がなく、資産のある人向けのルートが残っています。本記事では、ニュージーランド移民局(INZ)の公表情報にもとづき、次の項目を整理します。

  • 居住ビザ・永住ビザにつながる主なルートの比較(条件・費用)
  • 居住ビザと永住ビザの違い、切り替えの条件
  • 技能移民(SMC)の3つのルートと6ポイント制の点数、英語・賃金の条件
  • Green List・パートナー・投資家ビザ(Active Investor Plus)・事業投資家ビザ・親のビザ
  • ワーキングホリデーから目指す場合
  • 市民権と日本国籍

※本記事は2026年10月1日時点の公表情報(ニュージーランド移民局、日本の法務省など)をもとにした一般的な解説です。ビザの条件・費用・為替は変わります。費用は政府の申請料(移民税を含む)で、英語試験・学歴審査・健康診断・翻訳などの費用は別にかかります。円換算は1NZドル=89.03円(三菱UFJリサーチ&コンサルティング 2026年10月1日 公表仲値)。個別の申請可否は、ニュージーランドの登録移民アドバイザー(LIA)などの専門家にご確認ください。

目次

  1. 結論:現地の雇用が前提の技能移民と、投資家ビザが中心
  2. 居住ビザ・永住ビザと技能移民(SMC)
  3. 投資家ビザ・事業投資家ビザ・親のビザ
  4. ワーキングホリデーから居住ビザを目指す場合
  5. 永住ビザを取った後:市民権と日本国籍
  6. よくある質問
  7. まとめ:認定雇用主の内定と55歳の壁、資産があれば投資家ビザ

結論:現地の雇用が前提の技能移民と、投資家ビザが中心

ニュージーランドの居住ビザにつながる主なルート(2026年10月1日時点、費用は主申請者の政府手数料)
ルート主な条件費用向いている人
技能移民(SMC)55歳以下、認定雇用主の仕事・内定、英語(IELTS 6.5など)、3つのルートのいずれか6,450NZドル(約57.4万円)NZの企業に採用される専門職・技術者
Green List(Straight to Residence/Work to Residence)不足職種で認定雇用主のもとで働く(すぐ申請できる職種と24か月後の職種がある)。55歳以下6,450NZドル(約57.4万円)医療・技術職など対象職種の人
パートナーニュージーランド人・居住者と12か月以上同居5,360NZドル(約47.7万円)パートナーがNZ人・居住者の人
Active Investor Plus5,000,000NZドル(約4.5億円)以上(成長区分)または10,000,000NZドル(約8.9億円)以上(バランス区分)を投資。英語の条件なし27,470NZドル(約245万円)資産のある人
事業投資家就労ビザ → 居住ビザ既存事業に1,000,000NZドル(約8,903万円)以上を投資して経営。55歳以下、英語12,380NZドル(約110万円)事業を買って経営したい人
親退職者居住ビザ1,000,000NZドル(約8,903万円)を4年間投資、別に定住資金と年収の条件12,850NZドル(約114万円)子がNZに住む親

どのルートでも、最初に得るのは渡航条件の付いた居住ビザで、永住ビザ(Permanent Resident Visa)はその後に申請します。各国の永住権の費用を横並びで比べるには世界各国の永住権・長期滞在ビザの費用まとめを、同じく技能移民が中心の国としてオーストラリア移住と永住権の条件とカナダ永住権の条件と費用もあわせてご覧ください。

居住ビザ・永住ビザと技能移民(SMC)

居住ビザと永住ビザの違い

ニュージーランドでは、技能移民などで最初に得るのは居住ビザ(Resident Visa)です。居住ビザでも無期限に住み、働き、学べますが、出入国できる期間(渡航条件)が原則2年に限られます。居住ビザを2年続けて持ち、ニュージーランドとの結びつき(直近2年の各年に184日以上滞在するなど5つの方法のいずれか)を示すと、渡航条件のない永住ビザ(Permanent Resident Visa)を申請できます。永住ビザの申請料は315NZドル(約2.8万円)で、処理は8割が2週間以内です。

居住ビザの段階で国外に出たまま渡航条件の期限を過ぎると、居住ビザも失効します。永住ビザを取らずに、居住者として5年住んで市民権を申請することもできます。

技能移民(SMC)の3つのルートと費用

技能移民(Skilled Migrant Category)は、①55歳以下、②認定雇用主(Accredited Employer)のもとでフルタイムの専門職に就いているか内定がある、③英語、④健康・人物審査が共通の条件です。まず無料の関心表明(EOI)を出し、条件を満たしていれば招待され、4か月以内に申請します。申請料は6,450NZドル(約57.4万円)(申請料2,880NZドル+移民税3,570NZドル)で、処理は8割が4か月以内です。2026年8月24日の改定で、ルートが次の3つになりました。

