金の現物の利益確定について【税金、所得税、売却益、200万円超え支払調書】

金売却の200万円ルールとは?

金(gold)を所有している人なら一度は聞いたことがあると思います。

「200万円を超える場合は、支払調書の提出が必要、、」という規制。

これは金売却による利益が200万円を超える場合は、金の買取業者が税務署へ支払調書を提出しなくてはいけないというルールです。

支払調書が提出されることで住所・氏名などが税務署へ届出されます。

※金の売却益が200万円以下であっても確定申告は必要。

金を売却すると総合課税で所得税がかかる

2025年7月現在、金の現物の小売価格は、1kgあたり約1,740万円です。

2020年12月頃の小売価格は、1kg約700万円でしたので、小売価格で考えると1kgあたり1,000万円以上も値上がりしている状況です。※約2.42倍

※ちなみに金のスポット価格と小売価格は別なので、小売価格だけ見ていい訳ではありませんが
 →自分が買った金が、現在の小売価格で売れる訳ではないため

金地金を売却して利益確定すると高額の所得税が発生する可能性も

たとえば2kgの金の現物を合計1400万円で購入して持っていたとしましょう。

仮にこの2kgの金の現物が、3400万円で売却できた場合、約2000万円弱の譲渡所得が発生します。
※正確には以下の計算式で課税所得が計算されるので、2000万円が課税所得という訳ではありません。

金の譲渡所得は、事業所得や給与所得などと合算されます。

所得税は年間900万円を越えた部分には、33%かかります。※プラス住民税10%も発生するので、合計43%

年間の課税所得が1800万円を越えた部分には、40%の所得税と10%の住民税で合計50%の課税がされてしまいます。

以下は金を購入してから、5年以内(短期譲渡所得)と5年超え(長期譲渡所得)で売却した場合の課税所得の計算式です。

短期譲渡所得

 金やその他資産の売却金額 - (金やその他資産の購入費用 + 売却にかかった費用) - 特別控除50万円

長期譲渡所得

(売却金額 - (購入費用 + 売却費用) - 特別控除50万円)÷ 2

金の売却に関する所得

金を売却した所得は、目的などによって以下の所得に該当する可能性があります。
・譲渡所得
・雑所得
・事業所得

金も銀も、売却益50万円未満なら課税所得が発生しない?

概ねその通りですが、以下に注意が必要。

・同じ年内での複数回の売却は合算される

・この50万円特別控除は個人にのみ適用可。法人は対象外。

インフレ対策で買った金なのに、課税されてしまったら意味がなくなる

以上のように、かなり高額の税が所得に対してかかりますので、せっかく値上がりした金の値上がり益も小さくなってしまいます。

ではどうすべきでしょうか?

売却すると課税されて資産が減ってしまうので、売却せずに保有したままで別の方法を考えるという手もあります。


少し話はそれますが、ビットコインなどの暗号資産においても、暗号資産を担保にして融資を受けるという方法があったりしますね。
その場合、利益確定する訳ではないので高額の課税がされる訳ではありません。

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