出生証明書のアポスティーユ|戸籍謄本・出生届受理証明書・記載事項証明書の選び方と取り方

海外の役所や大使館から「Birth Certificate(出生証明書)にアポスティーユを付けて出してください」と言われても、日本には欧米のような「出生証明書」という1枚の公的書類がありません。日本で代わりに使うのは、戸籍謄本、出生届受理証明書、出生届の記載事項証明書(届書等情報内容証明書)の3つです。どれも市区町村や法務局が発行する公文書なので、外務省で直接アポスティーユを受けられます。どれを選ぶかは、提出先が「出生の事実」だけを求めているのか、「出生の時刻・場所・医師の証明」まで求めているのかで決まります。本記事では、法務局・市区町村・外務省の公表情報にもとづき、3つの書類の違いと取り方、病院の英文出生証明書の扱い、日本で生まれた外国籍の子の場合、翻訳とアポスティーユの手順を整理します。

※本記事は、法務局「戸籍届書の記載事項証明書の交付請求について」(2024年3月1日更新)、東京都江東区・新宿区・大阪市の証明書の案内、外務省「公印確認・アポスティーユ」各ページ(2026年9月18日更新)などをもとにした2026年10月1日時点の一般的な解説です。提出先が求める書類の種類・記載事項・有効期限・翻訳の要否は国や機関ごとに異なるため、必ず提出先の指示を確認してください。

結論:提出先が求める内容で3つの書類から選ぶ

日本では出生の事実は戸籍に記録され、出生届の書類そのもの(医師・助産師が書く「出生証明書」欄を含む)は役所が保管します。そのため、海外で「出生証明書」を求められたときは、次の書類から提出先の求めに合うものを選びます。

「出生証明書」として使える日本の書類
書類発行元・請求できる人分かること・向いている場面
戸籍謄本(全部事項証明書)本籍地の市区町村(2024年3月からは本籍地以外の窓口でも本人・配偶者・直系親族は請求可)出生日・出生地・父母の氏名・続柄。日本国籍の人の出生証明として最も一般的
出生届受理証明書出生届を出した市区町村。届出人(本人または委任を受けた代理人)出生届が受理された事実。戸籍に記載される前や、戸籍のない外国籍の子の出生証明に使う
出生届の記載事項証明書/届書等情報内容証明書届書を保管する市区町村または法務局。利害関係人で特別な事由がある人のみ出生届の内容そのもの(医師・助産師が書いた出生の時刻・場所・体重などを含む)。提出先が出生届の写しを求める場合
病院(医師)の英文出生証明書出産した病院外務省は市区町村・法務局で発行できる出生の証明は医療機関の証明を対象外としているため、原則は上の公文書を使う(後述)

迷ったときは、まず提出先に「戸籍謄本(Family Register)と英訳で足りるか」を確認するのが近道です。日本国籍の人の出生証明は、多くの国で戸籍謄本が受け付けられています。戸籍のない外国籍の子や、提出先が出生届の内容を指定している場合に、受理証明書や記載事項証明書を使います。

戸籍謄本で足りる場合(日本国籍の人)

戸籍謄本には、本人の出生日・出生地・届出日・届出人・父母の氏名・続柄が記載されています。欧米の出生証明書に載る主な項目をほぼ含むため、日本国籍の人が外国籍の取得、海外のパスポート申請、国際結婚、海外の学校・ビザなどで出生証明を求められた場合は、戸籍謄本と英訳で受け付けられることが多くあります。

外務省で認証を受けられるのは発行日から3か月以内の原本です。2024年3月1日からは、本籍地以外の市区町村の窓口でも、本人・配偶者・父母や子などが戸籍謄本を請求できるようになりました(広域交付。郵送や代理人による請求は対象外)。海外在住で日本に来られない場合は、委任状で国内の家族や当事務所が本籍地に郵送請求できます。詳しくは戸籍謄本のアポスティーユと海外からの戸籍謄本の取り寄せサービスをご覧ください。