技能移民(SMC)の3つのルート(INZ、2026年10月1日確認)
ルート主な条件
ポイント制6ポイントが必要。学歴・NZの職業登録・収入のいずれか1つで3〜6点を取り、足りない分はNZでの熟練就労経験(1年で1点、1.5年で2点、2年で3点)で補う
熟練就労経験(Skilled Work Experience)関連する職歴3年以上+NZでの熟練就労2年以上(合計5年)。賃金はSMC基準の1.1倍(時給38.50NZドル)以上。学歴は不要
職人・技術者(Trades and Technician)対象職種で、レベル4以上の資格を取った後の職歴2.5年以上+NZでの熟練就労1.5年以上(合計4年)。賃金はSMC基準以上
ポイント制の主な点数(INZ)
項目点数
学歴(海外で取得)博士6点/修士5点/学士・優等学位・大学院ディプロマ4点
学歴(NZで取得)博士6点/修士(フルタイム30週以上・学士あり)6点/学士・優等学位5点
NZの職業登録登録に必要な訓練・経験の年数に応じて3〜6点(公認会計士・登録配管工など)
収入SMC基準の3倍(時給105NZドル)以上で6点、2倍(70NZドル)以上で4点、1.5倍(52.50NZドル)以上で3点
NZでの熟練就労経験1年1点/1.5年2点/2年3点(最大3点)

SMCの賃金基準は中央賃金と連動しており、2026年3月9日から時給35.00NZドルです。英語は、IELTS(General TrainingまたはAcademic)6.5以上、TOEFL iBT 79以上、PTE Academic 58以上などで、結果は2年以内のものが有効です。日本の大学の学士だけでは4点なので、日本から直接6点に届くのは博士か、NZでの高い収入(時給105NZドル以上)がある場合に限られ、多くの人は、まず就労ビザでNZの認定雇用主に雇われ、収入と現地の就労経験で点数を積むことになります。

このほか、医師・看護師・エンジニアなど不足職種の一覧(Green List)に載る職業は、認定雇用主のもとで働けば、すぐに居住ビザを申請できる職種(Straight to Residence)と、24か月働いた後に申請できる職種(Work to Residence)があります(いずれも55歳以下、申請費用は6,450NZドル(約57.4万円))。ニュージーランド人・居住者のパートナーとして12か月以上同居している人は、パートナーの居住ビザ(5,360NZドル(約47.7万円))を申請できます。

投資家ビザ・事業投資家ビザ・親のビザ

2025年4月1日に改定されたActive Investor Plusは、ニュージーランドへの投資を条件に居住ビザを出す制度です。英語の条件は撤廃され、主申請者の年齢の上限も示されていません。投資の期間を終えると永住ビザを申請できます。

Active Investor Plusの2つの区分(INZ、2026年10月1日確認)
区分投資額投資期間NZでの滞在日数申請費用
成長(Growth)5,000,000NZドル(約4.5億円)以上(NZ企業への直接投資・投資ファンド。寄付は20%まで)3年3年間で21日以上27,470NZドル(約245万円)
バランス(Balanced)10,000,000NZドル(約8.9億円)以上(直接投資・ファンドに加え、上場株式・債券・不動産開発なども対象)5年5年間で105日以上(成長区分の投資を100万NZドル増やすごとに14日減り、最大63日まで)27,470NZドル(約245万円)

2025年11月24日には、ニュージーランドの既存事業に投資して経営する事業投資家就労ビザ(Business Investor Work Visa)が始まりました。1,000,000NZドル(約8,903万円)を投資すれば3年後、2,000,000NZドル(約1.8億円)なら12か月後に居住ビザを申請できます(いずれも事業の運営は合計3年必要)。対象は5年以上営業し、フルタイム換算5人以上を雇う事業で、予備資金50万NZドル、事業経験3年、55歳以下、英語が条件です。申請費用は12,380NZドル(約110万円)で、これに伴い起業家就労ビザ(Entrepreneur Work Visa)は新規受付を終えました。

子がニュージーランドに住んでいる親向けには、親退職者居住ビザ(1,000,000NZドル(約8,903万円)を4年間投資し、別に定住資金50万NZドルと年収6万NZドル以上。申請費用12,850NZドル(約114万円))と、2025年9月29日に始まった親ブースト訪問者ビザ(最長5年滞在できる訪問者ビザで居住権ではない。申請費用3,100NZドル〜)があります。

