秘密保持契約書(NDA)の英語|英文名称・条項の日英対訳と翻訳の注意点

最終更新日: 運営:ロイヤルパートナーズ行政書士事務所(特定行政書士 佐藤大河)

秘密保持契約書は、英語で Non-Disclosure Agreement(略して NDA)または Confidentiality Agreement といいます。情報を開示する側は Disclosing Party、受け取る側は Receiving Party、秘密情報は Confidential Information と書くのが一般的です。

この記事では、秘密保持契約書でよく使う英語の用語と、主な条項の日英対訳の例、英文の秘密保持契約書を翻訳するときの注意点をまとめます。

秘密保持契約書の英語名と略称

日本語英語補足
秘密保持契約書Non-Disclosure Agreement(NDA)最もよく使われる呼び方
秘密保持契約書Confidentiality Agreement(CA)NDAと同じ目的の契約。呼び方の違い
双方向の秘密保持契約Mutual NDA両方の当事者が情報を開示し合う場合
一方向の秘密保持契約Unilateral NDA/One-way NDA一方の当事者だけが情報を開示する場合

表題は原文の契約書に書かれているものに合わせて訳します。日本語の「秘密保持契約書」「機密保持契約書」「守秘義務契約書」は、いずれも Non-Disclosure Agreement または Confidentiality Agreement と訳されることが多い書類です。

秘密保持契約書でよく使う用語(日本語・英語・中国語)

日本語英語中国語(簡体字)
秘密保持契約書Non-Disclosure Agreement保密协议
開示者Disclosing Party披露方
受領者Receiving Party接收方
秘密情報Confidential Information保密信息
本目的the Purpose本目的
有効期間Term有效期
返還・廃棄Return or Destruction返还或销毁
差止めInjunctive Relief禁令救济
準拠法Governing Law适用法律
合意管轄Jurisdiction协议管辖

主な条項の日英対訳の例

一般的な秘密保持契約書の条項を、日本語と英語で並べた例です。実際の契約書は取引の内容に合わせて条件が変わるため、そのまま使うのではなく、訳語や言い回しの参考にしてください。

日本語英語
(目的)本契約は、甲乙間における〇〇に関する検討(以下「本目的」という。)のために開示される秘密情報の取扱いについて定める。(Purpose) This Agreement sets forth the terms under which Confidential Information disclosed for the purpose of evaluating [___] (the "Purpose") shall be handled.
(秘密情報の定義)本契約において秘密情報とは、開示者が受領者に対し、書面、口頭その他の方法により開示した技術上又は営業上の情報であって、開示の際に秘密である旨を明示したものをいう。(Definition) In this Agreement, "Confidential Information" means any technical or business information disclosed by the Disclosing Party to the Receiving Party in writing, orally or by any other means, which is designated as confidential at the time of disclosure.
(例外)次のいずれかに該当する情報は、秘密情報に含まれない。(1) 開示の時点で既に公知であった情報 (2) 開示後に受領者の責めによらず公知となった情報 (3) 開示の時点で受領者が既に保有していた情報 (4) 正当な権限を有する第三者から秘密保持義務を負うことなく取得した情報(Exceptions) Confidential Information shall not include any information that: (a) was publicly available at the time of disclosure; (b) becomes publicly available after disclosure through no fault of the Receiving Party; (c) was already in the possession of the Receiving Party at the time of disclosure; or (d) is lawfully obtained from a third party who is not under any obligation of confidentiality.
(秘密保持義務)受領者は、秘密情報を秘密として保持し、開示者の事前の書面による承諾なく、第三者に開示してはならない。(Confidentiality) The Receiving Party shall keep the Confidential Information in confidence and shall not disclose it to any third party without the prior written consent of the Disclosing Party.
(目的外使用の禁止)受領者は、秘密情報を本目的以外に使用してはならない。(Restriction on Use) The Receiving Party shall not use the Confidential Information for any purpose other than the Purpose.
(返還・廃棄)受領者は、開示者の求めに応じ、秘密情報を速やかに返還又は廃棄する。(Return or Destruction) Upon the request of the Disclosing Party, the Receiving Party shall promptly return or destroy the Confidential Information.
(有効期間)本契約の有効期間は、本契約締結日から〇年間とする。ただし、秘密保持義務は、本契約の終了後も〇年間存続する。(Term) This Agreement shall remain in effect for [__] years from the date hereof; provided, however, that the obligations of confidentiality shall survive for [__] years after the expiration or termination of this Agreement.
(準拠法・合意管轄)本契約は日本法に準拠する。本契約に関する一切の紛争については、東京地方裁判所を第一審の専属的合意管轄裁判所とする。(Governing Law and Jurisdiction) This Agreement shall be governed by the laws of Japan. The Tokyo District Court shall have exclusive jurisdiction in the first instance over any dispute arising out of or in connection with this Agreement.

