
海外のビザ申請、配偶者の国での婚姻の登録、外国での相続や保険の手続きなどで、日本で出した婚姻届・離婚届・死亡届の証明を求められることがあります。日本では、届出が受理された事実は市区町村長の「受理証明書」で、届書に書かれた内容は「記載事項証明書(届書等情報内容証明書)」で証明します。日本国籍の人なら戸籍謄本でも足りることが多い一方、外国籍の人どうしの婚姻や外国籍の人の死亡は戸籍に載らないため、受理証明書が中心になります。どれも市区町村や法務局が発行する公文書なので、原則として外務省で直接アポスティーユを受けられます。英語の受理証明書は確認できなかったため、英訳を付けて出すのが基本です。このページでは、書類の選び方、取り方、英訳とアポスティーユの手順を整理します。
※本ページは、外務省「申請手続きガイド」「よくある質問」、法務局(佐賀・盛岡・宮崎)の届書記載事項証明書の案内、横浜市・江東区・目黒区・新宿区・中央区・千葉市などの受理証明書・記載事項証明書の案内をもとに、2026年10月20日時点で作成しています。請求できる人や上質紙の受理証明書の扱いは市区町村ごとに違うため、請求する前に届出先の市区町村に確認してください。出生届の証明書は出生証明書のアポスティーユで解説しています。
結論:提出先が求める内容で3つの書類から選ぶ
| 書類 | 証明すること | 請求先 | 請求できる人 |
|---|---|---|---|
| 戸籍謄本(全部事項証明書) | 婚姻・離婚・死亡が戸籍に記載されたこと | 本籍地の市区町村(本人・配偶者・直系の親族が自分で窓口に行く場合は、ほかの市区町村でも可。郵送・代理は不可) | 本人・配偶者・直系親族など |
| 受理証明書 | 届出が受理されたこと(届出日・届出の種類・当事者) | 届出をした市区町村だけ | 届出人(委任状があれば代理人も) |
| 記載事項証明書/届書等情報内容証明書 | 届書に書かれた内容そのもの | 届出の時期で市区町村か法務局 | 利害関係人で、特別な事由がある人だけ |
外務省のよくある質問は、日本での離婚を証明する書類として、戸籍謄本・離婚届記載事項証明書・離婚届受理証明書の3つを挙げています。日本国籍の人は戸籍謄本、外国籍の人どうしの婚姻や外国籍の人の死亡は受理証明書、届書の内容(証人の署名や死亡の原因など)まで求められたら記載事項証明書、と考えると選びやすくなります。
受理証明書の取り方
受理証明書は、「この届書を受理しました」という事実を市区町村長が証明する書類です。戸籍への記載が終わる前でも出してもらえ、戸籍のない外国籍の人の届出でも発行されます。
| 項目 | 内容(横浜市・江東区・目黒区・鹿児島市の案内による) |
|---|---|
| 請求できる場所 | 届出をした市区町村だけ(それ以外の市区町村では取れない) |
| 請求できる人 | 届出人(自治体によっては「届出の本人」)。代理人は委任状が必要 |
| 手数料 | 1通350円 |
| 請求の方法 | 窓口のほか、郵送で受け付ける自治体もある |
婚姻届は夫婦が、離婚届(協議離婚)は夫婦がそれぞれ届出人になります。死亡届は親族や同居人などが届出人になるため、死亡届の受理証明書を取れるのは原則としてその届出人です。届出人以外の親族が取れるかは、届出先の市区町村に確認してください。
上質紙(賞状型)の受理証明書
婚姻・離婚・養子縁組・養子離縁・認知の5つの届出は、賞状のような上質紙の受理証明書も選べます(1通1,400円)。横浜市はB4判、江東区は「特別受理証明書」の名前で、できあがりまで約3週間かかります。新宿区には婚姻届専用のデザインの受理証明書(1,400円。新宿区に届け出た届出人のみ、本庁舎の戸籍係で原則当日交付)もあります。死亡届は上質紙の対象外です。
上質紙の受理証明書は記念用の色合いが強いため、海外の手続きに出すなら、通常の受理証明書(350円)で足りるかを提出先に確認するのが安全です。上質紙の受理証明書にアポスティーユを付けたい場合は、事前に外務省に確認してください。
英語の受理証明書はあるか
確認した市区町村(横浜市・江東区・目黒区・新宿区・中央区・鹿児島市)で、英語の受理証明書を発行するという案内はありませんでした。中央区は受理証明書を「Certificate of Acceptance」と英語の名称で紹介していますが、英語版を発行するとの記載はありません。英語で出す場合は、日本語の受理証明書に英訳を付けます(後述)。
記載事項証明書(届書等情報内容証明書)の取り方