ワーキングホリデーから居住ビザを目指す場合

日本人はニュージーランドのワーキングホリデーに18〜30歳で、最長12か月(指定業種で3か月働くと3か月延長)参加できます。申請費用は770NZドル(約6.9万円)〜で、4,200NZドルの資金が必要です。ワーホリそのものは居住権につながりませんが、現地の認定雇用主に採用されて就労ビザに切り替え、収入とNZでの熟練就労経験で技能移民の点数を積む入口として使われます。ワーホリは30歳まで、技能移民は55歳以下なので、早めに計画することが大切です。

永住ビザを取った後:市民権と日本国籍

居住ビザ・永住ビザ取得後の主なルール(INZ・NZ内務省・法務省)
項目内容
永住ビザ渡航条件がなく、旅券に有効なビザがあれば出入国自由
市民権居住者として直近5年のうち1,350日以上、各年240日以上の滞在。申請料641NZドル(16歳以上)。永住ビザを先に取る必要はない
二重国籍ニュージーランドは元の国籍の放棄を求めていない
日本国籍自分の意思でNZ国籍を取ると日本国籍を失う(国籍法11条1項)
日本との協定租税条約がある

居住ビザ・永住ビザを取っても日本国籍はそのままです。日本国籍を失うのは、ニュージーランドの市民権(国籍)を自分の意思で取ったときです。日本の国籍の扱いは二重国籍を認めている国一覧で、日本を出国する前後の住民票・税金の手続きは海外移住の税金と住民票で解説しています。申請では、17歳以上の警察証明(日本は犯罪経歴証明書、発行6か月以内)や、両親の氏名が分かる出生の証明(日本では戸籍謄本などと英訳)を求められます(出生証明書の取り方、犯罪経歴証明書の取り方)。

よくある質問

ニュージーランドの居住ビザと永住ビザは何が違いますか?

居住ビザでも無期限に住み、働き、学べますが、出入国できる期間(渡航条件)が原則2年に限られます。居住ビザを2年続けて持ち、直近2年の各年に184日以上滞在するなどの条件を満たすと、渡航条件のない永住ビザを申請できます(申請料315NZドル)。

ニュージーランドの永住権は何歳まで取れますか?

技能移民(SMC)、Green List、事業投資家就労ビザは申請時に55歳以下が条件です。Active Investor Plus(500万NZドル以上の投資)は主申請者の年齢の上限が示されておらず、パートナーとしての居住ビザにも年齢の上限はありません。

日本にいながら技能移民(SMC)を申請できますか?

認定雇用主の仕事か内定が必要なため、まず内定を得る必要があります。また日本の学士は4点なので、6点に届くのは博士か、NZでの高い収入(時給105NZドル以上)がある場合などに限られます。多くの人は、就労ビザでNZで働き、収入と現地の就労経験で点数を積んでから申請します。

お金を払えばニュージーランドの永住権を取れますか?

Active Investor Plus(5,000,000NZドル(約4.5億円)以上の投資)と、事業投資家就労ビザ(1,000,000NZドル(約8,903万円)以上を既存事業に投資して経営)があります。どちらもまず居住ビザを得て、投資・経営の期間を満たしてから永住ビザを申請します。

英語はどのくらい必要ですか?

技能移民(SMC)は、IELTS(General TrainingまたはAcademic)6.5以上、TOEFL iBT 79以上、PTE Academic 58以上などが必要です。Active Investor Plusは2025年4月1日に英語の条件が撤廃されました。

永住ビザを取ったら日本国籍はどうなりますか?

居住ビザ・永住ビザでは日本国籍は失いません。ニュージーランドの市民権(国籍)を自分の意思で取ったときに、日本国籍を失います(国籍法11条1項)。

まとめ:認定雇用主の内定と55歳の壁、資産があれば投資家ビザ

ニュージーランドの永住権は、55歳以下で認定雇用主の内定を得て、技能移民の条件を満たし、居住ビザから2年で永住ビザに切り替えるのが基本です。資産のある人は、英語と年齢の条件がないActive Investor Plusという別の道があります。居住ビザ・永住ビザでは日本国籍は失いませんが、市民権を取れば日本国籍を失う点に注意してください。

当事務所は海外移住・永住権・市民権取得のご相談を承っています。ニュージーランドについては、ご自身とご家族に合うルートの整理と、日本側で用意する書類の準備についてご相談いただけます(ニュージーランドのビザ申請の代理は、登録移民アドバイザーの業務のため行っていません)。申請で求められる戸籍謄本・犯罪経歴証明書などの英訳、アポスティーユ・公証などの認証手続き、海外からの戸籍謄本の取り寄せは当事務所で対応しています。

参考(一次情報・出典)

本記事の条件・費用は2026年10月1日時点の公表情報にもとづきます。円換算は1NZドル=89.03円(三菱UFJリサーチ&コンサルティング 2026年10月1日 公表仲値)。

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