海外に住んでいる日本国籍の人は、住所地の日本大使館・総領事館で「出生証明」(出生日や場所を証明する在外公館の証明)を出してもらえる場合があります。外国籍の取得や外国人との婚姻などで現地の機関に出すためのもので、必要書類は基本的に戸籍謄本(できる限り新しいもの)、手数料は1通1,200円相当(現地通貨の現金)です。現地の機関に出すならこの証明で足りることも多いため、提出先が日本のアポスティーユを指定しているかどうかも確認してください。

出生届受理証明書の取り方

出生届受理証明書は、「この出生届を受理しました」という事実を市区町村長が証明する書類です。戸籍への記載が終わる前でも発行でき、戸籍のない外国籍の子の場合は、日本で生まれたことを公的に示す代表的な書類になります。

出生届受理証明書(例:東京都江東区・新宿区、2026年10月時点)
項目内容
請求できる場所出生届を出した市区町村(届出地)だけ。本籍地や住所地ではない
請求できる人届出人(通常は父または母)。代理人は届出人の委任状が必要
手数料1通350円
上質紙の受理証明書1通1,400円。ただし江東区では婚姻・離婚・養子縁組・養子離縁・認知届のみで、出生届は対象外。上質紙の扱いは自治体ごとに確認する
請求時に伝えること届出の対象者の氏名・本籍(外国籍の場合は国籍)、届書の種類、届出日、使う人の氏名・住所
郵送請求多くの自治体で可。請求書・本人確認書類の写し・定額小為替・返信用封筒を同封

受理証明書の記載は、届出の種類・届出日・対象者など簡易な内容です。提出先が「両親の氏名」「出生の時刻・場所」など特定の項目を求めている場合は、受理証明書で足りるか、記載事項証明書が必要かを事前に確認してください。

出生届の記載事項証明書・届書等情報内容証明書の取り方

出生届の記載事項証明書は、提出された出生届の内容(医師・助産師が記入する出生証明書の欄を含む)を証明する書類です。出生の時刻・場所・体重・医師名まで分かるため、海外で「出生届の写し」や「医師の証明のある出生証明」を求められたときに使います。2024年3月1日の戸籍法改正で届書が電子化されたため、届出の時期によって請求先と証明書の名前が変わります。

出生届の内容を証明する書類(届出の時期で請求先が変わる)
届出の時期証明書の名前請求先
2024年2月29日までに届け出たもの届書記載事項証明書本籍地の市区町村を管轄する法務局(届出後おおむね1か月は本籍地の市区町村)。法務局では一定期間保存(大阪法務局は27年)。請求前に必ず電話で確認
2024年3月1日以降に届け出たもの届書等情報内容証明書(電子化された届書のデータから作る証明書)届出をした市区町村または本籍地の市区町村
同上(紙の届書が必要な場合)届書記載事項証明書届出を受理した市区町村(紙の届書の保管期間中のみ。大阪市は5年)
外国籍の人だけの届書届書記載事項証明書届出をした市区町村

届書は秘密性の高い情報を含むため原則非公開で、請求できるのは届出事件の本人・届出人・親族などの利害関係人で、かつ特別な事由がある場合に限られます。法務局は特別な事由の例として遺族年金の請求や裁判所への提出などを挙げており、請求の際は「使いみち」と「提出先」を具体的に示す必要があります。海外の官公署への提出が特別な事由に当たるかは、市区町村・法務局が個別に判断するため、提出先の指示書面(必要書類の一覧など)を用意して事前に相談してください。手数料は1通350円(新宿区・江東区・大阪市)です。

病院が発行する英文の出生証明書は使えるか

出産した病院の中には、英文の出生証明書(Birth Certificate)を有料で発行してくれるところがあります。ただし外務省は、医療機関が発行する書類のうち「出生、死亡など市区町村役場、法務局で発行可能な証明書」は直接の証明の対象外としています。そのため、病院の英文出生証明書をそのまま外務省に出してもアポスティーユは付きません。

