
財産税・預金封鎖への対策として、高級腕時計が適していない理由
腕時計という形だと手首につければ持ち運びがしやすいですし、人気の希少モデルは買った値段よりも高く売れて売却益が出せるなど嬉しい側面もありますが、以下の理由から資産保全の方法としてはリスクがあります。
※もちろん雲上の高級腕時計を買えること自体は、適法な手段によるものであればすばらしいことだと思います。
1. 偽物をつかまされるリスク
本当に高い雲上の高級腕時計は、1本数千万円から数億円するので、特に中古市場だと偽造のリスクがあります。
腕時計の外装は本物でも、中のムーブメントだけが偽物、ということもあります。
さすがに自分自身が、時計のプロでない限りは、中のムーブメントまで含めて、本物かどうか?の見極めは難しいのではないでしょうか。
実際にロレックスの買取・販売をしている買い取り屋さんも、偽物であることを見抜けずに買い取りしてしまうケースがあると言います。
ロレックスは流通量も多いはずなので、買い取り屋さんもたくさんの腕時計を手に取っているはずですがそれでも見逃してしまうケースがあるとのこと。
かなり巧妙に作りこまれており、重さや見た目も含めて違和感がないレベルの偽物も多く流通しているので、中古市場で高級腕時計を買って資産保全をする というのは偽物を購入してしまうリスクがあります。
たしかに貴金属(金・銀・宝石)であっても、偽物をつかむリスクはありますが、これらは腕時計ほど、部品やパーツが多くはないので、本物かどうかを確かめる労力も少なくて済みます。
腕時計は、一部の部品だけが偽物というケースもあります。
2. 正規店ではなかなかすぐには買えない
高級腕時計は世界中で人気なので、リセールの高い人気モデルは特にすぐには買うことができません。
転売ヤーではないという、正規店との信頼関係ができあがっていれば、いつでもある程度買いたいモデルを販売してくれることもありますが、それでも自分が欲しいと思ったモデルの在庫があってすぐに買わせてもらえるとは限りません。
3. 防犯上のリスク
高級腕時計をつけて街を歩いていると、強盗に遭ってしまうリスクもあります。
腕ごとナタで切り落とされて強盗にあったというショッキングなニュースは有名ですね。
さすがにそのようなケースはまれかと思いますが、盗まれたというニュースはよくありますね。
また、傷が多くついてしまうとリセールが多少下がってしまうという心配もあります。
無頓着な性格の人なら、雲上の高級腕時計を傷だらけにしても気にしないのかもしれませんが、そこまでの資産を築いた方であれば、リセールもきちんと考えるのが多数派ではないでしょうか。
4. メンテナンスが必要
機械式の腕時計だと、5~10年ごとにオーバーホールが必要と言われています。
最近の腕時計は性能が上がっているとは言いますが、それでも長年放置しておくと、中の部品が劣化してしまうでしょう。
腕時計は、湿度や温度によっても品質が劣化してしまうので、所有している間、ある程度はメンテナンスに気をつける必要があります。
逆に何が資産保全に適しているか?
・本物であることが確認できること
・買いたいときにある程度すぐに買えること
・売却するときに価値が上がりやすい資産
(売却益が大きくなると日本では高額の課税(所得税)がされる可能性があります)
最後に
雲上の高級腕時計が、財産税・預金封鎖対策としては最善ではない理由を書きましたが、あくまで資産保全の手段として考えたときの話です。
高級腕時計は所有の喜びもありますし、誰でも入手できない希少モデルもあります。
※高級腕時計オーナーの方で、気を悪くされた方がいましたらすみません。
本当の腕時計愛好家は資産価値を気にしないという考えもありますね。
金融資産としてではない腕時計の魅力もあると思いますし、個人の価値観にもよってくる話でもあると思います。