英文の秘密保持契約書を翻訳するときの注意点

開示するのは片方か両方かを確認する

一方だけが情報を開示する契約(Unilateral NDA)と、両方が開示し合う契約(Mutual NDA)では、義務を負う当事者が変わります。日本語の「甲」「乙」を英語でどう呼ぶか(Disclosing Party/Receiving Party、会社名の略称など)も、この違いに合わせて決めます。

定義語は最初から最後まで同じ英語にする

Confidential Information や the Purpose のように、定義条項で決めた語は頭文字を大文字にして、契約書全体で同じ形で使います。途中で information や purpose と書くと、定義した語を指しているのかどうかが曖昧になります。

shall と may を訳し分ける

英文契約書では、義務は shall、権利や許可は may で書くのが一般的です。「〜しなければならない」「〜してはならない」「〜することができる」の違いが訳文で入れ替わらないように確認します。

どちらの言語の版を優先するかを決める

日本語版と英語版の両方に署名する場合は、食い違いがあったときにどちらを優先するかを契約書の中で定めておくのが一般的です。詳しくは契約書を翻訳するときの注意点で説明しています。

英文のひな形を使うときに確認すること

インターネットで手に入る英文の秘密保持契約書のひな形は、外国の法律を前提に書かれているものが少なくありません。日本の会社が使う場合は、少なくとも次の点を確認します。

  • 準拠法と管轄裁判所が、どの国・どの裁判所になっているか
  • 秘密情報の範囲が、取引で実際にやり取りする情報に合っているか(口頭で伝えた情報を含めるかどうかなど)
  • 秘密保持義務が契約終了後に何年続くか
  • 日本語版も作る場合に、日本語版と英語版のどちらを優先するか

条件の有利不利の判断や相手方との交渉が必要な場合は、弁護士にご相談ください。当事務所では、確定した契約書の翻訳を承っています。

よくあるご質問

秘密保持契約書を英語で何といいますか?

Non-Disclosure Agreement(NDA)または Confidentiality Agreement といいます。どちらも同じ目的の契約で、呼び方の違いです。

NDAとCAの違いは何ですか?

NDA は Non-Disclosure Agreement、CA は Confidentiality Agreement の略で、どちらも秘密保持契約を指します。契約の中身は表題ではなく条項で決まります。

「甲」「乙」は英語でどう書きますか?

Party A/Party B と訳すこともありますが、英文契約書では会社名の略称(例:"ABC")や、Disclosing Party/Receiving Party のように役割で呼ぶことが多いです。契約書の冒頭で定義した呼び方を最後まで使います。

秘密保持契約書だけの翻訳も依頼できますか?

当事務所の翻訳サービスは10ページ以上のご依頼を承っています。秘密保持契約書は数ページのことが多いため、本契約や関連資料とあわせて10ページ以上になる場合にご相談ください。

秘密保持契約書・業務委託契約書・売買契約書など、契約書の翻訳は原稿を送るだけで無料でお見積りします(10ページから)。

原稿を送って無料見積り

契約書翻訳の料金・納期を見る →