記載事項証明書は、届書に書かれた内容をそのまま証明する書類です。婚姻届なら証人の氏名や署名まで分かります。死亡届は死亡診断書と1枚の用紙なので、その欄(死亡の日時・場所・原因など)も含まれるのが一般的です(取得前に届出先で確認してください)。
請求できるのは「利害関係人で、特別な事由がある人」だけ
届書は秘密性の高い情報を含むため原則として公開されず、請求できるのは届出事件の本人・届出人・本人の親族などの利害関係人で、かつ特別な事由がある場合に限られます(戸籍法48条2項など)。法務局は特別な事由の例として、遺族年金の請求や、婚姻・離婚の無効を求める裁判などを挙げています。千葉市は、民間の保険会社での手続きなどの理由では発行しないと明記しています。
海外の役所への提出が特別な事由にあたるかを定めた案内は見当たらず、市区町村・法務局が個別に判断します。提出先の指示書面(必要書類の一覧など)を用意して、事前に相談してください。
届出の時期で請求先が変わる
2024年3月1日の戸籍法改正で届書が電子化されたため、届出の時期によって請求先と証明書の名前が変わります。
| 届出の時期 | 証明書の名前 | 請求先 |
|---|---|---|
| 2024年2月29日までに受理された日本人の届出 | 届書記載事項証明書 | 本籍地を管轄する法務局(手数料なし)。保管場所によっては届出地・本籍地の市区町村(350円)になるため、事前に問い合わせる |
| 2024年3月1日以降の日本人の届出 | 届書等情報内容証明書(電子化された届書のデータから作る) | 届出をした市区町村か本籍地の市区町村(1通350円) |
| 2024年3月1日以降で、届書が紙で保管されている場合 | 届書記載事項証明書 | 届出をした市区町村(保存期間は5年) |
| 外国籍の人だけの届出 | 届書記載事項証明書 | 届出をした市区町村 |
法務局での保存期間には限りがあるため、古い届出は請求前に電話で確認してください。
届出の種類ごとの注意点
婚姻:外国籍の人どうしなら受理証明書が中心
日本人と外国籍の人が結婚した場合、日本人の戸籍に婚姻の事実が記載されるため、日本人の側は戸籍謄本で証明できます。外国籍の人の戸籍は作られないため、外国籍の配偶者の本国に婚姻を届け出るときは、受理証明書や記載事項証明書を使うことが多くあります(必要書類は相手国の在日大使館・領事館の指示に従ってください)。中央区は、市区町村から相手国に婚姻を通知する仕組みはないため、本国への届出は自分で行う必要があると案内しています。
外国籍の人どうしが日本で結婚した場合は戸籍に載らないため、受理証明書が婚姻の主な証明になります。
結婚の前に相手国から求められる「婚姻要件具備証明書(独身証明書)」は別の書類です。詳しくは婚姻要件具備証明書のアポスティーユをご覧ください。
離婚:協議離婚と裁判の離婚で書類が違う
| 離婚の方法 | 使う書類 |
|---|---|
| 協議離婚(離婚届を出す) | 戸籍謄本、離婚届受理証明書、離婚届記載事項証明書 |
| 調停離婚・審判離婚・裁判離婚 | 上の書類に加え、提出先によっては調停調書の謄本、審判書・判決書の謄本と確定証明書 |
調停・審判・判決による離婚も、申立人が成立・確定から10日以内に、調停調書の謄本や審判書・判決書の謄本と確定証明書を添えて離婚届を出します。受理証明書を請求できるのはその届出人なので、相手方は戸籍謄本か記載事項証明書を検討します。裁判所の書類にアポスティーユを付けられるかは、外務省の案内に明記がないため、事前に外務省に確認してください。
外国籍の配偶者の本国で離婚を認めてもらう手続きは、国ごとに大きく違います。たとえばフィリピンでは、外国での離婚をフィリピンの地方裁判所で認めてもらう司法承認の手続きが必要で、在東京フィリピン大使館は、日本で取った書類には外務省のアポスティーユが必要と案内しています。必要な書類は現地の弁護士や提出先の指示に合わせてください。
死亡:海外の手続きでは戸籍謄本か受理証明書
日本で亡くなった人の死亡届は、死亡の事実を知った日から7日以内に出します。日本国籍の人なら、死亡の記載された戸籍謄本(除籍謄本)が一般的な証明になります。外国籍の人が日本で亡くなった場合は戸籍に載らないため、死亡届の受理証明書か記載事項証明書を使います。
