日本に永住権を持つ外国人にとって、出国中の税金や社会保険料の支払いは重要な問題です。
きちんと手続きをしないまま出国してしまうと、最悪の場合、税金や社会保険料滞納により永住権ビザが取消になってしまう可能性もあります。
今回は、日本の永住権ビザを持つ方が出国中にどのように税金や社会保険料の支払いを管理するべきかについてなるべくわかりやすく解説していきます。
日本の税金について
日本の税金は種類がたくさんあります。
ここでは多くの人が関係する「住民税」と「所得税」について解説します。
※不動産を日本に所有している人は、「固定資産税」なども考える必要があります。
日本の住民税について
住民税は、地方税なので、日本に住民登録があると支払う必要があります。
※くわしく書くと、その年の1月1日時点で日本に住民登録があると、その年の6月に住民税の納付書が届きます。
住民税は4回に分けて支払うこともできますが、最後の4回目の納付期限は翌年1月31日になるので、母国に帰国される方は特に注意してください。
日本の住民登録がなくなれば、住民税は支払う必要はなくなりますが、過去に送られてきている納付書の分はすべて支払う必要があるので注意してください。
たとえば、東京都港区に2024年1月1日より前から住民登録があると、2024年6月頃に住民税納税通知書が郵送されてきます。
2024年10月に母国に出国して、海外転出届を出して日本の住民登録を廃止したとしても、「2024年分の住民税」の支払い義務がなくなるわけではありません。
住民税をまとめて1回で支払っている人は問題ありませんが、4回に分けて支払っている人は10月時点ではまだ1回か2回の住民税支払いが残っているはずです。
すべて支払ってから母国に出国するようにしましょう。
日本の所得税について
所得税も色々なパターンがあります。
「給与所得」:どこか会社に勤務してお給料をもらう所得
「事業所得」:自分でビジネスをして得た所得
など
所得税は国税なので、担当の役所は、税務署になります(市税事務所とは別なので注意)
給与所得の場合、勤務先が天引きして代わりに税金を払ってくれていますが、母国に帰国する場合は、自分で税金を支払うように言われることが一般的です。
確定申告は、翌年の2月半ば~3月半ばに行わないといけません。
その時に日本にはもういない場合は、母国に帰国する前に、日本の税金を管理してくれる人「納税管理人」を選んでおくようにしましょう。
日本の社会保険料について
「社会保険料」には、「健康保険料」と「年金」があります。
日本の健康保険料について
区役所や市役所などに海外転出届を提出して、日本の住民登録がなくなれば、健康保険料の納付義務もしなくてよくなります。
日本の年金について
日本の年金については、担当となる役所は、「年金事務所」になります。
※年金については、以下の役所は関係がないので注意してください。
・区役所や市役所
・税務署
・入管(Immigration Office)
年金もご自身の状況に合わせて必要な手続きをしてください。
※この記事では詳しい年金手続きについての解説は省略します。
その他に必要な手続きは?
日本の永住権ビザを持っている人が母国に帰国する場合、「出国期間が1年を超えるか超えないか」によって必要な手続きが変わります。
出国期間が1年以内の場合
この場合、入管への手続きは不要です。
空港で入国審査官に対して、「みなし再入国」とよばれる手続きをするだけです。
※手数料はかかりません。
出国期間が1年を超える場合
この場合、出国する前に入管に対して、「再入国許可」の申請が必要です。
手数料は1回だけの再入国なら3,000円、複数回再入国する場合は6,000円がかかります。
この手続きは必ず出国する前にしないといけないので注意してください。
※再入国許可申請の必要書類などについて詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。
本記事の参考リンク
・外国人の方の個人住民税について【総務省】
https://x.gd/iDmID
・海外への転出【日本年金機構】
https://www.nenkin.go.jp/service/scenebetsu/kaigai.html#cms01
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