基本は、市区町村の受理証明書や記載事項証明書など公文書を使ってください。提出先がどうしても病院の証明書を指定している場合は、医師の署名を公証役場で認証する私文書のルート(公証役場 → 法務局 → 外務省)で認証できることがあります。当事務所ではこの場合もご相談に応じます(在職証明書など私文書のアポスティーユ)。

日本で生まれた外国籍の子の出生証明

両親とも外国籍の子が日本で生まれた場合、出生届は日本の市区町村に出しますが、日本の戸籍はつくられません。そのため、本国の大使館・領事館や本国の役所に出生を登録するときは、出生届受理証明書や出生届の記載事項証明書が出生証明書の役割を果たします。住所の証明として住民票の写しを併せて求められることもあります。

本国の役所に出す場合は、本国がハーグ条約の締約国ならアポスティーユ、締約国でなければ外務省の公印確認と駐日大使館の領事認証が必要です。在日の大使館に出生を届け出るだけなら認証が不要な場合もあるため、まず大使館の案内を確認してください。訳文を本国の言語で求められる場合、当事務所の翻訳は英語・中国語に対応しています。

アポスティーユ・翻訳の手順

戸籍謄本・受理証明書・記載事項証明書はいずれも公文書なので、訳文を付けなければ外務省で直接アポスティーユ(非締約国向けは公印確認)を受けられます。手数料は無料で、郵送の場合は受領から原則3開庁日後に発送されます。外務省の要件は、発行日から3か月以内、発行機関名の記載、公印の3点です。

出生証明の書類の認証ルート
提出先・条件手続き
締約国向け・訳文なし市区町村・法務局で原本を取得 → 外務省でアポスティーユ
締約国向け・訳文あり原本+訳文を翻訳者の宣言書にまとめ、公証役場で認証 → 法務局長の公証人押印証明 → 外務省のアポスティーユ(東京都など8地域の公証役場はワンストップで一度に取得)
非締約国向け外務省の公印確認 → 駐日大使館・領事館の領事認証

公文書に訳文を添付すると私文書の扱いになり、そのまま外務省に出してもアポスティーユは付きません。訳文が必要な場合は、翻訳者の宣言書で公証役場を通します(公証人の手数料は外国語の宣言書で12,500円)。提出先が「現地の公認翻訳者の訳」を指定していることもあるため、翻訳を頼む前に確認してください。提出先が締約国かどうかはハーグ条約加盟国一覧で確認できます。

東京の外務本省の窓口申請は、2026年10月5日からオンライン予約が必要になりました(郵送申請・大阪分室は予約不要)。外務省は海外からの郵送申請を受け付けないため、海外在住の人は日本国内の代理人を通して申請します。

当事務所の代行:書類の取得から翻訳・アポスティーユ・海外発送まで

当事務所(東京・麻布十番のロイヤルパートナーズ行政書士事務所)では、出生証明に使う書類のアポスティーユ・領事認証を、全国・海外からお受けしています。戸籍謄本と同じく、出生届受理証明書・出生届の記載事項証明書も、委任状をいただければ当事務所が市区町村へ郵送請求して取得します(記載事項証明書は、特別な事由が認められる場合に限ります)。

料金(1件あたり)
サービス料金
アポスティーユ取得代行16,000円+税(税込17,600円)
領事認証取得代行(公印確認+駐日大使館)26,000円+税(税込28,600円)
書類が2通以上の場合の加算2通目以降1通につき3,000円+税(税込3,300円)
戸籍謄本・受理証明書などの郵送取得代行(委任状が必要)15,000円+税(税込16,500円)+市区町村の手数料・定額小為替の発行手数料・往復送料の実費
翻訳(英語・中国語)A4サイズ1枚あたり3,500円+税(税込3,850円)〜
公証人の認証(訳文を付ける場合)公証役場の手数料実費(外国語の宣言書12,500円)
PDFデータ化(スキャンデータのメール送付)900円+税(税込990円)
国内返送(レターパックライト)450円
海外発送(DHL、FedEx、EMS)3,000円+税+送料実費

納期の目安は、ご入金と原本が当事務所にそろった日(書類を取得代行する場合は届いた日)から、訳文なしのアポスティーユで平日5〜6営業日以内の発送、訳文ありは翻訳3営業日程度(枚数によります)+公証役場でのアポスティーユ3営業日で合計平日5〜6営業日程度の発送です。病院の英文出生証明書を私文書として認証する場合は、内容を確認のうえお見積りします。詳しくはご利用料金をご覧ください。

提出先の国と機関、求められている書類の名前(Birth Certificate など)、訳文の要否をお知らせいただければ、どの書類が合うかと総額・納期をお見積りします。

よくある質問

日本で「Birth Certificate」はどこで取れますか?