病院が書く死亡診断書は、外務省で直接アポスティーユを受けられません。外務省は、医療機関の書類のうち「出生、死亡など市区町村役場、法務局で発行可能な証明書」は対象外としており、国公立病院の書類でも同じです。死亡の原因まで証明する必要がある場合は、死亡届の記載事項証明書を請求できないか、市区町村に相談してください。
英訳とアポスティーユ
日本語の原本だけなら外務省で直接
受理証明書・記載事項証明書・戸籍謄本は、市区町村や法務局が発行する公文書です。外務省がアポスティーユを付けられるのは、発行日・発行機関名・公印がそろった原本で、発行から3か月以内のものが原則です。コピーには付けられません。ハーグ条約に入っていない国に出す場合は、アポスティーユではなく外務省の公印確認と、その国の大使館・領事館の領事認証が必要です(公印確認・領事認証とアポスティーユの違い)。
英訳を付けるときは公証役場から
提出先が英訳と一体で認証を求める場合は、原本・英訳・翻訳者の宣言書を綴じて公証役場で認証を受け、法務局の押印証明、外務省のアポスティーユへと進みます。北海道(札幌法務局管区内)・宮城・東京・神奈川・静岡・愛知・大阪・福岡の公証役場では、これを一度に受けられます(ワンストップサービス)。原本にアポスティーユを付け、英訳は別に付けるだけでよいかは、提出先によって違います。詳しくは翻訳を付けた書類のアポスティーユをご覧ください。
英訳で気をつけること
- 書類の名前:婚姻届受理証明書は「Certificate of Acceptance of Notification of Marriage」などと訳します。ほかの書類名は海外提出書類の日本語・英語名称辞典をご覧ください
- 氏名:パスポートの表記に合わせます。外国籍の人の氏名がカタカナで書かれている場合は、パスポートのアルファベット表記に戻します
- 日付:和暦は西暦に直します(令和8年=2026年)
- 市区町村長の職名と公印:市長は「Mayor of ○○ City」などと訳し(東京23区の区長は各区の公式の英語表記に合わせる)、公印の位置に「[Official Seal]」と書きます
よくある質問
婚姻届受理証明書の英語版はありますか?
確認した市区町村では、英語版の発行はありませんでした。日本語の受理証明書に英訳を付けて出してください。
受理証明書は、届出をした市区町村以外でも取れますか?
取れません。届出をした市区町村でだけ請求できます。郵送で受け付けている市区町村もあるため、遠方の場合は届出先に確認してください。
戸籍謄本と受理証明書は、どちらを出せばいいですか?
日本国籍の人で、戸籍への記載が終わっていれば、戸籍謄本で足りることが多くあります。戸籍への記載前に急いで証明したい場合や、外国籍の人どうしの届出の場合は、受理証明書を使います。提出先が書類を指定している場合は、その指示に従ってください。
上質紙の受理証明書にもアポスティーユは付けられますか?
外務省の案内に明記がないため、事前に外務省に確認してください。海外の手続きなら、通常の受理証明書(350円)で足りることが多いため、提出先にも確認してください。
当事務所のサービス
当事務所(特定行政書士 佐藤大河)は、婚姻届・離婚届・死亡届の受理証明書、記載事項証明書、戸籍謄本について、英訳、宣言書の作成、公証役場での認証、外務省のアポスティーユ、海外への発送までをお引き受けします。受理証明書や戸籍謄本を委任状で取り寄せる手続きもご相談ください。
| サービス | 料金 |
|---|---|
| アポスティーユ取得代行(公文書のみ/私文書を含む) | 17,600円(税込) |
| 書類が2通以上の場合の加算 | 2通目以降1通につき3,300円(税込) |
| 翻訳(英語) | A4サイズ1枚あたり3,850円(税込)〜 |
| 国内返送(レターパックライト) | 450円 |
| 海外発送(DHL・FedEx・EMS) | 3,300円(税込)+送料実費 |
日数の目安は、書類がそろってから、公文書のみで5〜6営業日程度、翻訳を付ける場合も5〜6営業日程度です。公証人の手数料(英文の宣言書の認証は1件12,500円)・証明書の手数料・送料などの実費は別にかかります。外務省と法務局の手数料はかかりません。当事務所は日本国内での認証の取得を代行するもので、提出先で書類が受け付けられることを保証するものではありません。
戸籍の取り寄せは戸籍謄本のアポスティーユ、全体の流れはアポスティーユとは、料金はご利用料金をご覧ください。
無料見積り・相談フォーム/お電話:03-6303-1664(平日9:00〜20:00〈日本時間〉/土日祝は事前予約制)