日本には欧米のような出生証明書という1枚の公的書類はありません。日本国籍の人は戸籍謄本が出生証明として一般的に使われ、戸籍のない外国籍の子や出生届の内容が必要な場合は、市区町村の出生届受理証明書や出生届の記載事項証明書(届書等情報内容証明書)を使います。

戸籍謄本と出生届受理証明書のどちらを出せばよいですか?

提出先の指示が最優先です。指示がなければ、日本国籍の人は戸籍謄本(父母の氏名・出生地まで分かる)が使いやすく、戸籍のない外国籍の子は受理証明書を使います。出生の時刻や医師の証明まで求められた場合は、出生届の記載事項証明書が必要です。

出生届の記載事項証明書は誰でも取れますか?

取れません。請求できるのは届出事件の本人・届出人・親族などの利害関係人で、かつ法令で認められた特別な事由がある場合に限られます。海外の官公署への提出が認められるかは役所の判断になるため、提出先の指示書面を用意して事前に相談してください。

病院でもらった英文の出生証明書にアポスティーユは付きますか?

外務省は、市区町村や法務局で発行できる出生の証明について、医療機関が発行したものは直接の証明の対象外としています。原則は受理証明書や記載事項証明書を使ってください。提出先が病院の証明書を指定している場合は、公証役場を通す私文書のルートで認証できることがあるので、ご相談ください。

発行から時間がたった受理証明書は使えますか?

外務省は発行日から3か月を過ぎた公文書を原則受け付けません。受理証明書は届出地で何度でも請求できるため、取り直してください。

海外に住んでいますが、日本の出生届の書類を取ってもらえますか?

はい。戸籍謄本・出生届受理証明書・出生届の記載事項証明書は、委任状をいただければ当事務所が市区町村へ郵送請求して取得し、アポスティーユまで取ってDHL・FedEx・EMSで海外へ発送します。記載事項証明書は、特別な事由が認められる場合に限ります。

英訳も頼めますか?

英語・中国語の翻訳に対応しています。訳文は翻訳者の宣言書にまとめて公証役場で認証し、アポスティーユまで取ります。提出先が現地の公認翻訳者の訳を指定している場合は、原本のアポスティーユのみをお受けします。

まとめと依頼方法

  • 日本には「出生証明書」という1枚の公的書類はない。戸籍謄本・出生届受理証明書・出生届の記載事項証明書(届書等情報内容証明書)から、提出先の求めに合うものを選ぶ
  • 日本国籍の人は戸籍謄本が一般的。戸籍のない外国籍の子は受理証明書、出生の時刻や医師の証明まで必要なら記載事項証明書
  • 受理証明書は届出地で届出人(または代理人)が請求。記載事項証明書は利害関係人で特別な事由がある場合のみ。2024年3月以降の届出は届書等情報内容証明書になる
  • いずれも公文書なので、訳文なしなら外務省で直接アポスティーユ(発行3か月以内の原本)。訳文を付けるなら翻訳者の宣言書で公証役場を通す
  • 病院の英文出生証明書は外務省で直接認証できない。提出先が指定している場合は私文書のルートで相談

提出先の国と用途、求められている書類の名前、訳文の要否をお知らせいただければ、必要な書類と総額、納期をお見積りします。

参考(一次情報・出典)

本記事の手数料・手続きは2026年10月1日時点の公表情報にもとづきます。市区町村の手数料・請求方法は自治体ごとに異なります。

おすすめの記事